「予想していたとおり、モンツァは我々のパワーユニットには厳しいサーキットなので、こういう結果だろうと思っていました」

 バトン16位、アロンソ17位に終わったイタリアGPの予選後、ホンダの新井総責任者はそう語って、唇をかみしめた。全開率71%と19戦中最もパワーユニットに負荷がかかるモンツァは、ふたつの回生エネルギーをどう使うかが重要なサーキットでもある。1周あたり約33秒間使用できるMGU-Kのパワーは120kw(約160馬力)。このパワーはコーナリング中ではなく、おもにアクセルを踏んでもタイヤが横滑りしないストレート上で使う。したがって全開率が高くなると、33秒間使用できるMGU-Kのパワーが切れる。モンツァでホンダが苦しんだのは、まさにそこだった。

「全開率が高いので、デプロイ(回生エネルギー)が途中で切れてしまう。これはエネルギーマネージメントの全体の問題。だから、エンジン(ICE)の出力だけでなく、エネルギーをどうやって使うかが重要になってくる」

 MGU-Kのパワーは、どのチームも同じ。では、どこに差があるのかといえば排気熱を利用して作るMGU-Hのエネルギーである。廃棄される熱エネルギーの一部を回収して、電気エネルギーに変換するMGU-Hの使用量に制限はなく、うまくマネージメントできれば、1周全体でエネルギーアシストを使うことができる。それが現時点でのホンダとライバル勢のギャップだ。

 ホンダにとって厳しかったのは、モンツァの全開率だけではなかった。予選後にマクラーレンのモーターホームで行われたチームと合同の記者会見では、既報のとおり、海外のメディアから厳しい質問が新井氏に浴びせられた。

「ルノーに25馬力勝っていると言ったが、それなら、なぜモンツァでルノーより遅いんだ?」
「このような事態になって、ふたりのドライバーに謝罪したか?」
「どうして外部から優秀な人材を登用しないのか?」

 最初の質問に対して、新井氏は「ルノーとの馬力の比較は、マシンに付いているトルクセンサーとGPSのデータを見れば、だいたいの数値がわかる。他チームの推定もほぼ同じなので、間違った数字ではない」とコメント。

 では、どうしてルノー勢に及ばなかったのか。新井氏が「ルノーに勝っている」と語ったのは、ICE(エンジン本体)そのもののパワーだった。つまり、回生エネルギーを含めたパワーユニット全体では、まだルノーに劣っているというのが事実だ。また、マクラーレンはMGU-Kが効いている加速状態でも、GPSのデータによるとルノー勢よりも加速が鈍いという。

 パワーユニットを強力なものにするための技術的な改善と同様、いかにメディア、ひいてはファンに対して明確な説明をできるかどうか。今季カレンダーで一番の伝統を持つイタリアGPで、あらためてF1で戦うことの厳しさが露わになった。

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