LEXUS TEAM LeMans ENEOS
RACE REPORT
JAF GP-FUJI SPRINT CUP
1LAP=4.563km(Race1/Race2:22LAPS) 100kmRACE
DRIVER:伊藤大輔,Bjorn Wirdheim
シリーズ戦の雪辱を晴らすべく、伊藤がフロントローから優勝!!
JAFグランプリのタイトルがかかったFUJI SPRINT CUPは、富士スピードウェイ(静岡県)で開催された。フォーミュラ・ニッポンとの同時開催となった今イベントでは、SUPER GTは2回のスプリントレースをそれぞれのドライバーが1人で走り切るという、通常のレースとは異なったレース方式にて行われた。
11月12日(金)第1レース、第2レースそれぞれに向けた予選セッションが行われた。第1レースに挑むのはビルドハイム。14:35~14:55で行われた第1レース予選、序盤に1'33.863のトップタイムを叩き出し、この時点でトップに立つ。全車最後のアタックに入ると、ビルドハイムはタイムを伸ばせず1'33.772で6番手となった。1時間後の15:35から同じく20分間で第2レースの予選が開始。第2レースを戦う伊藤はニュータイヤでのアタックで1'33.705、トップと0.136秒差でポールポジションを逃し、フロントローからスタートすることが決定した。
11月13日(土)、第1レースは予定より5分遅れの15:15にフォーメーションラップがスタート。今回はスタート方式が通常のローリングスタートではなく、スタンディングスタートによって行われるということも見所の一つとなった。ビルドハイムはスタートで出遅れた前方2番手のマシンを上手くかわして、5番手で1コーナーへ。しかしその先で前車をパスしようとした際に接触。タイヤに損傷を受け、1周を終えるとすぐにピットに入り、タイヤを4輪とも交換。このピットストップで順位は12番手まで後退し、前を行く11番手のマシンとは1分近くの差がついてしまった。さらにレース終盤、タイヤをチェックするためもう一度タイヤ交換を行うと、ビルドハイムは11位でレースを終えた。
第2レースの行われた11月14日(日)、LEXUS TEAM LeMans ENEOSのメカニックは、前日の接触によるマシンのダメージを完璧に修復し、万全の状態で伊藤をレースへ送り出した。15:10にフォーメーションラップが開始され、一周の隊列走行を終えて各車グリッドへ。スタンディングスタートは8年ぶりという伊藤は、素晴らしいスタートを見せ、トップで1コーナーへ。2番手の12号車との差を少しずつ広げながら、独走体制で35秒台の順調なラップタイムを刻んでいく。各車10周が近くなるとタイヤが消耗し始め、伊藤もラップタイムを1分36秒台~37秒台まで落とすが、タイヤマネージメントをしつつ周回を重ねる。9周目で2番手のマシンが18号車に入れ替わると、伊藤よりも速いラップタイムで追いかけてくる。マージンを4.5秒まで築いていた伊藤だったが、13周を終える頃にはその差0.7秒にまで差を詰められる。数周の間追われるラップが続いたが、相手のペースが落ち、15周から再び差が開き始める。伊藤のペースも1分38秒台にまで落ち、苦しいレース終盤に差し掛かった18周目、2番手が35号車に入れ替わる。35号車のラップタイムは伊藤より約1秒上回っており、1周1周相手は確実に伊藤に近付いてくる。ラスト1周というところでその差は0.6秒、しかし見事伊藤は最終ラップでもトップを守り切り、見事1位を勝ち取った。
また、第1レース、第2レースでのポイント総合により、LEXUS TEAM LeMans ENEOSはJAFグランプリ総合優勝を勝ち取り、国土交通大臣賞も受賞することとなった。
⇒土沼広芳 総監督のコメント:
「予選に向けてエンジニア、メカニックが仕上げたクルマは、相当良く仕上がっていたと思います。ビヨンは区間タイムをまとめきれず6番手。大輔はクルマのポテンシャルを上手く引き出してくれて2番手、頑張ってくれたと思います。レースは、ビヨンはアンドレとの接触で下位に沈み残念でした。大輔はとても上手いスタートを決めてトップに立ち、終始レースをリードして優勝することができました。今回はタイトルはかかっていませんが、チームルマンとしては久しぶりに勝てたレースなので、本当に良かったと思います。終わってみれば総合優勝もいただき、最後はみんなで喜ぶことができました。この結果を来年に繋げて、皆様の期待に応えられるような強いチームになるようさらに努力いたします。ご声援ありがとうございました。」
⇒伊藤大輔のコメント:
「予選2番手という結果は、ポールを狙っていたので悔しかったです。フロントローからのスタートなので、前に出るチャンスは必ずあると思って決勝に挑みました。決勝はおかげさまで優勝することができました。今年はシリーズ戦で優勝することができず、先日の最終戦でもチャンピオンを取り逃し、僕個人的にも最終戦が終わってから今日まで非常に辛い3週間を過ごしましたが、今回チームも非常によく頑張ってくれて、その努力を結果に残すことができたので、とても良かったと思います。レクサスに移籍して3年、ENEOSさんがメインスポンサーとなって同じく3年、これまで優勝できていなかったので、ここでまずJAF GPの優勝をプレゼントすることができて本当に良かったです。チャンピオンは取れなかったですが、このような形で優勝できたのは皆さんのサポートのおかげです。来年に向けて良いはずみになりました。来年もさらに頑張りますので、応援よろしくお願いします。ありがとうございました。」
⇒ビヨン・ビルドハイムのコメント:
「今シーズン、僕たちは全てのレースにおいて強さを見せ、すべてのレースにおいて勝てるポテンシャルを持ちながら、なかなか勝てませんでした。ポイントを重ねるごとにハンディキャップが重くなり、勝つことが難しくなることも理由の一つです。先日の最終戦のもてぎまで、勝つことはもちろんですが、チャンピオンに向けてポイントをきっちり取っていくことを目標に頑張ってきました。しかし今日のダイスケのレースで、僕たちが絶対的に強いチームであること、そしてマシンがとても速いことをシーズン最後の最後でちゃんと証明することができました。この結果でチーム全員が喜び、そして僕たちの勝利を皆が一緒に祝ってくれることを大変嬉しく思いました。ありがとうございました。」