サクセスウエイト100kgを背負い、猛暑の鈴鹿で渾身の走りを披露。9位入賞でランキング首位を維持
2025 AUTOBACS SUPER GT Round5 SUZUKA GT300km RACEが、8 月23日（土）、24日（日）に鈴鹿サーキットで行われた。＃1 au TOM’S GR Supra（坪井翔／山下健太）は、100kgのサクセスウエイトの影響で予選は13番手に終わるが、決勝ではいつもどおり力強い走りを披露し、9位でポイントを獲得。シリーズランキング首位を維持して、次戦に臨む。
予選 天候：晴れ／気温：34℃／路面温度：47℃
サクセスウエイト100kgのハンデキャップが響きQ1敗退となるも、最大限のパフォーマンスを発揮。
前戦はノーウエイトでのスプリントレースが行われたが、今回は通常どおり、獲得ポイントに応じてサクセスウエイトを搭載することになる。全レースでポイントを獲得している1号車は、サクセスウエイト上限の100kgに到達し、燃料リストリクター制限も3段階に入った。アクセルの全開率が高い鈴鹿サーキットでは、大きなハンデとなることが予想された。実際に公式練習では、予想どおりライバルたちが先行するなか、1号車は淡々と自分たちの走りに徹した。
例年以上の暑さに見舞われるなか、迎えた公式予選。1号車は山下がQ1を担当し1分46秒867で13 番手となった。Q2進出は叶わなかったが、サクセスウエイトを考慮するとトップから2秒近い差をつけられてもおかしくないなか、山下はその予想を遥かに上回るタイムを記録。想定以上の走りを披露し、翌日の決勝レースに流れをつなげた。
決勝 天候：晴れ／気温：35℃／路面温度：52℃
早めにピットインする戦略で4ポジションアップの9位入賞。ランキング首位を維持する。
気温35℃の猛暑日となったRound5の決勝レース。13番グリッドからスタートする1 号車は、毎レース坪井がスタートドライバーを務めてきたが、今回は周囲の状況を考慮し、山下をスタートドライバーに起用。全体の3分の1が経過したところでピットストップを行い、短時間のピット作業と坪井のアウトラップの速さに期待する戦略をとった。
序盤にアクシデントが発生し、セーフティカーが導入される波乱の展開となるが、山下はプランどおり3分の1が経過した18 周目にピットインし坪井に交代。メカニックも迅速なピット作業でマシンを送り出し、一時は8番手までポジションをあげた。しかし、サクセスウエイトが軽いライバルは手強く、終盤にひとつ順位を落とし9位でフィニッシュ。厳しい状況下でも、しっかりとポイントを獲得し、ランキング首位の座を維持した。
坪井翔
「予選も決勝も上出来でしたし、これ以上ない結果だったと思います。今回は最大ウエイトだっただけではなく、ライバルとのウエイト差も大きかったので、今まで以上にポイントを獲るのが難しい状況でしたが、2ポイントを獲れたのは大きかったです。周りと比べてもコーナーが圧倒的に速かったので、その強みを活かせられればと思っていました。目標は10位と言っていましたが、それを超える9位を獲得できたので良かったです」
山下健太
「今回は決勝でスタートを担当させてもらいましたが、セーフティカーが導入された影響で、展開的には動きがなく、坪井選手に交代することになりました。自分のスティントで前のライバルを抜きたかったですが、サクセスウエイトの差もあって難しかったです。その隙に後ろのライバルに抜かれるとまずいので、自分なりに周りの状況を見ながら、レースを進めていきました」
チーム監督 伊藤大輔
「基本的には、今週末の目標は達成できたと言って良いと思います。ミニマムでピットインしましたが、周りも同じ戦略をとってきたので、想定よりも得をする部分は少なかったです。ただ、燃費が良い部分をうまく活用してポジションアップすることができたのは良かったです。終盤には上位集団と同じペースだったので、燃料リストリクターが3段階絞られているなかで、このパフォーマンスを出せたのは正直驚いています」
チームオーナー 舘信秀
「今回も1号車は、上出来の走りをみせてくれました。予選のタイム差をみても、サクセスウエイトを積んでいることを考慮すると非常に良かったと思います。この状況のなかでも、ふたりのドライバーがしっかりと順位を上げてポイントを獲得したことは素晴らしいですし、次戦も100kgのサクセスウエイトとなりますが、引き続き最大限の走りをしていきたいです。次戦もたくさんの応援をよろしくお願いいたします」
アクシデントやトラブルに見舞われるも、決勝では好ペースの走りをみせ12位完走。次戦のSUGOで巻き返しを狙う
2025 AUTOBACS SUPER GT Round5 SUZUKA GT300km RACEが、8月23日（土）、24日（日）に鈴鹿サーキットで行われた。＃37 Deloitte TOM’S GR Supra（笹原右京／ジュリアーノ・アレジ）は、土曜日の公式練習中にアクシデントに見舞われるも、チームが迅速にマシンを修復。サクセスウエイトの影響もあり予選11位、決勝12位という結果に終わった。
予選 天候：晴れ／気温：34℃／路面温度：47℃
アクシデントの影響で公式練習はほぼ走れず。予選Q1は11番手となり、惜しくもQ2進出ならず。
前戦はノーウエイトでのスプリントレースが行われたが、今回は通常どおり、獲得ポイントに応じてのサクセスウエイトとなる。Round4終了時点でランキング2番手につける37号車は、75kgのサクセスウエイトで今大会に挑んだ。サクセスウエイトが51kg以上になると課せられる、燃料リストリクター制限は2 段階が適用されているため、苦戦を強いられることが予想された。
土曜日の公式練習では序盤から手応えを掴んでおり、上位進出も期待できたが、開始30分のところでアレジが逆バンクでコースアウトし、スポンジバリアに衝突した。幸いマシンに大きな損傷は見られず、左側のドアを交換して、セッション終盤には復帰したが、貴重な走行時間を失うこととなり、13番手でセッションを終了した。
予選Q1では笹原がタイムアタックに臨み、最善を尽くすもQ2進出に0.3秒届かず、11番グリッドから決勝での追い上げを狙う。
決勝 天候：晴れ／気温：35℃／路面温度：52℃
一時トップを走るも、不運に見舞われ戦略変更。12位でフィニッシュ。惜しくもポイント獲得ならず。
気温35℃と猛暑日となった決勝レース。37号車は笹原がスタートを担当した。スタート直後に1台を抜いて順位を上げて流れを作ろうとするが、5周目に入るところでセーフティカーが導入される波乱の展開となった。9周目に再開されると、37号車は後半まで笹原がドライブする作戦で周回を重ね、他車がピットインする間に一時トップに浮上した。しかし、29周目に右リヤタイヤがパンクし、ピットイン。アレジへと交代した。
最初はトラフィックの影響でリズムを作れず、タイムロスをする場面も見られたが、前方がクリアになってからは37号車のベストタイムを更新するなど、ペースを取り戻したが、入賞圏内には一歩及ばず、12位でフィニッシュした。これでシリーズランキングは4番手に下がるも、次戦の舞台は昨年優勝したSUGO。巻き返しを狙う。
笹原右京
「予選に向けたアジャストは想像の範囲内で行いましたが、少し足りませんでした。決勝ではスタート直後に1台を抜けたのが大きかったですし、クルマも決勝に向けて、調子が良かったですが、セーフティカーが解除されたあたりから異変を感じていて、ヘアピンを立ち上がったところでパンクの症状に見舞われました。そこで時間を失ったのも痛かったです」
ジュリアーノ・アレジ
「土曜日の公式練習でのコースオフは良くなかったです。今回はベースのセットアップが良かったから、コースオフした影響でバランスが崩れていないか心配でしたが、メカニックがすごく頑張ってクルマを直してくれたので問題なかったです。決勝のペースも良かったのですが、最初はトラフィックがあってリズムを掴めずタイムロスが大きかったです。クリアになってからは本来のペースで走れました」
チーム監督 ミハエル・クルム
「アクシデントにより公式練習でほとんど走れなかったことが少なからず影響した週末でした。サクセスウエイトを考えると予選で11位を獲れて、クルマのバランスも良かったと思うので、公式練習を走れていたらと思うと悔しい気持ちはあります。決勝もアンラッキーなことはありましたが、クリアな状態で走ればスピードがあるということは確認できました。全戦ポイント獲得の目標を達成できなかったのは残念ですが、次戦で高得点を獲れるように頑張ります」
チームオーナー 舘信秀
「土曜日の公式練習でのアクシデントが大きく響きました。決勝でも不運な場面がありましたが、レースをやっているとこういうこともあります。ランキングは少し下がることになりましたが、決勝の後半はペースも良く、スピードがあったのは確かです。次戦は昨年勝っているSUGOなので、流れを味方につけて、また優勝を目指していければと思います。次戦もたくさんの応援をよろしくお願いいたします」
