同じくTC2000ではルノー系のアクシオン・エナジー・スポーツSTC2000に所属してルノー・フルーエンスGTをドライブ。初優勝も記録してランキング6位に喰い込んだ。そのモンテネグロは来季もTC2000での活動と並行し、新たにTCRのシリーズを追うこととなり、FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRのステアリングを握る。
そのモンテネグロと好敵手の関係になる、ホルヘ・バリオが開発ドライバーを務めた新型トヨタ・カローラGRS TCRは、アルゼンチン法人の人気SUV『SW4』やピックアップの『ハイラックス』などが製造される、同国を代表する港湾都市サラテのファクトリーで量産体制に入っており、最初の6台はTCRサウスアメリカとTCRブラジルに割り当てられ、来年3月までに完成する予定だという。
そのホモロゲーション登録と車両開発を担当したTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナのゼネラルマネージャー、フアン-パブロ・グラーノは「新たなシーズンをこの新型モデルで開始できるよう、最初の6台は3月までに納入され、残りの4台は6月頃に完成する予定だ」と地元アルゼンチン版の『Motor1.com』に明かしている。
「世界的に見て、トヨタはモータースポーツに非常に力を入れている。誰もが私たちのクルマがダカールラリーやWEC世界耐久選手権、WRC世界ラリー選手権で成し遂げた成果を知っている。それらはすべて、トヨタの公式チームで走ったクルマたちだ」と続けるグラーノ。
「そして今、当社のグローバルCEOである“アキオサン(豊田章男)”からのメッセージは、プライベートチームがレースをするため、競技用カスタマー車両の開発と製造を奨励することだった。これにより、TOYOTA GAZOO Racingのマシンがますます多くのカテゴリーや地域のチャンピオンシップに登場するという考え方だ」
ブエノスアイレスでのポール・トゥ・ウインを皮切りに、最終戦サン・フアンでも連勝を飾っているトヨタ・カローラGRS TCRだが、デリバリーに向けてはTCR規制の最高価格である14万8000ユーロ(約2100万円)で販売される。しかし、その納入先契約チームの詳細は明らかにされていない。
「それは個々のチームの責任になる領域で、まだ報告することはできない。2023年シーズンの開幕が近づくにつれ、詳細が明らかになるだろう」と応じたグラーノ。「我々が言えることは、ヨーロッパから輸入されたTCR車両でシリーズを戦ったいくつかのプライベーターが、テスト段階で得られた良好な結果を考慮して、我々が製造したカローラTCRに切り替えるということだ。すでにTCRの経験があるチームが優先されることは間違いないね」
■TCRサウスアメリカ・シリーズ2023年カレンダー
ラウンド | 開催日 | 開催地 |
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Rd.1 | 3月26~27日 | アルゼンチン(スプリント) |
Rd.2 | 4月15~16日 | アルゼンチン(スプリント) |
Rd.3 | 4月29~30日 | アルゼンチン(エンデュランス) |
Rd.4 | 6月10~11日 | ブラジル(エンデュランス)※ |
Rd.5 | 7月22~23日 | ウルグアイ(スプリント)※ |
Rd.6 | 8月12~13日 | ウルグアイ(スプリント) |
Rd.7 | 8月19~20日 | アルゼンチン(スプリント) |
Rd.8 | 9月23~24日 | ブラジル(スプリント)※ |
Rd.9 | 10月21~22日 | ブラジル(スプリント/ダブル)※ |
Rd.10 | 12月2~3日 | ブラジル(スプリント)※ |
※TCRブラジル併催