しかしリスタート後もBMWからの攻撃を凌いだブッチャーは、テール・トゥ・ノーズのまま24周を走破して“ライト・トゥ・フラッグ”での今季初勝利を達成。2位のヒルに続き、一時はイングラムに先行されていたモーガンがポジションを奪還しての最終ポディウムを確保し、BMW勢が表彰台の脇を固める結果となった。

「今日のクルマは素晴らしかったし、結果でそれを証明できた。前半の最終セクターで少し苦戦したが、確実にパフォーマンスが向上した点は良かったよ」と、昨年はここで2勝を飾っていたブッチャー。

 一方、オープニングヒートで敗れたヒルは続くレース2で逆襲に転じると、ブッチャーと並んでの2番手発進からゴードン・シェドン(ハルフォーズ・レーシング・ウィズ・カタクリーン/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)に先行されはしたものの、3番手からの巻き返しを見せる。

 早い段階で最終コーナー手前ラフィールドでシビックを捉えたBMWは、直後にふたたびのセーフティカー(SC)でギャップが解消されると、リスタート後の攻防劇でカローラを捉え、11周目のコプスで首位浮上に成功。そのままブッチャーを引き離し、この時点でランキング首位に2点差まで迫る勝利を手にした。

 そしてリバースグリッド採用のレース3では、4番手発進だったイングラムが「まるで『モーゼの十戒』のように目の前で海が割れた」と表現するように、前を行くBMWのモーガンとジョシュ・クック(リッチエナジー・BTCレーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)がべケッツで接触。

 これで首位に立ったヒョンデは、2回のSCピリオドも無難にこなし「背後のアッシュ(サットンの愛称)は確実に速いから、それを抑えることだけに集中した」と語ったイングラムが勝利を収め、最終戦ブランズハッチを前にランキング上位3名が7点差にひしめく混戦状態が生まれた。

「1年中、脚本が書かれているようなものだね! 前輪駆動と後輪駆動の素晴らしい組み合わせがあり、続くブランズハッチは僕らのホームサーキットだ。苦手のシルバーストンで選手権首位奪還を果たせたし、ブランズを楽しみにしているよ」と語るのは、この週末に6位、4位、そして2位と貴重なポイントを積み重ねて、リーダーに返り咲いた王者サットン。

 一方、前人未到の記録となる5度目のBTCCタイトルを狙うターキントンは、苦戦の週末を「まるで銃撃戦にナイフで挑んだようなもの」と語りつつ、首位と27点差のランキング4位から「逆転の希望は捨てない」との意気込みを語った。

「レース1から打つ手がなく、接触で大きく出遅れた。シルバーストンのようなトラックで、エクストラパワーが不足している場合(選手権首位のため共通ハイブリッド使用不可)、できることは何もないんだ。苛立つ週末だったよ」

 実質4人の争いに絞られた2022年のタイトル決定戦、最終ブランズハッチは10月8~9日に決着の日を迎える。

今季は名門WSRより参戦するジェイク・ヒル(MBモータースポーツ・パワード・バイ・ロキット/BMW 330e Mスポーツ)は、首位と5点差で最終戦へ
今季は名門WSRより参戦するジェイク・ヒル(MBモータースポーツ・パワード・バイ・ロキット/BMW 330e Mスポーツ)は、首位と5点差で最終戦へ
首位に立ってからも「また不運が起きて上手くいかないのかと不安になった」と明かしたレース3勝者トム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・トレードプライスカーズ.com/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)
首位に立ってからも「また不運が起きて上手くいかないのかと不安になった」と明かしたレース3勝者トム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8・トレードプライスカーズ.com/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)
最後は2位表彰台に喰い込んだ王者アシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)が選手権首位で最終戦へ
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この週末までリーダーを守ってきた“4冠王者”コリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)は、共通ハイブリッドの助けが得られず苦しむ結果に
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