2025 SUPERGT Rond3,
“SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025”
12年ぶりの海外戦、VELOREXな念の予選Q2進出ならず
■6月25日(公式練習1回目)
スーパーGT第3戦『MALAYSIA FESTIVAL 2025』は、実に12年ぶりの開催となったマレーシア、セパン・インターナショナル・サーキットでの海外戦となりました。灼熱のマレーシアということで、決勝レースは夕方スタートのトワイライトレースとなっており、12年ぶりの開催ということもあって、セパンの走行経験がないドライバーも多いため、本大会は木曜日に公式練習1回目、金曜日に公式練習2回目と予選Q1、Q2、そして土曜日に決勝レースという変則スケジュールとなっています。
木曜日に実施された1時間30分の公式練習1回目は、現地時間16時30分にセッションがスタートしました。気温33℃、路面温度が46℃というコンディションのなか、前戦富士で最後尾から奇跡の逆転優勝を果たしたVELOREXの6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは、まずはロベルト・メリ・ムンタン選手がステアリングを握りコースイン。ロベルト・メリ・ムンタン選手にとっては、F1で走った思い出のサーキットでもあります。コースインしたロベルト・メリ・ムンタン選手は5周目に2分04秒758で4番手タイムをマークし、11周目に2分04秒434、3番手タイムをマークしてピットイン。このコースを初めて走る片山義章選手に交代し、さらにセットアップを進めます。
最終的に公式練習1回目に20周を消化した6号車は、初日のセッションを5番手タイムで終えました。前戦での優勝によって、50kgのサクセスウエイトが搭載されたことで予選に向けての一抹の不安はありますが、内容的にはまずまずの初日でした。
■6月26日(公式練習2回目&予選)
金曜日の公式練習2回目は、現地時間で10時30分にスタートしました。朝のこの時間で気温31℃、路面温度は39℃にも達しており、湿度65%というドライバーにとってもマシンにとってもかなり厳しいコンディションです。
まずはロベルト・メリ・ムンタン選手がコースインし、3周目に2分03秒741でトップタイムをマーク。5周してピットに戻るとセットアップ作業を繰り返しながらイン&アウトを繰り返し、片山義章選手も次第にタイムを縮めていきます。VELOREX6号車は最終的に4番手で公式練習2回目を終えました。
そして迎えた予選Q1グループA、ロベルト・メリ・ムンタン選手がアタックドライバーを務めます。セッション開始時の気温は33℃、路面温度40℃、湿度65%という状況でした。6号車フェラーリは2周目に2分10秒135をマークすると3周目に2分04秒412で3番手、連続アタックで2分04秒613をマークしたのですが、セッション終盤にワイルドカードで参加してきたサクセスウエイトなしの車両がタイムアップを果たし、残念ながら7番手となり悔しいQ1敗退という結果に終わりました。
VELOREXの6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは、明日の決勝レースを予選12番手からのスタートで、初のトワイライトレースを戦うことになります。
●片山義章選手のコメント
「セパン・インターナショナル・サーキットは自分にとって初めてのサーキットでしたが、事前のシミュレータートレーニングもしっかりやってきましたし、難しいとか違和感はなかったです。ただし、まだ攻めきれていない感じではあります。とにかく滑るというか、グリップ感がなく、うまくタイヤを使い切っていない感じでした。ロングのペースは悪くないので、予選に向けてセットアップを変えたのですが、予選結果は残念でした。原因をクリアにして、明日の決勝は気を取り直して富士戦同様にまた追い上げます。レースは何が起こるかわからないので、自分も期待しています」
●ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント
「昨日の走り出しからセパンはフェラーリには合っているサーキットだと思いましたが、コーナー立ち上がりで50㎏のサクセスウエイトが効いているせいか、ストレートでの伸びが悪く、ブレーキング時に不安定な挙動が出ました。残念ながら今回の予選ではフロントタイヤがうまく使えておらず、マシンのパフォーマンスを発揮しきれなかったのが敗因です。予選に向けたセットアップをもう少し違った方向にアジャストしていれば、問題なかったかも知れませんが、データをチェックして、明日の決勝ではまた富士のような追い上げを見せ、表彰台をゲットしたいです」
●小倉啓吾チーム監督のコメント
「公式練習を走り出した段階から、予選A組のチームが上位に並んでいたので、今回の予選はかなり厳しくなるぞと思っていましたが、結果的にほんの僅差でQ2進出ができず残念です。タイヤも悪くなかったし、データを解析してみなければわかりませんが、予選に向けてアジャストしたセットアップが路面温度等に微妙に合わなかったのかも知れません。しかしヨコハマタイヤ勢はセパンでは上位を占めていますので、自分たちも前回の富士のように、早めにポジションを上げて、少しでもポイントを加算するレースができるよう頑張ります」
●古場博之エントラント代表のコメント
「トラックウォークをした段階で路面の砂利が小さくて丸いのが気になりました。日本のサーキットは石がもっと大きくて荒く、尖っているので比較するとグリップ感がなく、しかも余り走っていないサーキットだけに、トラックインプルーブが大きいのだろうと想定していました。実際に走り始めると予想どおりというか、予想以上にグリップが低く、しかもFP1、FP2とどんどんタイムアップしていく状況のなか、予選では路面がインプルーブし過ぎていて、路面の変化も含めて車のセットアップを合わせ込み切れなかったことが今日の結果の大きな要因のひとつです」
「ブレーキングでの不安定さもあったのですが、それ以上にコーナー立ち上がりのトラクションのなさに悩んでしまいました。データを分析して明日の決勝に向けてしっかりとアジャストし、ふたりのドライバーとともにひとつでも上のポジションを狙います。片山義章選手にとっては初めてのサーキットですが、ロベルト・メリ・ムンタン選手のデータと自分のデータを比較し、オンボードで研究してFP2ではかなり近い走りになってきたので、明日の決勝に期待しています」
