韓国GP終盤、フェルナンド・アロンソが無線で「諦める」とチームに言ったのが放送で流れ、人々を驚かしたが、彼が改めてその発言の背景を説明した。
レース終盤、ペースを上げ、4位のジェンソン・バトンとのギャップを縮めていたアロンソだが、チームへの無線で「もう無理だ。諦める」と述べた。不屈の闘志の持ち主で、最後まで諦めないことで知られるアロンソのこの発言に、多くの人々が驚いた。
無線でのこの発言は、レース中盤までチームメイトのフェリペ・マッサの後ろで時間をロスし、前を追えなかったことの苛立ちの表れだという解釈や、あるいはマクラーレンを欺くための戦略だったのではとの説を唱える者もいるとYallaF1が伝えている。
しかしアロンソ本人は、全力で走ってここまで追いついたが残り周回数が2周ではバトンを抜くことはできない、という意味だったと説明した。
「ウォールに近づいてしまった瞬間があり、チームにあと何周残っているかと聞いた」とアロンソ。
「『2周』と言われ、僕は、『2周では無理だ。今日は(そこまでの)20周、すべての力を出し切って走った。でもあと残り2周ではもうやれることはない』と思い、無線でああ言った」
アロンソは、レース前半、マッサに押さえられたわけではないと語っている。
「あの時僕は彼よりそれほど速くもなかった。レース序盤はスーパーソフトタイヤにてこずり、デグラデーションに気をつけながら走っていた。ピットストップの後、ペトロフとミハエル(・シューマッハー)の後ろに出て、ターン3で僕の目の前で彼らのアクシデントが起こった」
「ニコ(・ロズベルグ)の後ろでも大幅に時間をロスした。でもどちらにしても僕はその時それほど速くなかったんだ。ソフトに交換してから状況はかなりよくなった。前が開け、思うようにプッシュできた」
「20周の間、予選ラップのように走ってトップグループに追いつこうとした。でもバトルに持ち込むにはもう遅かった。僕は最終スティントしか速くなかったんだ。その理由はこれから分析する」
アロンソは、残り3戦も全力を尽くし、来年に向けた作業も行っていくと述べた。
「もし残りのレースで表彰台に上れたら、それは嬉しいね。意外にも1回優勝できたら、もっと嬉しい」
「僕らは来年に向けた作業も続け、新しいものを試すつもりだ。戦略で少しリスクを冒つこともあるかもしれない」