au TOM’S GR Supra レースレポート

40㎏のサクセスウエイトを搭載しながら、力強い追い上げを披露し2位表彰台を獲得。ライバルとのポイントを広げる。

 2025 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIALが、5月3日(土・祝)、4日(日・祝)に静岡県の富士スピードウェイで行われた。開幕戦で優勝を果たした#1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は、40kgのサクセスウエイトを搭載しながら、7番グリッドから終始力強い走りで順位を上げていき、2位表彰台を獲得した。

予選

天候:晴れのち曇り/気温:20℃/路面温度:33℃

 前回の岡山大会で優勝を果たした1号車は、40kgのサクセスウエイトを搭載し今大会に臨む。毎年、ゴールデンウイーク期間中に開催される富士スピードウェイでのRound2。搬入日は荒天に見舞われたが、予選日になると朝から青空が広がる晴天となった。

 午前の公式練習では好タイムを出す場面もあったが、最終的に13番手タイムでセッションを終了。これまで公式練習後のセッティング変更は、微調整程度が多かったが、ふたりのドライバーから得たフィードバックをもとに、今回は大幅に変更を行った。

 全15台のうち上位10台が次のラウンドに進出できる予選Q1は、山下が担当。40kgのサクセスウエイトを搭載していることもあり苦戦が予想されたが、その不安を払拭する走りで1分26秒918を記録。5番手でQ1突破を果たした。

 続くQ2は、坪井がマシンに乗り込んだ。実は公式練習で小さなトラブルがあり、ニュータイヤでの走行ができておらず、手探り状態のなかでタイムアタックに臨んだが、それを感じさせない走りで1分26秒719を記録し、7番手につけた。

決勝

天候:晴れ/気温:24℃/路面温度:38℃

 7番グリッドから3時間レースに臨んだ1号車は、坪井がスタートを担当した。1周目からライバルたちと抜きつ抜かれつのバトルを展開しつつ、前のマシンを追い抜いていき、34周目には4番手に浮上。スタートから1時間を経過した39周目に1度目のピットストップを行い、山下に交代。3番手でレース中盤に入った。

 ここから上位のライバルを追いかけていきたいところだったが、逆に後を走るライバルのペースが良く、守る場面が多い展開となった。それでも、山下は冷静に順位を守ると同時に燃費も意識した走行を徹底し、80周目に2度目のピットストップを行った。これまでの状況を考慮して、コンディションに合ったタイヤを選択し、坪井がラストスパートに入る。

 ピットアウト直後から1分30秒台のペースを維持し、ゴールまで残り45分のところでライバルを1台パスして2番手に上がる。この時点でトップとの差は30秒以上あったが、諦めずに追いかけ続けていった。逆転することは叶わなかったが、最終的に11.9秒差まで差を縮め、2位でフィニッシュ。今大会も王者の貫禄をみせるレースを披露した。

au TOM’S GR Supra
au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太) 2025スーパーGT第2戦富士

坪井翔

「予選Q1を通過するのは少し厳しいかと思っていましたので山下選手がQ1を通ってくれて良かったです。僕はQ2で初めてニュータイヤを履くという状況でしたが、失敗することなく走り切ることができました。7番手スタートということで、決勝は表彰台も狙えると思っていました。第1スティントでタイヤをマネジメントして最終的に順位を上げられました」

「中盤は山下選手が苦しいなかでも耐えてくれたおかげで、最終スティントでどのタイヤを選ぶべきか判断ができました。表彰台は狙っていましたが、まさか2位に上がれるとは思っていなかったので、本当に良かったです」

山下健太

「公式練習の段階ではフィーリングがあまり良くない感じで、1号車としては珍しく公式練習から予選にかけてセッティングを大幅に変更しました。それが良い方向にいきました。決勝では、僕が乗り込んでピットアウトしてから『これは厳しいかもしれない』という感触でしたが、簡単に抜かれるわけにもいかなかったので、燃費もセーブしながら、自分のやれる仕事ができたかと思います」

「次のセパンでは、サクセスウエイトがさらに重くなって厳しい状況になりますが、しぶとく戦えばポイントを獲れる可能性はあると思っています」

伊藤大輔 監督

「本当にみんながよく頑張ってくれました。今のスーパーGTで、サクセスウエイトを大量に搭載している状態で表彰台に上がるのは非常に難しいことですが、できるる限りのことをやった結果、2位を獲得することができました」

「中盤スティントで選んだタイヤが、その時の路面温度に対してうまく機能していない状況で、山下選手にはしんどい思いをさせたところがありましたが、そこを粘り強く耐えてくれたことが、最終的に2位という結果につながったと思います」

舘信秀 チームオーナー

「今回も1号車の戦いぶりは、本当に素晴らしかったです。あらためて、坪井と山下のふたりは最強だと思いました。サクセスウエイトを10kg積むだけでも、0.1秒くらい変わってくると言われますが、今回は40kgも積んだなかで、良い走りをしてくれたし、チームも作戦どおりに追い上げていくことができました」

「次戦はさらにサクセスウエイトが重くなるので、より厳しくなりそうですが、ひさしぶりの開催となるセパンなので、雨が降るかもしれないし、何が起こるかわかりません。そのなかでチャンスを掴んでいきたいと思います。引き続き、たくさんの応援をよろしくお願いいたします」

山下健太/坪井翔(au TOM’S GR Supra)
山下健太/坪井翔(au TOM’S GR Supra) 2025スーパーGT第2戦富士

Deloitte TOM’S GR Supra レースレポート

接戦の展開のなか、7位入賞。2戦連続でポイントを獲得し、次戦以降に期待が高まる走りを披露。

 2025 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIALが、5月3日(土・祝)、4日(日・祝)に静岡県の富士スピードウェイで行われた。#37Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)は、予選6番手から一時は表彰台争いに加わるパフォーマンスをみせた。

 最終スティントでライバルの先行を許し、7位でフィニッシュとなったが、次戦以降へ期待が高まる走りで3時間レースを終えた。

予選

天候:晴れ/気温:20℃/路面温度:33℃

 毎年、ゴールデンウイーク期間中に開催される富士スピードウェイでのRound2。搬入日は荒天に見舞われたが、予選日になると朝から青空が広がる晴天となった。前回の岡山大会で5位に入り、12kgのサクセスウエイトを搭載して今大会に臨む37号車は、朝の公式練習から順調に周回を重ね、7番手タイムを記録。昨シーズンの課題でもあった予選ペースの向上に手応えを感じており、ドライバーふたりも自信を持って予選に臨んだ。

 全15台から上位10台に絞られるQ1は笹原が担当。わずかに失敗したところがあったとはいうものの、1分26秒875で4番手につける速さを披露した。続くQ2では、アレジがマシンに乗り込みタイムアタックを行う。

 ライバルとのタイム差が拮抗するなか、本人も完璧な走りではなかったと振り返るが、それでもセクター1で全体ベストタイムを記録する走りで1分26秒552で6番手。レースペースには自信を持っているだけに、表彰台を狙える位置を獲得し、決勝に向けて弾みをつける結果となった。

決勝

天候:晴れ/気温:24℃/路面温度:38℃

 3時間で争われた決勝レース。6番グリッドからスタートする37号車は笹原が前半と中盤を担当した。1周目からライバルたちと激しいポジション争いを繰り広げると、その後は各車両とも様子見の展開となり、笹原もタイヤと燃費をセーブしながら周回した。42周目に1度目のピットストップを済ませると、レース中盤には5番手に浮上し、前を走るライバルとの差を縮めていった。

 ひとりのドライバーが2時間以上走ることはできないため、スタートから2時間を迎える直前に2度目のピットインを行い、アレジに交代。ここまでのペースを考えると、表彰台圏内への進出も期待されたが、ピットアウトしてから思うようにペースを上げることができず、後方から迫ってきたライバルに競り負ける展開が続いた。

 アレジも必死に順位を守ろうと粘り強く走ったが、最終的に7位でフィニッシュ。2戦連続でポイントを獲得できたが、中盤までの好ペースを考えると悔しい結果となった。それでも、予選ペースの向上など手応えを掴んで、次戦のRound3マレーシア大会に臨む。

Deloitte TOM’S GR Supra
Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/G.アレジ) 2025スーパーGT第2戦富士

笹原右京

「今回は走り出しからクルマのバランスが良くて、予選に向けて微調整をするだけで対応でき、決勝に対してはかなり自信を持っていました。第1スティントは他車に対し接近しているけど仕掛けどころがない状態でしたが、隙があれば順位を上げられる準備をしていました。それが第2スティントで活きたと思います」

「燃費も稼ぎながら走れていたので、うまくいけば2番手は見えていました。この結果は正直悔しいです。まずは最終スティントで苦戦した原因を究明したいです」

ジュリアーノ・アレジ

「決勝は右京のスティントまでは良いペースで走れていましたが、僕のスティントになってからタイヤのグリップがないと感じることが多かったです。決勝前のウォームアップではすごく良いフィーリングだったので、かなり期待していたのですが、いざ乗ってみると全く違った感覚になっていました」

「なぜこうなってしまったのか、しっかりとデータを見直して原因を突き止めたいと思います。その中でも予選のタイムなどポジティブな部分があったので、それをしっかり次戦に繋げたいです」

ミハエル・クルム 監督

「まずは予選で6番手を獲得できたのはポジティブなことです。前回の岡山では予選14番手に終わりましたが、今回は僅差の戦いで6番手につけることができました。決勝はアップダウンの激しい展開になりました」

「途中まではすごく良いペースで走れていたので、かなり期待していましたが、最後はグリップダウンが大きかったです。なぜこうなったのか、原因を調べないといけません。今回はクルマの仕上がりも良かったので、この結果は正直残念です」

舘信秀 チームオーナー

「最後のジュリアーノのスティントで思うようにスピードが乗り切らなかったところはありましたが、前半の笹原は良かったですし、表彰台争いにも加わっていたので、これまでの37号車から一段と強くなってきているなと実感しました」

「また、決勝だけでなく予選のパフォーマンスも良くなってきています。これは今後に向けても非常に良いことですし、1号車と常に近いところを走っているというのも嬉しいことです。今回は悔しいところもありましたが、次回以降で表彰台や優勝を狙っていきたいです」

笹原右京/G.アレジ(Deloitte TOM’S GR Supra)
笹原右京/G.アレジ(Deloitte TOM’S GR Supra) 2025スーパーGT第2戦富士

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