今季はスペインGP後とオーストリアGP後にインシーズンテストが行われた。その後は最終戦アブダビGPが終了するまで実走テストができないため、新しいアイテムを金曜のフリー走行で試す場面がよく見られる。

 しかし、これまで使用してきたパーツにセンサーを取り付け、走行データを取り直すというのは頻繁に見られる光景ではない。ロシアGP金曜の午前中、ジェンソン・バトン車のリヤウイングには、右側の翼端板に空気流を測定すると思われるセンサーが取り付けられていた(写真:赤の矢印)。リヤウイングそのものはシーズン中盤から採用している細かなフィン(写真:青の矢印)と小さなスリット(写真:黄の矢印)が入った仕様と見られる。つまり、このリヤウイングは風洞実験で良い数値が出ているものの、走行中の動的状態になるとダウンフォースが不安定になっている可能性があり、それを検証していたのではないかと考えられる。

 ロシアGP金曜の午前中は、フェルナンド・アロンソ車にはトークンを使用した新パワーユニットが搭載されていたため、バトン車で測定が行われたのだろう。

 マクラーレンのリヤウイングで気にかかるのは、F1のトレンドから1年遅れていること。細かなフィンは昨年フェラーリが最初に採用し、マクラーレンも追従したアイデアだが、今年フェラーリは使っていない。小さなスリットも昨年レッドブルが採り入れていたアイデアだが、今年は姿を消している。逆に今年のトレンドとなっている翼端板の前端に入っている縦長のスリットがマクラーレンにはいまだ見当たらない。

 マクラーレンが現在リヤウイングに悩みを抱えている可能性は高い。シーズン終盤になってセンサーを使用して計測しているということは、今後の開発の方向性に影響する問題なのかもしれない。

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