■公式練習3位から一転、予選で失速したVELOREXの悪夢

5月3日(公式練習/予選)

 スーパーGT第2戦『FUJI GT 3 HOURS RACE』は、恒例となったゴールデンウイーク開催のイベントです。搬入日の木曜日はあいにくの悪天候で、設営スタッフはずぶ濡れになりながら作業を続けましたが、幸い予選当日は快晴となり、渋滞をものともせずに早朝から多くのファンが富士スピードウェイへと詰めかけてくれました。

 サポートイベントのFIA-F4予選が終わるころには濡れた路面も完全に乾き、公式練習は、気温19℃、路面温度28℃というコンディションでスタートとなりました。

 VELOREXの6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは、開幕前のテストから毎回トップタイムをマークする好調ぶりでしたが、開幕戦ではポイント圏内でのフィニッシュを果たしたにもかかわらず、レース後にまさかの失格という裁定が下されました。今大会では同じ失敗を繰り返さぬよう、古場俊之エントラント代表はGTAやフェラーリとしっかりと話し合い、前向きな手応えを感じていると自信を持ちます。

 朝の公式練習では48周をこなし、1分36秒466で3番手タイムをマーク。スペインから駆け付けたエンジニアのマッティアは、「予選のセットアップも満足しているが、それ以上にロングランでのバランスが良いのが嬉しい」と語っていました。

 午後の予選、VELOREXはB組での出走です。アタッカーは片山義章選手。セッション開始時の気温は20℃、路面温度33℃、湿度42%というレースには最適のコンディションとなりました。

 コースインした片山義章選手は、慎重にタイヤを温めてアタック開始。4周目に1分37秒368をマークし、連続アタックで1分36秒990をマークした段階でチェッカーとなりましたが、最後のアタックの最終コーナーでのトラックリミットを取られ、ベストタイム抹消。残念ながらQ2進出はなりませんでした。

 しかし明日の決勝は3時間の長丁場。ひとつでもポジションをアップすべく様々な戦略をシミュレーションし、チーム一丸となって戦う所存です。

●片山義章選手のコメント

「朝の公式練習では予選シミュレーションも決勝シミュレーションも全然問題はなかったのですが、予選でコースインした途端、エンジンのパワー不足を感じました。ストレートでも0秒4は遅いし、各コーナーでも遅い。このままではと焦ってしまい、最後のアタックの最終コーナーでアクセルを全開にしたのがやや早く、コースに留まり切らずトラックリミット違反を取られました」

「悔しいですが、限界まで攻めたので仕方ありません。原因をクリアにして、明日の決勝は気を取り直して追い上げます」

●ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント

「今日は朝の公式練習で3番手と、予選に向けて絶対の自信を持っていました。しかしフェラーリが予選に向けてのエンジン調整を行なったことでタイムが出なくなってしまった」

「自分としては予選、決勝ともに余裕を持ってトップ3に入れると思っていたので、今日の結果は残念というしかありません。最高速が朝と比べても明らかに遅く、何かがおかしいのは確かなので、明日までにその問題が解決していることを願っています」

●小倉啓吾チーム監督のコメント

「うーん、なかなか難しいですね。朝の公式練習はまずまずの内容でしたが、予選に向けての変更が裏目に出たというか、言葉がないです。エンジンのパワーが出なかったから、予選Q1の片山義章選手がオーバードライブしてトラックリミットを取られてしまったのは、ある意味仕方がないと思っています」

「しかしチームとしてはまだやれることはあったと思いますし、開幕戦からの悪い流れを断ち切らねばなりません。今は気持ちを切り替えて、予選順位が悪いのを真摯に受け止め、明日の戦略立案に集中します。ライバルたちのタイヤ選択はわかりませんが、自分たちは選んだタイヤに合わせてしっかりと戦略を練って、ひとつでも上位を目指すべく頑張ります。応援よろしくお願いします」

●古場博之エントラント代表のコメント

「今日は、もう、本当に言葉がないですね。朝の公式練習での好調さが嘘のような予選でした。もちろん、フェラーリも前回のような失格ということは2度と起こしたくないでしょうし、BOPの微妙な調整ができないのであれば、慎重にならざるを得ないのはわかります」

「ただ他のフェラーリはそんなことが起こっていないので、データを解析して自分たちに起こったトラブルの根本的な原因を特定せねばなりません。今日は頑張ってくれたドライバーには本当に申し訳ない気分です」

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