ピレリは今週末のイタリアGPに向け、推奨するキャンバー角の限度をより慎重に定め、全F1チームにこれを通知した。
ベルギーGPでは、ピレリが推奨したキャンバー角の限度は4度だったが、レッドブル・レーシングは4.3度のセッティングを行った。レッドブルの2台のタイヤには予選でブリスターが発生、チームは危険であるとして決勝前に交換を許可するよう要求したが、ブリスター発生の原因はチームのセッティングにあるとみなされ、FIAは許可しなかった。
ベルギー決勝でレッドブルには結局大きな問題は発生しなかったものの、ピレリは高速のモンツァにおいてはより厳しい3.75度を限度と決め、これを超えないようチームに通知した。この範囲内であれば、ストレートでオーバーヒートが起こることがなく、高速コーナーやシケインでの走行の妨げになることもないとピレリは考えている。
「我々はより慎重な姿勢をとり、わずかに限界を狭めた」とピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーが述べている。
「データから見て、モンツァはスパと同様に厳しいコンディションになりそうだ。しかし今回はドライ走行ができそうなので、より慎重な姿勢をとっておけば問題ないだろう」
スパの後、ピレリとFIAが、安全性の問題から、キャンバー角の制限に強制力を持たせることを決めるのではとの推測もなされていた。ヘンベリーは今のところ予定はないが、今後そうなる可能性はあると述べた。
「そういった連絡は受けていない。しかしこれは状況をコントロールしなければならない分野であり、きちんと扱わなければならないデータに関連した問題であるため、そういう選択肢は常にある」