D’station Racing
Race Report – 2025.8.25

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2025 AUTOBACS SUPER GT
Round 5 SUZUKA GT 300km RACE

AUGUST. 23 -24　Qualify ：5th / Race：24th

厳しいウエイトのなか盤石の戦いも、タイヤトラブルに泣く

　第4戦富士では、レース1をチャーリー・ファグが、レース2を藤井誠暢が制し、パーフェクトなレースウイークを送ったD’station Racing。シリーズランキングでも2位に浮上し迎える第5戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。2024年に初優勝を飾った験の良いサーキットでもある。チームはさらにポイントを重ねるべく、3週間のインターバルでレースウイークを迎えた。

　ただ、このレースではSUPER GTではお馴染みのサクセスウエイトが復活。D’station Vantage GT3は100kgものサクセスウエイトを積むことになった。実質で積むウエイト以上の分は、レース中の給油の速さを制限する給油リストリクターでの調整となり、決勝での影響も懸念されていた。

　そんな一戦は、8月23日（土）の公式練習からスタートしたが、気温32度／路面温度42度という酷暑のなかで始まった。D’station Vantage GT3は藤井から走行を開始し、途中ファグに交代。ふたたび藤井に交代する。1分59秒618というベストタイムで順位は13番手だが、戦える手ごたえがあった。

　この鈴鹿サーキットは、コースの特徴として予選順位が重要となる。D’station Racingは、予選に向けて攻めたタイヤ選択を行い、上位グリッドを目指した。午後3時15分から始まった公式予選では、まずはQ1でファグが1分58秒151というタイムでB組の2番手につけ、Q2に進出。続くQ2では藤井が分57秒668をマークし、5番手という位置につけてみせた。サクセスウエイトの状況を考えれば望外の結果だ。

　予選日から一夜明けた8月24日（日）の鈴鹿サーキットも朝から夏空に。暑さ対策として午後3時30分というスタート時刻となった決勝レースだったが、それでも気温35度／路面温度52度という酷暑の中で熱戦の火ぶたが切って落とされた。

　D’station Vantage GT3のスタートドライバーを務めたファグは、序盤からポジションをしっかりと守っていく。4周目に発生したGT500クラスのアクシデントで一時セーフティカーランとなったものの、リスタート後も順位を堅守。22周のスティントをこなし、藤井にステアリングを託した。ピットアウトしてみると、給油リストリクターの影響は思った以上ではなく、順位は7番手。チャンピオン争いのライバルたちはいずれもD’station Vantage GT3よりも下位におり、このままの順位をキープできればランキング首位浮上も可能だ。後半スティントの藤井は前半のファグとは異なる種類のタイヤを履いていたが、そのフィーリングも良好。第4戦に続き、与えられた状況のなかではパーフェクトなレースを続けることができていた。

　しかし41周目、まさかの事態が起きた。Astemoシケインを立ち上がり、最終コーナーに向かおうとしていたD’station Vantage GT3が突如姿勢を乱してしまう。左リヤタイヤがバーストしてしまったのだ。藤井は懸命にコントロールし、クラッシュこそ避けることができたが、ピットロード入口はもう過ぎてしまった。まるまる1周を費やしピットに戻る間に、順位は大きく下がり最後尾となってしまった。

　それでも、完走すればチームポイントを得ることもできる。チームは素早くタイヤを交換し藤井を送り出すと、終盤には藤井もベストタイムを記録。そのまま24位でフィニッシュすることになった。

　公式予選、そして決勝レースと、チーム、ドライバーたちは完璧な仕事をこなし、高得点を得られる戦いを続けていただけに悔しい一戦となってしまった。ただ不幸中の幸いか、タイトル争いのライバルたちも苦戦を強いられ、シリーズランキングはまだ2位を堅持している。

　次戦スポーツランドSUGOは、昨年表彰台も獲得したコース。タイトル争いに向け、D’station Racingはふたたび上位獲得を目指していく。

COMMENTS：

Team Owner：Satoshi HOSHINO

7位が目前でしたし、そのままゴールすればランキングトップにも立てるチャンスだったので大いに期待していたのですが、まさかの残り10周ほどでのタイヤトラブルで一瞬で夢が終わってしまいました。残念でしたね。とはいえ、サクセスウエイトも厳しいなかでしっかり戦えることが確認することができましたし、給油リストリクターも思ったほど影響が大きくなさそうでした。戦略面でもカバーができる可能性を示してくれました。順位も想像より落ちませんでしたし、戦える手ごたえを得られました。不幸中の幸いで、まだランキングでも2位から落ちていないので、今回のことにめげずに次戦もまた頑張ります。ご声援ありがとうございました！

Director：Kazuhiro SASAKI

第4戦富士では2連勝も飾り、今回はサクセスウエイトが非常に厳しいレースになることを予想していましたが、得意の鈴鹿サーキットでのレースだったので、期待はしていました。ただ、サクセスウエイトに対して本当にドライバー、チームが一丸となって頑張ってくれていたおかげですごく良いレースウイークが進められていました。ただタイヤバーストは残念でした。仕方ないですけどね。大きなポイントを獲れるチャンスでしたし、タイトル争いを考えても痛いところではありますが、チャンピオン争いのライバルたちもあまりポイントを獲れていないので、それは前向きに捉えて、またイチから頑張っていきたいと思います。次のSUGOもチーム一丸となって戦っていきます。

Supervisor：Tetsuya TANAKA

決勝レースに向けては、ランキング上位陣のなかでもピットアウトしてみたら最上位につけていたので、シリーズを考えたら良いレースにできると思っていました。終盤までは本当にパーフェクトなレースを戦えていたので、結果的には残念でした。とはいえランキングでもまだ2位をキープできていますし、ぜんぜん戦えるポイント差にあります。また今回のレースはすごく内容が良いものでした。不幸中の幸いと言いますか、今後に向けても期待を抱かせるレースになったと思います。残りは3戦となりましたが、チャンピオンはぜんぜん目指せると思いますし、ライバルたちとのガチンコ勝負になると思っています。次戦以降も頑張っていきたいと思います。

Driver：Tomonobu FUJII

鈴鹿サーキットは追い抜きが難しいコースで、公式予選から前にいかなければと攻めたタイヤを使い、結果的には5番手という順位につけることができました。セットアップもまとまっていて、予想以上の順位につけられたと思います。決勝ではチャーリー選手がスタートを担当し、僕のスティントでは違うタイヤを使ったのですが、ペースも良かったです。しかし終盤に突然バーストしてしまって。クルマがいきなり左を向いてしまったので、驚きました。クラッシュしなくて良かったです。結果的にノーポイントになってしまったのは悔しいところですが、とはいえまだランキングでも2位につけていますし、シーズン残り3戦、チャンピオンを目指して頑張っていきたいです。

Driver：Charlie Fagg

今回はサクセスウエイトがすごく厳しいレースだったけれど、公式予選、そして決勝レースを通じて本当に順調すぎるくらい良いレースウイークを戦えていたと思う。重量と燃料給油のリストリクターのことを考えればなおさらね。すごく満足いくレースを戦えていたし、今日は7位をキープできるだろうと思っていたんだ。それだけにタイヤのトラブルは残念だったよ。7位でフィニッシュして、チャンピオン争いをリードして次のSUGOに臨めていたら最高だったろうからね。でも、これもレースだと思っているよ。こういうことは起こりうるんだ。だけど必ず立ち直ってみせるし、SUGOでも勝利に向けて努力するよ。今週も素晴らしいクルマを作ってくれたチームに感謝している。