2025 SUPER GT Rond 5, “SUZUKA GT 300KM RACE”
悔しさしか残らない、ポイントフィニッシュ目前の悪夢。

●8月24日(決勝)

 スーパーGT第5戦『SUZUKA GT 300KM RACE』の決勝は、シリーズチャンピオンを狙うVELOREXにとっては、悔しいという言葉ではとても言い尽くせない、不本意な結果となりました

 前日の予選で6番手グリッドを得たチームは、決勝に向けてしっかりとデータを解析し、それをもとに攻めの戦略を組立てました。午後2時から20分間のウォームアップ走行が実施され、ロベルト・メリ・ムンタン選手と片山義章選手が交互にステアリングを握り、決勝前の最後の調整に余念がありません。計測3周目に2分01秒l151で3番手となるタイムをマークし、最終的に順位は7番手となりましたが、タイヤの摩耗度合もチェックでき、すべてが順調に展開されていました

 15時30分、気温35℃、路面温度52℃というコンディションのなか、三重県警の交通機動隊の先導によるパレードラップに続き、1周のフォーメーションラップの後に300kmのレースがスタートしました

 スタートドライバーは片山義章選手が務め、いつも通りの安定した好スタートを見せましたが、前車を抜くには至らず、6番手ポジションキープのままレース序盤を進めました

 片山義章選手はタイヤと燃費を意識しながら安定したペースでコンスタントに周回を重ねていましたが、シケインでGT500クラスのマシンがクラッシュしたことによって、6周目にセーフティカーが出されました

後方のマシンとの差を広げるべくプッシュしていた6号車6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIでしたが、このセーフティカーによって後続からは差を詰められてしまいましたが、自らも前車との差を縮めることができたことにより、レース再スタート後にも上位集団の一角を形成するかたちで18周を走り切り、作戦どおりロベルト・メリ・ムンタン選手にドライバー交代。ピット作業もミスひとつなく迅速にタイヤ交換と給油を終え、6号車は18番手でレースに復帰しました

 いつものようにロベルト・メリ・ムンタン選手の激しい追い上げが開始され、20周目に17番手まで浮上し、その後も上位陣のピット作業のタイミングもあり、着実にポジションをアップ。28周目には8番手まで浮上し、ステイアウトの車両を除けば、実質的には5位を争うポジションとなっていました。

 その後もハイペースで前を行くマシンを追い続けましたが、ラスト5周のスプーンカーブを立ち上がったところでロベルト・メリ・ムンタン選手から「タイヤがおかしい。スローパンクチャーかもしれない」と無線が入りました。

 その直後、130R手前で6号車の右リヤタイヤが激しくバースト。幸いバックストレートだったこともあり、コントロールを失うこともなくそのまま3輪状態でピットに飛び込みタイヤ交換。ふたたび戦列に復帰しましたが、残された周回数では成すすべもなく、結果は19位完走。最終的には上位車両の失格により18位、ノーポイントに終わりました。

VELOREX 2025スーパーGT第5戦鈴鹿 決勝レポート
UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン) 2025スーパーGT第5戦鈴鹿

■片山義章選手のコメント

「悔しいとしか言いようがないですね。スタートもうまく決まったのですが、鈴鹿はやはり抜きにくく、前のマシンはストレートが速くて抜ききれませんでしたが、ペース的には全然ついていけたので、後続のマシンの動きを見ながら冷静にこちらの速いセクションと相手の速いセクションを見極め、うまく処理して1周目、2周目で後方のマシンからリードを築くこともできました。給油時のリストリクターの件があるので、後続マシンにはリードを広げておきたかったのです」

「それがうまくいっていたのにセーフティカーが入ってリードがゼロになったのですが、代わりに前のマシンにも近づくことができたので、再スタートからは必死でプッシュし続けました。コンスタントに良いペースで走れたので、作戦どおりのピット戦略でロベルト・メリ・ムンタン選手に交代し、さらに追い上げる予定だったのですが、残念です。気を取り直して、次の菅生でリベンジするしかありません。応援ありがとうございました」

■ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント

「タイヤさえ最後までもてば勝てると思っていたのですが、最悪の結果になってしまいました。レースのペースは悪くなく、前を行くマシンを追い抜き続けてポジションを元に戻す途中、GT500クラスのマシンがダンロップコーナーでインからぶつけながら抜いてきたのは腹立たしかったですが、大きなダメージはなかったのでそのまま走り続けました」

「タイヤに違和感があったので無線でピットにスローパンクチャーかも知れないから準備しておいてと言った直後、ストレートで右リヤタイヤが爆発するようにブローしました。マシンをコース内に保つのが精一杯でしたが、クラッシュしなくて良かったです。悔しい結果ですが、自分たちには速さがあったと思います。次の菅生も得意なコースのひとつですから、シリーズでもう1勝を狙います」

■小倉啓吾チーム監督のコメント

「57kgというサクセスウエイトの影響があったなかで、ペースも悪くなかったですし、メカニックたちもピット作業では、ミスなく最高の仕事をしてくれました。タイヤがバーストしてしまった原因は、あそこまで壊れてしまうとわからないかもしれないですが、デブリを踏んだのか、何なのか、原因を究明しておきたいです」

「ロベルト・メリ・ムンタン選手からの無線でタイヤ交換の準備をし始めた途端の出来事でした。本当に悔しくて言葉がありません。すべてが問題なく進んでいれば、いつも表彰台を狙えるポテンシャルはあるので、残りのレース、すべて勝ちに行くつもりで頑張ります。暑い中、多くの皆さんからの応援、本当にありがとうございました」

■古場博之エントラント代表のコメント

「今回のレース結果には、言葉がありません。すべてが作戦どおりにうまく行っていた矢先の出来事です。タイヤのライフはテストで実際に試していたので30周は問題ないはずでしたから、もしかしたらデブリを踏んでいたのかもしれません」

「めちゃくちゃ残念です。でも諦めずに前を向いて、着実にやっていくしかありません。実力どおりなら、必ず毎戦表彰台は狙えるチームに育ってきました。悪い流れをここで断ち切って、シーズン後半でいい戦いをお見せしたいと思っています」

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