2009年F1第8戦イギリスGPの決勝が終了し、表彰台に上った3人のドライバー、セバスチャン・ベッテル、マーク・ウエーバー、ルーベンス・バリチェロをはじめ、各ドライバーたちが、それぞれのレースについて語った。

2009年F1第8戦イギリスGP日曜日ドライバーズコメント

1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 決勝16位
今日は全力を尽くした。後方での戦いになったけれど、レースの最初から最後まで限界まで攻めた。難しいレースになることは分かっていた。フェルナンドとのバトルは楽しかったよ。でも僕らには入賞できるだけの速さがなかった。今週末一番素晴らしかったのは、ファンの皆だ。レースの間中応援してもらって、励まされた。彼らが喜び、母国が誇りに思ってくれるような結果を出したかったけれど、それを実現するには、まだまだやるべきことが多いね。

2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 決勝リタイア
もちろん、チームのホームレースで完走することができずに残念だ。リタイアするまで、マシンの調子はよく、戦略もうまく機能しており、目標に向かって走っていた。そしたらブルデーが追突してきて、左リヤの部分にダメージを負った。このダメージの影響でマシンは走らなくなってしまったので、レースをやめるしかなかった。安全のことを考えてリタイアする決断を下したんだ。

3 フェリペ・マッサ(フェラーリ) 決勝4位
まるで優勝したかのような気分だよ! 11番グリッドからスタートして4位でフィニッシュするなんて、本当に素晴らしい結果だ。こんな結果は期待していなかっただけに、余計に嬉しい。僕らはいい戦略の下でレースをし、僕は重要なポイントで限界までプッシュした。今日はKERSが、特にスタートでとても役に立った。でもマシン全体がよく機能していた。チームは素晴らしい仕事をしたよ。この結果がそれを物語っている。この方向にさらに前進し続けていかなければならない。一日一日マシンのパフォーマンスが向上するのを知るのは面白いだろうね。路面温度があと少し高かったら、タイヤをもっとうまく機能させられたのだと思う。

4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 決勝8位
スタートはうまく決まったけれど、その後はずっとトラフィックにつかまって、思うようにプッシュできなかった。燃料搭載量からすると、グリッドポジションがよくなく、そのせいで戦略をうまく機能させることができなかった。最初のピットストップの時期が過ぎた時点で、僕はトゥルーリの後ろにいたが、その後の展開で僕のレースがほぼ終わることになった。何度か彼にすごく接近して、抜こうとしたけれど、うまくいかなかった。オーバーテイクはかなり難しいんだ。最終的にはグロックとの戦いになったけれど、KERSのおかげと、僕のペースがかなりよかったことで、楽にポジションを守ることができた。1周目の終わりのポジションを考えれば、もっといい結果が出せたはずなので、悔しい。1ポイントでは大喜びはできないけれど、何もないよりはいい。マシンは今日は悪くなかった。昨日の予選よりずっとよかったよ。

5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 決勝13位
僕にとってとても難しいレースだった。12番グリッドからのスタートでは、通常の状況ではそれほどいい結果は望めないのが明らかだ。そのため、僕らはリスクを冒し、燃料をたくさん積んでプライムタイヤでスタートすることにした。でもそれはうまくいかなかった。序盤にタイヤをうまく温められず、順位を落としたんだ。今日は13位が精いっぱいの結果だという事実を受け入れなければならない。

6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 決勝15位
予選結果が悪かったので、この決勝結果は予想どおりのものだ。いい結果を出すのは不可能だった。スタートでかなりリスクを冒して狭い隙間に飛び込み、フロントウイングにダメージを負った。でもそれ以上悪化しなくてよかったよ。もちろん空力に大きく影響したけれど、それ以上ロスしないように、スケジュールのピットストップまで我慢した。セカンドスティントではハード側のタイヤを使わなければならなかった。でもソフト側のタイヤの方がよかったのは明らかだね。

7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 決勝14位
今日はポイント獲得のチャンスはスタートで絶たれてしまった。スタートでふたつポジションを落とし、燃料をたくさん積んだハイドフェルドにおさえられ、大きくロスした。コース上でいいバトルを何度かしたけれど、こんなひどい結果に終わり、当然悔しい。僕らはドイツの前にあらゆるエリアを改善する必要がある。

8 ネルソン・ピケ(ルノー) 決勝12位
今日の結果は全体的に不本意なものだったけれど、僕はしっかりしたレースをしたと思っている。僕らは作業を続けなければならないし、次のレースには新たなアップグレードを導入する必要がある。マシンがよければ自分がコンペティティブなのは分かっている。でも、予選でのパフォーマンスを改善するのは僕自身の課題だ。

9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 決勝7位
とても難しいレースだった。クルマがいつものように速く発進せず、スタートで苦労し、いくつか順位を落とした。レース中、順位を戻そうと懸命に戦ったが、そう簡単なことではなく、クルマは何度も滑った。たぶん、昨日選んだ空力のセットアップのせいだと思う。そう思ったほど暖かくならず、セットアップに少々手を焼き、特にロングランの時にそうだった。私たちの戦略は良かったが、今回のGPでは、もっと良い結果を期待していたので、ドイツGPで巻き返す決意だ。

10 ティモ・グロック(トヨタ) 決勝9位
ポイントを逃したことが残念だ。特に、渋滞から抜け出してから、僕はとても速く、最後には、キミ(・ライコネン)に、非常に簡単に追いつくことができた。問題は、いくつか順位を落とした第1コーナーだった。そのため、渋滞にはまり、レースがうまく行かなくなった。それでも僕はあきらめないで、ポイント圏内に入る可能性があった中間のスティントでは、(ジャンカルロ・)フィジケラと競い合った。最後にハードタイヤを履いた時は、クルマの調子が良く、あっという間にキミに追いついたが、追い抜くまでのチャンスはなかった。最終ラップの最後のコーナーで試みたものの、うまく行かなかった。今はもう、自分とチームにとって、ホームでのレースになる、次のGPを楽しみにしている。今日のような低い気温よりも、僕たちのクルマに合うようなもう少し暖かい気候になってほしい。

11 セバスチャン・ブルデー(トロロッソ) 決勝リタイア
コバライネンとの接触について話すと、彼は2度ラインを変えたんだ。ストウの出口で僕は通常のラインをとり、彼はイン側に行った。そして僕がアウト側に動いた時、彼が動いたので、僕は逆側に行くと、彼はまたラインを変えた。彼はピットから出てきたばかりで、フルタンクでタイヤは冷えており、ブレーキを早めに踏んだ。彼はあんな風にラインを変えるべきではなかった。残念なことに、結局僕は水圧が低下してガレージでリタイアせざるをえなかった。

12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 決勝18位
とてもタフなレースで、僕らはペースの悪さに苦しんだ。今週末の序盤はもっと速かったので、原因を究明する必要がある。特にタイヤの磨耗という問題を抱え、マシンはとても走らせづらかった。ニュルブルクリンクもまた大変な週末になるだろうが、ハンガリーにはアップグレードを導入する予定であり、それによって競争力が向上し、パフォーマンスが大幅によくなるだろう。

14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 決勝2位
チームにとって素晴らしい一日だ。優勝できなかったのは残念だけれど、僕は昨日の予選で勝つチャンスを失ったのだと思っている。フロントトウを獲得すべきだった。そうしていたら、ファーストスティントでセバスチャンの仕事を少しは難しくしていただろう。実際には僕はルーベンスにおさえられていた。でも僕はファーストスティントで燃料をセーブして走り、それによって最初のピットストップでルーベンスの前に出ることができた。今日はこれ以上のことをできたとは思わない。セバスチャンにおめでとうを言うよ。彼はファーストスティントをうまくやり、それが勝利の基礎となった。チームのこと? 皆、最近は夜まで集中して作業していた。細部にまで目が行き届いており、それは彼らのおかげだ。彼らは正しい方向に進み、正しい対処をしてきた。ルノーにも助けられた。地元での1-2という最高のリザルトを飾ることができ、彼らにとって素晴らしい結果になったと思う。今日は楽しんだ。シルバーストンは素晴らしいサーキットだ。毎周毎周、ファーストセクターを走り抜ける時、最高の気分になる。ここでF1マシンを走らせるのは素晴らしいし、イギリスのファンはいつも最高だ。今日は素晴らしい一日だった。

15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 決勝1位
ここは最高のサーキットだ。ここの高速コーナーを、ドライバー全員が楽しんで走っていいると思う。本当に夢みたいなんだ。レースの間中集中し、目を見開いて注意して走り続けるのは楽じゃないよ! スタートがとても重要だった。ファーストスティントでは、後続を引き離し、ギャップを築こうと努力した。そうすることがレースのために重要だと分かっていたからね。マシンは最高で、信じられないほどだった。どんどんプッシュできたし、タイヤはとても安定していた。セカンドスティントはそれほど楽ではなかった。周回遅れのマシンがたくさんいて、彼らは互いにバトルをしていたから、チームに注意するよう言われた。最後のピットストップを済ませると、目の前がクリーンになって、あとは1周1周カウンドダウンしていくだけだった。マークとの間に大きなギャップを築いていたので、その後はレースをコントロールできた。ファクトリーとサーキットのチーム全員がとても頑張って作業をしてきた。マシンを今の状態まで持ってきたチームの頑張りは素晴らしい。僕らは正しい方向に一歩進んだことを証明できたので、とても嬉しいよ。シルバーストンにも感謝する。このレースをとてもエンジョイした。グランドスタンドを見ると、誰もが立ち上がって、手をたたいていた。僕がチェッカーフラッグを受けた時の雰囲気は最高だった。子供の時、マンセルが走っているころにイギリスGPを見ていたけれど、そのころ夢見ていたようなことが現実になった。僕がここにいて、うまくやってのけたのだと考えても、今はほとんど現実とは思えないよ。でも僕がこのグランプリで勝ったんだね。すごくハッピーだ。

16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 決勝5位
今回もいいレースができて、チーム全員、そして僕自身のためにとても喜んでいる。それでも、今日は僕らの能力に見合った結果を出せたわけではない。バリチェロがミドルスティントで遅くて、彼に引っかかってしまい、そのせいでマッサに前に出られてしまった。それがなければ4位に入れたと思う。本当によくやった、とチームに言いたい。全員素晴らしい仕事をしており、開発を進めてきている。僕らはどのコースでも安定している。今後のレースが楽しみだよ。

17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 決勝11位
僕にとって理想的な結果とはいえない。特定の理由があったわけではない。満足いくスタートができ、いいレースになりそうだと思っていた。でも、最初のピットストップの前に一台のマシンに引っかかり、その後は前のマシンについていくのが難しかった。

20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 決勝17位
昨日のクラッシュで、僕のレースカーはかなりのダメージを負ったので、スペアカーをリビルドしたが、フォーメイションラップでフュエルプレッシャーのトラブルが発生した。なんとか対策して少なくともスタートはできたが、今日は本当に残念なレースになった。僕らはクラッシュによって予選でいい順位を獲得する大きなチャンスを失い、その結果、レースは特にいいところもなく終わった。誰かをオーバーテイクするチャンスもなく、ただぐるぐる走っているだけで、少し退屈だった。でも少なくともまた完走することはできた。次のドイツに期待しよう。ドイツでは今週末に持ち込んだニューパーツのアドバンテージを生かすことができるといいね。

21 ジャンカルロ・フィジケラ(フォース・インディア) 決勝10位
今週末、僕らはトップ10フィニッシュを狙っていたんだ。それは難しいと思っていたけれど、今日はとてもいいレースができたし、できる限りの最高の結果を出すことができた。楽しいレースだったよ。スタートをうまく決めて、1周目にはたくさんのドライバーをオーバーテイクした。2周目にもクビカと2台のルノーを抜いた。序盤はすごく集中して走った。それは僕の戦略上、とても重要だった。昨日の予選では赤旗の影響であまりいいスターティンググリッドを獲れなかったからね。もしもっとグリッドがよければ、ポイントが獲れていたんじゃないかと思う。8位は目の前だった。最終的にはキミとティモより僕の方が速かったんだ。大きな前進が果たせたね。今後のレースが楽しみだよ。チームは素晴らしい仕事をした。この調子で前に進みたいね。

22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 決勝6位
シーズンの今の段階では1ポイント1ポイントがとても重要なので、今週末3ポイントを持ち帰ることができてよかった。でも、僕らにとってはとても残念なホームグランプリになった。スタートはよくなかった。前のトゥルーリが滑り出しが遅かったので、僕の行き場がなくなったんだ。イン側、その後アウト側とトライしたが、皆があっという間に僕の脇をすり抜けていった。9番手からのレースは楽ではなかった。ファーストスティントはトゥルーリにおさえられた。ソフト側のタイヤでマシンのフィーリングがよかったし、僕の方がずっと速かったのに抜くことができず、本当にフラストレーションがたまった。その後のミドルスティントはハード側のタイヤで長めにとったが、僕もルーベンスも涼しいコンディションの中、燃料をたくさん積んだ状態でタイヤを作動温度域に持っていくことがなかなかできなかった。終盤ソフト側のタイアを履くと、ロズベルグとマッサに簡単に追いつくことができた。だからマシンのペースはとてもよかったということだ。それでもオーバーテイクはとても難しかったし、残り周回数も少なかったので、6位から順位を上げることはできなかった。僕らのマシンが温度が低いとうまく機能しない原因を調べる必要があるね。それから、今後気温の高いレースが続くことを願っているよ。

23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 決勝3位
今日シルバーストンで3位を獲得したことを本当に誇りに思う。チームにとってタフな週末で、もし路面温度が上がらなければレッドブル勢を打ち負かすのはかなり難しいことは分かっていた。マシンのバランスはとてもよくて、前戦に比べてパフォーマンスが落ちているわけではない。単に温度が低いことでタイヤのウォームアップがかなり難しくなったというだけのことだ。僕はいいスタートをして2位をキープしたが、前を行くセバスチャンは遠ざかってしまったので、僕らは3位を争っているのだということが分かった。今週末、ふたつのタイヤはほとんど差がなかったが、レースではソフト側の方が間違いなくよかったので、長めにとったミドルスティントでハード側のタイヤで走った時は苦しかった。それでも3位という、今週末可能な最高の結果を持ち帰ることができて、とても満足している。ジェンソンのリードを少し削ることができたのも嬉しいよ。

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