2月3~4日にポルトガルのアルガルベにおいて開催されたFIA GTの「バランス・オブ・パフォーマンステスト」で、ニッサンGT-RでFIA GT1世界選手権に参戦するスイスレーシングも参加。あいにくの悪天候にもかかわらず、カール・ベンドリンガー、ヘンリ・モサー、そしてマックス・ニルソンの3人がステアリングを握りテストプログラムをこなした。
「2台のGT-Rは完璧だと言っても過言ではない。ドライバーたちとマシンとの相性は非常に良い状態だ」とオスマー・ヴェルティ監督はテストの感想を語る。そして、「ベンドリンガーとモサーのドライバーコンビは、身長も体型も似ているのでドライバーチェンジも非常にスムーズにできる上、理想的なコンビネーションと言える」と語っている。
2号車をドライブしたのは、スイスレーシングで昨シーズンまでドイツF3に参戦していたスウェーデン人、ニルソン。今回のテストで初めてGTマシンのステアリングを握るもそつなくマシンを操り、チーム首脳陣も満足げな模様。第4ドライバーの発表はなされていないが、今回のテストでは、09年にドイツのADAC GTマスターズやFIA GT3でチーム・ロズベルグから参戦し、アウディR8をドライブしていたポルトガル人、チェーザレ・カンパニコが起用された。カンパニコは、昨年末にFIA GT1で5年連続チャンピオンを獲得したヴィータフォンチームのマセラッティMC12を事前にテストドライブしただけあり、今回のテストもかなりの好感触だったようだ。まだ契約には至ってはいないが、残りの1シートの候補として十分に可能性はありそうだ、とチーム関係者は語っている。
テストを終えたベンドリンガーは、「大雨で残念ながら予定されていたすべてのプログラムをこなすことはできなかったけれど、マシンのセットアップ状態の比較など、実際にマシンをサーキットでドライブすることによって、シーズン開幕に向けて一歩前進できたと思う。何よりもドライバーとチームクルーがそろい、マシンを体感して意見交換をすることができたのは非常に重要だった」と語る。
そしてパートナーとなる23歳のモサーについてベンドリンガーは、非常にポジティブな印象を持ったようだ。「ヘンリのことは、FIA GT3でチャンピオンを獲った若手の有望株と聞いていた。今回のテストでは初めてコンビを組んだんだけれど、降りしきる雨の中、なかなかのタイムを叩き出した上に、パートナーとしての意思疎通の面でも全く問題がない。今回のテストではGT-RがFIA GT1 世界選手権の他のマシンに対しても全く引けをとらないことを実感したよ」と満足げに語っている。
第2回目の『バランス・オブ・パフォーマンス テスト』は、南フランスのポール・リカールで2月21~22日の両日に開催される予定。