シリーズ200戦目を迎えたIZODインディカー・シリーズ。節目のレースとなった第15戦ケンタッキーは、エリオ・カストロベス(チーム・ペンスキー)が優勝を飾った。佐藤琢磨(ロータス/KVレーシング)は1周目でクラッシュを喫しリタイア。予選5番手スタートだった武藤英紀(ニューマン・ハース)は、ハンドリングに苦しみペースが上がらず17位完走で日本人ふたりには厳しいレースとなった。

 4日現地20時45分にスタートが切られた第15戦ケンタッキー。1周目からイエローコーションが入る。原因になったのは佐藤琢磨だった。4コーナーでハーフスピンしセーファバリアに激突しリタイア。後ろにいたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)もスピンするも接触なく復帰。26番手スタートだったトニー・カナーン(アンドレッティ・オートスポーツ)はオープニングラップで16番手までジャンプアップに成功した。

 9周目、グリーンフラッグが振られるとポールスタートのエド・カーペンター(パンサー/ビジョンレーシング)を先頭にレースは再開される。11周目に入る直前、チームメイトのダン・ウェルドン(パンサー・レーシング)がカーペンターを交わしトップへ浮上。パンサー勢をウィル・パワー(ベリゾン・ペンスキー)が追いかけるかたちで序盤戦が繰り広げられる。

 アンダーグリーンで迎えた最初のピットストップ。各車ピットインを終えるとトップに立ったのはパワー。ウェルドンが続くも、ピットストップでウィングをチェンジしたカーペンターは遅れてしまった。

 中盤、ターン3で3台が絡む多重クラッシュの影響で80周目に再びイエローコーションへ突入。この間に各車2回目のピットストップを済ませる。2回目を済ませたエリオ・カストロネベスだったが、イエローの間にさらにピットインを行い給油。このスプラッシュ・ピットインが終盤の争いに大きく影響することとなる。

 95周目にようやくリスタートが切られ、パワーがトップ、2番手にウェルドン、その後をスコット・ディクソンとダリオ・フランキッティのガナッシ勢が続く。順調にトップでレースを進めるパワー。オーバル初優勝も見えてきたところで3回目のピットインを迎えた。

 トップ集団でいち早くピットインしたパワーだったが、ピットアウトの際にまさかのミスでタイムロス。ピットアウト後には6番手まで落ちてしまい、チャンピオン争いのライバルであるフランキッティの先行を許してしまう。ピットストップをずらしたカストロネベスが147周目にピットイン。ウェルドンを先頭に、フランキッティ、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)、カナーン、パワーの順でレースは終盤戦へ。

 1回の給油で走れるラップ数は50周くらいというケンタッキー・スピードウェイ。一番最後にピットストップしたカストロネベス以外は、燃料が持つか微妙な状態でレースは進む。燃費走行に切り替えるか、イエローが振られるのを待つのか……。パワーは徐々にポジションを落とす中、カナーンはトップ2台に迫りレースを盛り上げる。

 残り10周を切ってもイエローコーションにはならず、192周目にカナーンが先陣を切ってピットインすると、他のドライバーたちもピットインへ。残り4周でトップに立ったのは、カストロネベス。最後までアクセルを緩めることなく2番手に13秒の差をつけ、記念すべきシリーズ200戦目の勝者に輝いた。

 おなじみの“スパイダーマン”パフォーマンスを見せたカストロネベスは、「問題があってピットストップしてしまい、遅れてしまったがそれが最後に意味をもったね。2008年のケンタッキーでは燃料がなくなってしまって、2位でレースを終えたのを覚えてるよ。その時と似た状況だったけど、今回のチーム・ペンスキーは上手くいったんだ。インディカー・シリーズの一部になれるようなこの勝利にとても興奮しているよ」と喜びを語った。

 最後のピットストップで逆転したカーペンターが2位に入り、昨年のケンタッキーと同じ自己ベスト順位タイでポールスタートのレースを終えた。3位には同じくパンサーレーシングのウェルドン。26番手スタートのカナーンが4位に入った。

 フランキッティは5位に入り、8位フィニッシュのパワーとの差を6ポイント縮め、17ポイント差でインディジャパンに挑む。プレッシャーなのかめずらしくミスが出たパワーと昨シーズンのように逆転を信じ淡々と追いかけるフランキッティ。今シーズンもチャンピオン争いは最終戦までもつれそうだ。

 予選でのスピードは申し分なかった武藤英紀。しかしプラクティスからロングランでのハンドリングに苦しみ、決勝ではセッティングを変更して挑むも17位完走と耐えるレースになってしまった。

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