元F1ドライバーであり現在フォルクスワーゲンのモータースポーツ部門責任者を務めるハンス-ヨアヒム・スタックが、イギリスGPでのレッドブル・レーシングのフロントウイング問題について強く批判し、チームプリンシパルのクリスチャン・ホーナーとレッドブルのモータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコは解雇されるべきだと述べた。
イギリスGPの土曜フリー走行でセバスチャン・ベッテルが装着した新スペックのフロントウイングが破損、チームは予選に向けてマーク・ウエーバーのマシンから新ウイングを外してベッテルに与えた。これに対するウエーバーの怒りのコメントがメディアで報じられ、レッドブルはベッテルを優先しているとの批判が再燃した。しかしその後、ウエーバーはホーナーと話し合いを行い、わだかまりは解けたとして、問題は終結したと公式にコメントしている。
フロントウイングの交換は、ホーナーが決定したことであり、彼は、選手権ランキングで上位にいたベッテルにひとつしかない新型ウイングを与えたと説明、マルコもこの決定を支持している。
スタックは、この判断に批判的で、レッドブルのボス、ディートリッヒ・マテシッツは、ふたりをクビにすべきであるとの考えを示した。
「イギリスでチームのマネジメント陣がしたことは、完全にやってはならないことだった」と彼はTZ紙の自身のコラムに記している。
「ウエーバーから新しいウイングを奪うことに決めた者は誰であれ、退職して当然だ」
「クリスチャン・ホーナーは単なる操り人形だ。レッドブルのボス、ディートリッヒ・マテシッツのために、マルコがひとりで糸を操っている。マテシッツはこの問題に対応し、レッドブルに新しい人間を起用するべきだ。(トロロッソのボス、フランツ・)トストはあらゆる意味でF1の中でも最もすぐれたマネージャーのひとりだ」
トルコGPでベッテルとウエーバーが接触した際、一時ホーナーとマルコはウエーバーのみを非難したため外部から批判が集中し、後にそれを撤回した。マルコは最近では2012年にはトロロッソのセバスチャン・ブエミをレッドブルに昇格させたいと発言し、彼をベッテルのチームメイトにしたいとの考えをほのめかしている。