NASCAR SPRINT CUP SERIES
第14戦 Pocono 500
開催日:6月7日
デイビッド・ロイティマンが3位フィニッシュ
6月7日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第14戦「Pocono 500」が開催された。
ポコノは3本のストレートを3つのコーナーで結んだ、“トリッキー・トライアングル”の愛称を持つ三角形の独特なレイアウトを持つ2.5マイルオーバル。
5日(金)午後3時から予選が行われる予定であったが、降雨のために中止となり、規定によりオーナーポイント順で決勝のグリッドが決定。その結果、カイル・ブッシュが6番手、デニー・ハムリンが7番手につけ、12台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。
7日(日)午後2時20分に2.5マイルオーバルを200周(500マイル:約800km)のレースがスタート。7番手グリッドのハムリンは、スタートが切られた直後にスローダウン。マーシャルトラックに押されてピットへ戻り、修復したが、23周ものビハインドを負うこととなり、レースから完全に脱落してしまった。
6番手スタートのKy.ブッシュは、シャシーセッティングが決まらず、終始オーバーステアに苦しむレースとなった。
Ky.ブッシュはそれでもレースの大半をトップ10圏内で走行。その後方に13番手スタートのデイビッド・ロイティマン、17番手スタートのブライアン・ヴィッカーズ、20番手スタートのマーコス・アンブローズが中団グループで続く形となった。
1周2.5マイルもあるポコノでは、燃料フルタンクでの走行可能周回数は32周から36周ほどと見られており、最後まで走り抜くには厳しい、残り40周でこの日5度目のイエローコーションが出されると、ここで全車ピットイン。166周目に再スタートとなった。
各車が燃費走行を強いられペースを落とす中で、9位で再スタートを切ったロイティマンと、再スタート時の23位から目覚ましい追い上げを見せたマーコス・アンブローズが“トヨタ カムリ”の好燃費を活かし、一気にポジションアップ。残り10周を切ると、耐えきれなくなった車両が次々にピットへと脱落。最終周には、3位を走っていたジミー・ジョンソンが燃料切れでスローダウン。これをかわしたロイティマンが、3位でチェッカー。アンブローズが6位に入った。ロイティマンは今大会の結果、ドライバーズランキングでも“チェイス”圏内となる12位に浮上した。
次戦第15戦は6月14日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイで行われる。
ドライバー デイビッド・ロイティマン:
「クルーチーフは燃料をセーブしろ、と繰り返し、最後のピットストップの時には、我々は最後まで走りきれる、と伝えられた。私は出来る限り速く走りながらも、前半は丁寧なスロットル操作を心がけ、後半は更に燃料消費を抑えるようにした。最後どれほど燃料が残っていたのかはわからない。しかし燃料圧力は全く変わらなかった。恐らくまだ少し残っていたんだろう。トヨタとTRD-USAに感謝したい。彼らのハードワークがこの素晴らしい燃費を実現し、今日の結果に繋がったんだと思う。これまでここポコノでは全く良い結果を得ることが出来なかったので、今日トップ5に入れたことは私にとって優勝にも匹敵する結果だ」
NASCAR NATIONWIDE SERIES
第13戦 Federated Auto Parts 300
開催日:6月6日
カイル・ブッシュが今季4勝目を挙げる
6月6日(土)NASCARネイションワイド・シリーズの第13戦「Federated Auto Parts 300」が米国南部テネシー州ナッシュビル近郊・レバノンに位置するナッシュビル・スーパースピードウェイで開催された。
今週末はNASCARのトップ3カテゴリー全てが開催されるが、それぞれ別のコースで行われるため、複数のカテゴリーに出場するドライバーは、非常に忙しい週末を過ごすこととなった。スプリント・カップ・シリーズとネイションワイド・シリーズに出場するカイル・ブッシュは、6日(土)は午前中ポコノでのカップ・シリーズの公式練習を走った後、飛行機でナッシュビルに移動し、ネイションワイド戦の予選と決勝を戦うこととなった。
6日(土)決勝を前に午後1時35分から予選が行われ、カイル・ブッシュが今季3度目となるポールポジションを獲得。2番手以降にトレヴァー・バイン、マイケル・マクドウェル、ブラッド・コールマン、スコット・レガセイ・Jr.と続き、“トヨタ カムリ”が予選トップ5を独占。 10台の“トヨタ カムリ”が決勝へと駒を進めた。
午後6時50分に1.333マイルオーバルを225周(300マイル:約480km)する決勝レースがスタートした。
ポールポジションのカイル・ブッシュはスタートからトップをキープ。レースは5周目と24周目にクラッシュによるイエローコーションが出されたが、上位勢はピットインせず、後方集団がピットイン。しかし、その後はイエローが出ず、60周前後から上位グループはグリーン下でピットインを強いられ、先のイエローで給油を終えていたジェイソン・リフラーが首位に浮上した。
その後リフラーもグリーン下でピットインし、114周目に3度目のイエローコーションが出されると、上位グループが揃ってこの日2度目のピットへ。リフラー、Ky.ブッシュの順でピットアウトしたが、再スタートでKy.ブッシュがリフラーをかわし、この日2度目のトップに立った。
126周目には多重クラッシュが発生。車両排除のために13分にわたって赤旗中断。
赤旗中断からの再スタート後もKy.ブッシュは首位を快走。終盤、やはりコーションが出ず、グリーン下でのピットで一旦は首位を譲ったが、全車が給油を終えた202周目に首位に再浮上すると、その後は2位以下を大きく引き離し、トップでチェッカー。Ky.ブッシュが225周中173周をリードする圧倒的な強さで、今季4勝目を挙げた。
リフラーが5位、ルーキーのマクドウェルが3番手スタートから健闘を見せ、8位に入った。
Ky.ブッシュはネイションワイド・シリーズで、ナッシュビル初勝利。“ミュージック・シティ”と呼ばれるナッシュビル独特の、“ギブソン・レスポール”型トロフィーを初めて獲得することとなった。
次戦第14戦は6月13日(土)に米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで行われる。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「ヴィクトリーレーンに戻ってこられたのを本当に嬉しく思っている。やっとここ数週の不運から脱出できた。ファンとチームの全てのスタッフに感謝したい。ここ2週間は厳しい期間だったが、今日勝てたことで、本当に安心できた。(ブラッド・)ケセロウスキーはレース終盤、我々よりも調子が良かったが、私は再び何かが起こらないように、慎重に走り続けた。我々の“トヨタ カムリ”は速く、ピットロードでの我々のクルーの働きも 素晴らしかった。そして、クルーチーフも常に適切な判断をしてくれた。今日は順調で何の問題も起こらなかった。ここ数週間も、我々は同じようにスムーズなレースを戦ってきたが、最後にちょっとした何かが起こってしまっただけだ。今日も、レースの終了が近づくにつれて、最後まで走りきれるのか、私はナーバスになっていった。しかし、ついに我々は不運を振り払い、勝利を挙げることが出来た。特に私にとっては、ネイションワイド・シリーズでのナッシュビル初勝利となったので特に格別だ」
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第8戦 WinStar World Casino 400
開催日:6月5日
トッド・ボダインが今季2勝目。テキサス5勝目の新記録達成
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第8戦「WinStar World Casino 400」が6月5日(金)、米国中南部テキサス州フォートワースのテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。
4日(木)2度の練習走行に続き、午後6時から予選が行われた。今週末は遠く離れたポコノとナッシュビルでスプリント・カップ・シリーズ、ネイションワイド・シリーズ戦が行われているために、トラック・シリーズ戦には参戦しないカイル・ブッシュに代わり、51号車を駆るルーキーのブライアン・アイクラーがトヨタ勢最上位の2列目4番手。テキサスでは最多タイの過去4勝を挙げているトッド・ボダインが9番手。ティモシー・ペターズが10番手につけ、12台の“トヨタ タンドラ”が決勝へ進んだ。
5日(金)午後8時20分に1.5マイルオーバルを167周(250マイル:約400km)して競われる決勝レースがスタート。序盤は3番手スタートのアイクラーが3位に浮上し、これに、9番手からポジションを上げたボダインが続いた。
42周目にこの日最初の1度目のコーションが出されると、各車給油とタイヤ交換のためにピットイン。アイクラーはここでボダインにかわされるも、トップ5につけていたが、その後はペースが上がらず徐々にポジションを落としてしまった。
この日はほとんどイエローコーションの出ない展開となり、燃料が厳しくなった100周目前後からグリーン下で続々とピットイン。ここでボダインはぎりぎりまでピットインを遅らせ、 99周目に首位浮上。全車がピットインを終えた時点で6位につけた。このとき、2本タイヤ交換作戦を採ったテイラー・マルサムが2位、ステイシー・コンプトンが4位へとポジションを上げた。
143周目、この日2度目のイエローコーションが出され、全車最後のピットイン。まず全車がタイヤを交換し(トラック・シリーズでは1度のピットでタイヤ交換と給油を同時に行うことは禁止されている)、翌周、給油を行うべく再びピットへ向かったが、ボダインはここでコース上に残り、タイヤ交換のみとするギャンブルに出た。
10位以下を周回遅れにする圧倒的な差で首位に立ったボダインは、燃料が心配されたが、最後までペースを落とすことなく、見事トップでチェッカー。開幕戦デイトナに続き、今季2勝目を挙げた。ボダインはここテキサスで5勝目を挙げることとなり、シリーズで初めて、同じコースで5勝を挙げたドライバーとなった。
ディフェンディングチャンピオンのジョニー・ベンソンが4位。デイビッド・スターが7位、マルサムが9位、マイク・スキナーが10位に入り、5台の“トヨタ タンドラ”がトップ10 フィニッシュを果たした。
次戦第9戦は6月13日(土)にミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催される。
ドライバー トッド・ボダイン:
「先週、友人は私に『優勝ではなく、2位になるように応援している』と言った。ブレンダン(・ゴーアン:テキサスで4勝の記録を持つ)には申し訳ないが,私は勝つことができた。最後の走行まで、我々はあまりにひどいオーバーステア症状に悩まされていた。そして最後のピットタイミングで、クルーチーフが素晴らしい判断と、調整を行ってくれた。本当に素晴らしい夜だ。燃料については、クルーチーフが心配していなかったので、私も気にしなかった。彼らは燃費について完璧にコントロールしていた。我々の“トヨタ タンドラ”は本当に驚くべきトラックであり、最終的に私がここヴィクトリーレーンにいられるということが信じられない」
