DENSO KOBELCO SARD GR Supra 第2戦富士、奮闘の5位フィニッシュ

2025 SUPER GT第2戦『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』(5/3-4)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選3万3300名、決勝4万9200名 合計8万2500名

 5月4日(日)、五月晴れとなった快晴の中、スーパーGT第2戦『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』の決勝が行われ、8番グリッドから確固不抜に勝利へ向っていったスタート担当の関口雄飛は、オープニングラップで2台をかわして6位に浮上、4周目には5位、27周目に4位、32周目3位、35周目に2位と序盤に鬼神の追い上げをみせ表彰台圏内へ手が届く勢い良い走りをみせた。

 40周を終え、サッシャ・フェネストラズに交代。交代したサッシャも戦略の違う他車に先行を許すも直ぐに5位にポジションを戻した。だが中盤以降思うようにペースが上がらず。最終スティントはダブルスティントを敢行して奮闘の5位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイントは6点を獲得、チームポイントは9点を獲得しランキング5位となった。次戦2019年のタイ戦以来6年振りの海外戦となる第3戦は、6月27日(金)・28日(土)にマレーシア・セパンインターナショナルサーキットにて開催される。

事前情報

 第2戦の舞台は恒例のゴールデンウィーク開催となる富士スピードウェイ。開幕戦岡山ではクラス最後尾から逆襲の3位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD GR Supra。5月3日(祝・土)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選、4日(祝・日)決勝は14時10分スタート。

 レースは3時間の時間制で争われ、給油を伴うピットストップは2回が義務付け。フルで約118周ほど周回すると見込まれる。ひとりのドライバーの最大運転時間は2時間まで。サクセスウエイトは現獲得ポイントの倍となる22kgを搭載する。

 重量増による富士でのタイムの落ち込みは、22kgだと約0.3秒ほど。タイヤの持ち込みセット数は、ドライ6/ウェット8セット(うち1セットはヘビーウエット対応用)で決勝スタートまで使うドライのマーキングは6セットとなる。

 霊峰富士の麓にある富士スピードウェイは、GT500マシンだとストレートエンドでの最高速度は約300km/hに達し、世界屈指の1.5kmにおよぶロングストレートを持ちTGRコーナー(T1)でのブレーキング争いが見物。また道幅が広く低速から高速までパッシングポイントが多いダイナミックなサーキットでもあり、コカコーラコーナー(T3)やダンロップコーナー(T10)での先陣争いも迫力がある。

 長丁場の3時間レースで各チームとも用意周到にシミュレーションをして臨んで来るであろうことから、これまで以上に高度で緻密な戦略と、それを遂行するチーム総合力が要求され、また天候や運も味方につけたいところ。脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって、固く強い意志を持って動じず、確固不抜に勝利へ向かって突き進んでいった。

公式練習走行

 3日(土)9時から開始された公式練習走行は、気温19度/路面温度28度の五月晴れ。最初の85分間の混走セッションでは関口が、若干路面が一部濡れてはいたが、まず持ち込んだ中でソフト側のドライタイヤを装着して2周ほどクルマとタイヤのチェックを行い、8周目に1分28秒550でその時点で4番手タイム。セット調整の後にサッシャが19周目から別のソフト側ドライタイヤを装着して22周目に1分28秒311をマークして、その時点でトップタイムと仕上がりの良さをみせた。

 25周目からはそのままサッシャがロングラン評価メニューに移行。FCYテストを挟んだ混走セッションはトータル41周を走り込み、サッシャが22周目にマークした1分28秒311のタイムのままで14番手となった。

 10分間のGT500単独セッションでは気温21度/路面温度35度に。サッシャが新品のハード側のドライタイヤを装着して予選のアタックシミュレーションを実施。この単独セッションでは6周を走行。さきの混走セッションのベストタイムからは、強めの風向きの影響からか、セクター2のみ区間タイムを更新。5周目の1分28秒385が単独セッションのベストタイムとなった。

 結果、公式練習走行はトータル47周を走行して、混走セッションでのベストタイム1分28秒311のままで15番手となった。午後の公式予選を戦うにはクルマの合わせ込みがさらに必要があるということからインターバルで一層の見直しを図ることとなった。

DENSO KOBELCO SARD GR Supra
DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/S.フェネストラズ) 2025スーパーGT第2戦富士

公式予選

Q1:サッシャが僅差のQ1で快走みせる6番手タイム
 3日(土)15時03分から開始されたQ1は気温19度/路面温度31度と下がり始めたコンディションの中、残り7分半ほどでピットを出たサッシャは、決勝までを見据えた選択で、今回持ち込んだ中でハード側のタイヤを装着。クルマも大きく見直した中で、ウェービングやブレーキングなどで丁寧に芯までしっかりタイヤを温めるウォームアップを4周実施し、5周目に1周で決めるべくワンアタックを開始。

 セクター1では全車中4番時計の区間タイムを更新。続くセクター2では区間5番手。セクター3では区間8番手となったが、公式練習走行からクルマを改善し快走を見せた結果、非常に僅差のQ1でウエイト重めにもかかわらず、1分26秒949の6番手タイムでQ2進出を見事に果たした。

Q2:関口がQ1タイム更新も僅差で8番手タイム
 3日(土)15時41分から開始されたQ2は気温18度/路面温度31度に。同じく残り7分半ほどでピットを出た関口は、同じくハード側のタイヤを装着。少し早めのラップタイムでタイヤのウォームアップを4周実施した関口。厳しく僅差の予選のため、サッシャと同じく5周目に1周で決めるべくワンアタックを開始。セクター1ではサッシャをコンマ1秒上回る全車中3番時計で区間タイムを更新。

 続くセクター2でもコンマ1秒削る区間6番手。期待がかかったセクター3では重めのウエイトのためかコンディション変化からか若干タイヤピークから落ちた様子でタイム更新ならず区間9番手に。僅かなことで順位が変わる厳しい予選で、Q2進出車両の中でウエイトが重めながらも健闘の1分26秒907で予選8位となった。

決勝

ウォームアップ走行
 4日(日)12時40分から開始された20分間のウォームアップ走行は、気温23度/路面温度38度で決勝日も五月晴れとなった。最初に関口が6周走行。続いてサッシャが7周目から最後まで走行。ウォームアップはトータル12周を走行して、関口が3周目にマークした1分29秒788の8番手で決勝への準備を整えた。

決勝レース 第1スティント:関口が鬼神の追い上げで表彰台圏内へ
 4日(日)、五月晴れとなった14時10分決勝スタート時点は気温24度/路面温度40度とこの週末の最高に。8番グリッドから確固不抜に勝利へ向っていったスタート担当の関口は、オープニングラップで1号車、37号車と2台をかわして6位に浮上、2周目ベストラップを刻みながら追従して4周目には3号車をかわして5位、27周目にアンダーカットの8号車がピットインで4位、32周目に16号車を最終コーナーでかわし3位、35周目に19号車を1コーナーでパスして2位浮上と、序盤に鬼神の追い上げをみせ表彰台圏内へ手が届く勢い良い走りをみせた。

 その後もペース良く走行し、スタート後1時間を超えた40周を終えたところで、サッシャと交代すべく、ピットに関口を呼び戻した。

第2スティント:サッシャが最後まで奮闘をみせる走り
 交代したサッシャは1回目ピットインでピットイン周回数や給油時間など戦略が違う他車に先行を許すも45周目には5位にポジションを戻した。その後もペース良く走行していたが、途中路気温が下がり始めた50周目あたりからコンディション変化のせいか、タイヤにピックアップが付いたのか、思うようにペースが上がらずに我慢の走行。前との差が中々縮まらず追い上げは厳しい状況に。

 最終スティントは84周を終えてピットインしてソフト側タイヤを装着し、そのままサッシャがダブルスティントを敢行して戦列に復帰。90周目には先行を許した8号車をかわして最後まで奮闘をみせる5位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイントは6点を獲得、チームポイントは9点を獲得しランキング5位となった。次戦2019年のタイ戦以来6年振りの海外戦となる第3戦は、6月27日(金)・28日(土)にマレーシア・セパンインターナショナルサーキットにて開催される。

DENSO KOBELCO SARD GR Supra
DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/S.フェネストラズ) 2025スーパーGT第2戦富士

関口雄飛

「今回もたくさんの御声援をありがとうございました! 決勝では、クルマとコンディションが良い感じでオープニングラップから前に攻めて行けました。阿部エンジニア含めメカニック達が、クルマを岡山からのインターバルで全バラでイチから組み直して細かいところまで見直してくれたおかげでポテンシャルは上がっている感じがあります」

「自分のスティント途中でタイヤにピックアップはあったのですが数周で外れてペースを戻せたました。なんとか開幕2戦連続ポイント獲得できてよかったです。次のセパン戦まで間が空きますが、まだ課題が多いので、しっかりと準備できればと思います」

サッシャ・フェネストラズ

「クルマは走る毎に格段に進歩してきているよ。公式練習走行からと比べて予選の時にもそれは感じられた。決勝で自分のふたつの連続スティントでは中盤からコンディション変化のせいか、タイヤにピックアップが付いたのか、思うようにペースが上がらなかった。難しい終盤ではあったけど最終的に予選ポジションから順位を上げて5位フィニッシュで6点ポイントを取れて良かった」

「次のセパンは1月にテストで走っていて、レースでは初めてになるけど、クルマが戦う毎に速くなってきているから楽しみだね。次もガンバリマスので応援ヨロシクオネガイシマス!」

監督 脇阪寿一

「今回、岡山戦で抱えていた問題を細部まで見直して臨みました。公式練習走行では15番手だったので不安がありましたが、予選に向けてチーム一体となってさらに見直して、予選でのパフォーマンスや関口選手の序盤の追い上げにつながったレースでした」

「まだまだ問題抱えている中での開幕3位、富士5位でしたが、ドライバーふたりが生き生きと走れる良いクルマに仕上げていけるよう改善していって次のセパンに臨みたいと思います。幸いスーパーGTはハンディレースなので、この後、十分に追いつけると思います。ご声援を頂きました皆様、ありがとうございました。引き続き、どうぞよろしくお願いします!」

関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ(DENSO KOBELCO SARD GR Supra) 2025スーパーGT第2戦富士
脇阪寿一監督(TGR TEAM SARD)
脇阪寿一監督(TGR TEAM SARD) 2025スーパーGT第2戦富士

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