■au TOM’S GR Supra
スタート直後の接触で最下位になるも、坪井と山下が粘り強く追い上げて、7位入賞を果たす

 2025 AUTOBACS SUPER GT Round 3SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025が、6月27日(金)、28日(土)にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。#1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は、70kgのサクセスウエイトを背負いながらも予選8番手を獲得。決勝ではスタート直後に接触を受けて一時は最後尾まで下がったが、粘り強く追い上げて7位に入り、ポイント獲得を果たした。

TOM’S 2025スーパーGT第3戦セパン レースレポート
au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太) 2025スーパーGT第3戦セパン

QUALIFYING 天候:晴れ/気温:31℃/路面温度37℃

12年ぶりのセパン大会。重いサクセスウエイトを搭載しながら、予選ではQ2進出で8番手につける

 今回の舞台となるセパン・インターナショナル・サーキットでスーパーGTが開催されるのは実に12年ぶり。走行経験がないドライバーやチームがいることを考慮し、26日(木)に公式練習のセッションがひとつ追加された。ランキング首位につける1号車は、開幕3戦目にして70kgのサクセスウエイトを搭載し、燃料リストリクター制限が2段階目に入るなかでのレースとなり、厳しい戦いが予想された。

 また、冬のテストと比べて路面コンディションが芳しくないなか、ふたりのドライバーは状況にうまく合わせ込んでいき、初日の公式練習では7番手につけた。

 予想以上の手応えがあり、チームの士気も高まるなか、Q1突破を目指し28日(金)の予選へ。僅差の戦いとなったが、坪井が1分51秒702を記録して10番手でQ1突破を果たした。続くQ2は山下が担当し、1分51秒064で8番手につけた。

RACE 天候:曇り/気温:30℃/路面温度38℃

スタート直後に接触を受け一時は最後尾に交代したが、粘り強い走りで追い上げ7位入賞

 曇り空のなかで始まったRound3の決勝レース。8番グリッドの1号車は坪井がスタートを務めた。混戦状態の第2コーナーで、後ろから他車に追突されて痛恨のスピン。これで最後尾まで後退を余儀なくされる。燃料リストリクター制限が入り、ストレートスピードが他車に劣るなか、コーナーが速くても前のライバルを追い抜けない状況が続いた。その中で順位を上げるべく、ピットストップを遅らせる作戦を選択。他車がピット作業をしている間に、一時は2番手に浮上。前方が開けたタイミングでは上位陣と遜色ないペースで走った。

 31周目にピットインし山下に交代してピットアウトすると、8番手まで浮上。その後もペース良く周回を重ね、ライバルと激しいバトルを繰り広げたが、なかなか前に出るチャンスが巡って来なかった。それでも山下は意地を見せて残り3周のところでライバルを攻略し、7位でフィニッシュした。

坪井翔

「燃料リストリクター制限が2段階も入っている状況で予選は最下位になってもおかしくないなか、8番手を獲得できたのは良かったです。決勝ではコース上で追い抜くのがかなり難しく、ピットストップを絡めて逆転していくしかない状況でした。それだけにスタート直後の接触が全てだったと思います。正直ストレスが溜まるレースでした。何事もなく走れていれば表彰台に乗れたレースだったので悔しいです」

山下健太

「とにかく追い上げるしかない状況でしたし、そのために坪井選手が前半スティントを引っ張ってくれたので、タイヤ交換のタイミングが遅かった分、タイヤの状態は周りのクルマより良く、コーナーでは速さがありましたが、ストレートでは燃料リストリクター制限の影響で追い抜けない状況が続きました。最後に何とか1台を抜いて、さらにもう1台に迫っていきましたが、少し足りませんでした」

チーム監督 伊藤大輔

「今回は燃料リストリクター制限が2段階も入っているなか、予選からこれ以上にないパフォーマンスを発揮してくれています。ただ、ストレートスピードが遅くなる分、決勝では後ろから追い上げるのが難しい状態だったので、スタート直後のアクシデントで、より厳しい状態に陥りました。その後もドライバーふたりにストレスがかかるシーンが続きましたが、そのなかで腐らずに追い上げて結果的に7位でポイントを獲得できるところまで挽回できたのはすごく良かったです。よく頑張ってくれたと思っています」

チームオーナー 舘信秀

「スタート直後の接触はレースなので仕方がないとはいえ、全体的なペースと内容をみると表彰台も狙えたと思うので、正直ストレスが溜まるレースでした。そんななかでも、坪井と山下が諦めずに追い上げて、最終的に7位まで挽回できたのは、凄いとしか言いようがないです。さすが、このふたりだなと思いました」

「今回は37号車が優勝して、シリーズランキングではTOM’Sがワン・ツーになりました。後半戦はどうなるか分かりませんが、この2台がチャンピオン争いをする姿が見られるのを楽しみにしたいです。次戦も、たくさんの応援をよろしくお願いいたします」

■Deloitte TOM’S GR Supra
12年ぶりのマレーシア開催で、笹原・アレジがライバルを圧倒! 今シーズン初勝利を飾る!!

 2025 AUTOBACS SUPER GTRound3SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025が、6月27日(金)、28日(土)にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。#37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)は、公式練習から好調な走りをみせて予選4番手を獲得。ピットストップを遅らせる作戦で逆転トップに浮上し、最後はライバルに19秒もの差をつけて、今季初優勝を飾った。

TOM’S 2025スーパーGT第3戦セパン レースレポート
今季初優勝を喜ぶDeloitte TOM’S GR Supraの笹原右京、ジュリアーノ・アレジ、ミハエル・クルム監督

QUALIFYING 天候:晴れ/気温:31℃/路面温度:37℃

目まぐるしく変わる路面コンディションに対応しながら、予選では4番グリッドを獲得

 今回の舞台となるセパン・インターナショナル・サーキットでスーパーGTが開催されるのは実に12年ぶり。走行経験がないドライバーやチームがいることを考慮し、26日(木)に公式練習のセッションがひとつ追加された。37号車の笹原とアレジは、シーズンオフのテスト走行で同地を走り込んでいることもあり、最初の走行から積極的に周回を重ね、マシンのセッティングやタイヤの状況を確認。調子も上々で、公式練習1回目は2番手、公式練習2回目は7番手につけた。

 27日(金)16時30分から始まった予選では、笹原がQ1を担当。走行セッションごとに路面コンディションが微妙に変わり、それらに合わせ込んで走るのが難しいなか、5番手タイムで通過した。続くQ2はアレジが担当しポールポジションを目指して果敢にアタック。最終的に4番手でセッションを終え、優勝を狙える位置を確保した。

RACE 天候:曇り/気温:30℃/路面温度:38℃

笹原の力走で、逆転トップに浮上。後半のアレジもライバルを引き離し優勝。TOM’Sにマレーシア大会初優勝をもたらす

 曇り空のなかで始まったRound3の決勝レース。4番グリッドの37号車は、笹原がスタートドライバーを務めた。7周目に1台を抜いて3番手に上がると、そのまま前を走るライバルを追いかけるが、そこからは順位の変動はなくこう着状態が続いた。20周目になってライバルが次々とピットインするなか、37号車はコース上に留まって後半にピットインする作戦を選んだ。笹原も限界までペースを上げてライバルとの差を広げていき、全体の折り返しを過ぎた32周目にピットイン。ここでアレジがマシンに乗り込み、トップのままコースに復帰。見事、逆転に成功した。

 ピットアウト直後に一度ライバルに並びかけられるシーンがあったが、しっかり守り切ったアレジ。タイヤが温まってくると徐々にペースを上げて後続を引き離していく快走を披露。最終的に19秒もの大差をつけて、今季初のトップチェッカーを受けた。

 37号車にとっては昨年のRound6 SUGO以来となる、TOM’SとしてはセパンでのスーパーGT初勝利となった。

笹原右京

「予選日はテストの時と路面コンディションが異なり難しい部分もありましたが、クルマの調子は良かったです。決勝の序盤はタイヤを労って、予定通りピットを遅らせる作戦をとりました。僕のスティントで最後の5~6周くらいが、このレースでの重要な局面だったので、人生をかける想いで全てを注ぎ込みました。チームが素晴らしいクルマを用意してくれましたし、ブリヂストンの素晴らしいタイヤのおかげでトップのままコースに戻ることができました」

ジュリアーノ・アレジ

「セパンはテストで走行経験がありましたが、今回は路面コンディションが大きく異なっていて、そこに合わせるのが難しかったです。正直、予選でのアタックも満足できるものではありませんでした。右京からマシンを引き継いだ時は、アウトラップが重要になると思いました。14コーナーでライバルに迫られたのですが、そこを守って逃げることができたので安心しました。あの瞬間が、このレースのターニングポイントだったのかもしれません」

チーム監督 ミハエル・クルム

「オーバーカット(ライバルよりピットを遅らせて逆転する)の作戦に関しては本当に悩みました。右京も途中でタイヤが苦しくなる場面がありました。それがなくなってから周りより速いペースで走って、ギリギリのところで作戦が成功しました。ジュリアーノもピットアウト直後のディフェンスと、その後のペースが素晴らしかったです。今年は全戦でポイントを獲ることを目標にしていますが、ここまで達成できています。次戦も引き続き頑張ります!」

チームオーナー 舘信秀

「今回の37号車は完璧でした!作戦もしっかり決まって、笹原がその通りに走ってトップに立てましたし、何より後半のジュリアーノが素晴らしい走りをみせてくれました。この勢いで、次もどんどん行ってほしいと思います。これで1号車とともにTOM’Sがシリーズランキングでワンツーになりました。後半戦はどうなるか分かりませんが、この2台がチャンピオン争いをする姿が見られるのを楽しみにしたいです。次戦も、たくさんの応援をよろしくお願いいたします」

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