2014年初のF1合同テストを終えたドライバーたちが、今年のF1マシンは昨年と比較して非常に遅いと認めた。
新ターボV6エンジンの馬力はさほど低くないものの、マシンのコーナリングスピードが低下したと言われている。
今年のヘレステストでケビン・マグヌッセンによって記録されたトップタイムは、2004年のテストでミハエル・シューマッハーが出した、過去の全ヘレステストの中でのベストタイムより8秒も遅かった。
ザウバーのエイドリアン・スーティルは次のように述べている。
「去年と比べて20~30パーセントほどダウンフォースが低下した。さらにタイヤが一段階硬くなった。そうなるとさらに難しい状況になる」
「今のF1は少し遅すぎる。残念なことだよ。エンジンは非常にパワフルだから、パワーが原因ではない。ターボチャージャーで走るのは楽しい」
「でも、空力面に関して少し向上する必要があると思う。F1はコーナーでも速くなければならないからね」
「それにタイヤは硬すぎる。なぜこれほど保守的でなければならないのか理解できない。少なくともグリップがいいタイヤで走ることは可能なはずだ」
フェルナンド・アロンソは、2014年のマシンはコーナリングスピードが遅いため、去年より身体的な負担は減ったものの、ドライビングは相変わらず楽しいと述べた。
「身体面の状況は変わった。今年のマシンはこれまでのF1マシンよりも楽なんだ」とアロンソ。
「コーナーでかかる力やスピードは低下したが、一方で管理しなければならないパラメーターは増え、ステアリングホイールのボタンが増えた」
「高速コーナーでマシンをコントロールするなど、ドライビングにおいて、重要なファクターが増した」
「僕の場合、F1より30秒遅いカートで走っても楽しいし汗をかく」
「ラップタイムに関係なく、限界で走っていれば、エキサイティングという面ではなんら変わらない。このマシンは相変わらず走っていて楽しい」
ウイリアムズのフェリペ・マッサは、スピードが低下したことは走っていて感じるが、難しいマシンであるため、昨年まで同様走っていてエキサイティングだと語った。
「去年と比べてかなり遅くなっている」とマッサ。
「(でも)限界で走っているときには、マシンのすべてを活用しようとする。だから走るのが難しいマシンであれば、遅くは感じない。難しいと感じるんだ」
しかしスーティルは、シーズン中に状況は大きく変わっていき、来年のマシンはかなり速くなると予想している。
「過去を振り返ってみれば分かるが、新しいマシンレギュレーションが導入されても、時間がたてば、ひと月ごと、あるいはふた月ごとにクルマが進歩していく」
「だからシーズン終了時と2015年の新車を比べると、少なくとも4秒は向上するのではないかと思う。大きく前進し、F1がまた速さを見せるようになると期待している」