フォース・インディアにとって2009年ベルギーGP以来、5年ぶり2度目の表彰台となったバーレーンGP。このチームに2011年に加入した松崎淳(タイヤ&ビークルサイエンス部門シニアエンジニア)にとっては、フォース・インディアのエンジニアとして初めての表彰台だった。

「これまで何度も表彰台を逃してきたので、ようやく獲れて嬉しい。特に最後はセーフティカーが入ったため、3ストップ勢がタイヤを交換した後、背後に迫っていたので、かなりヒヤヒヤしました。それでも、なんとか(セルジオ)ペレス選手が粘ってくれました」

 2ストップ作戦はレース前から決めていた。

「2ストップか3ストップかは、デグラデーション(劣化)をどう読むか。私が予測したデグラデーション(劣化)のデータから、ウチのストラテジスト(レース戦略担当者)は2ストッフの方がトータルで早くフィニッシュできるという計算を弾き出しました」

 ただし、デグラデーションは路面状態によっても変わる。特に22台が一斉に走るレース中、路面状態は変わりやすい。そこでピットではテレメトリーから送られてくる情報を元に、最新のデグラデーションを予測し、レース戦略を遂行するために、ドライバーに様々な指示を出す。

「クルマをうまくセットアップできたし、レース中のタイヤの使い方もレースエンジニアを通して、うまくやることができました。通常はどこかでひとつやふたつ、うまく行かないことがあるんです。今回は完璧とは言いませんが、ほぼノーミスだったのが、3位になれた大きな要因です」

 新しいパワーユニットが導入された現在のF1は、すべてのエンジニアリングが高いレベルで仕事をしないと、なかなか結果に結びつけられないと松崎は言う。

「今日の獲得した3位も、セットアップのちょっとした狂いや、エンジニアからドライバーに無線で出す指示にミスがあったり、あるいはドライバーがエンジニアの指示どおりに運転してくれなかったら、簡単に5位や6位、あるいはトップ10外に落ちていたかもしれません」

 新しくなったパワーユニットに注目が集まったシーズン序盤。地道にタイヤの使い方を向上させていた松崎とフォース・インディアが3位を獲得し、F1界に与えたインパクトは大きい。

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