そして迎えた第10戦トロント。参戦2年目のルンガーがポール・トゥ・ウインを果たしたのだ。この勝利は、RLLにとって2020年のインディ500以来の勝利となった。バンピーなストリートコースでもルンガーはトップレベルのスピードをレースを通じて発揮。
この勝利によってRLLは、常設ロードコースでの速さに加えてストリートでのパフォーマンスも手に入れていることを示した。
8月に入って、インディアナポリスのロードコースにおける今年2戦目が開催された。ここでグラハムはついにポールポジション(PP)を獲得した。彼にとっては2017年のデトロイト以来となるPP。
チームにとってはつい1カ月前のトロント以来。そして、インディのロードコースにおいては今年の5月(ルンガー)からの連続獲得となった。
レースでは序盤のフルコースコーションを味方につけたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が、残り周回を2ストップで走りきって勝利。正攻法の3ストップで戦ったレイホールは、あと一歩及ばずの2位に甘んじた。
それでも、プライマリーとオルタネートの両タイヤで最も安定して速かったのはグラハムで、インディのロードコースで速さを見せ続けているルンガーでさえ、この日のレイホールに優るペースで走ることはできていなかった。
今シーズンも残り2戦。グラハムが久しぶりの勝利を飾ることはできるだろうか?
残りは第16戦ポートランドと最終戦ラグナ・セカだ。ポートランドはフラットでスムーズな高速ロードコース。ラグナ・セカはトリッキーな路面と激しいアップ&ダウンが特徴のロードコース。
ラグナ・セカでは木曜に合同テストがあるので、現状のロードコースセッティングに更なる磨きをかけることができれば勝利のチャンスが拡大するだろう。
グラハムは、父譲りでもあるレースでのねばり強さを持っている。苦しい、苦しいと言いながらもレースをまとめ上げ、ポイントを重ねてくるキャラクターで、2015年、2016年は年間ランキング4位、5位でタイトル争いに絡んだ。2017年、2020年も同6位になっている。
そんな彼が年に1、2戦勝てる体制を手に入れれば、再びランキング上位に食い込む戦いを見せることもあり得るのではないだろうか。来シーズンには35歳を迎えるレイホール。若手の台頭が著しいインディカーだが、名のあるベテランに一花咲かせる活躍を見せて欲しいと願っているファンは少なくない。