■ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8
低迷したFPから上り調子でフロントロウ獲得!

 ここマレーシアでレースが開催されるのは2013年以来、12年ぶりだ。海外レースはコロナウイルス蔓延前の2019年にタイのブリーラムで行われたのを最後に、久しぶりの海外レースとなった。

 マレーシアの過去のレースは最も暑い時間帯を避けて、15時前後のスタートが多かったが、今回はスタート時間をさらに遅らせ、16時30分スタート、18時30分にチェッカー予定のレースフォーマットとなった。

 木曜から行われたフリー走行では、なかなか思うようにタイムが出なかった。一部では、サポートレースのタイヤのラバーが路面に残っていて、GT車両のタイヤとのマッチングが悪いという声も聞こえた。それが原因であるかは定かではないが、#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは後方に沈んでしまった。

 予選日午前中に行われた2回目のフリー走行では、何とか4番手まで挽回することができたが、予選で好位置につけるかどうかは未知数だった。

 Q1は松下信治選手がアタックを行った。フリー走行での松下選手は思うようなタイムが出なくて、今回は不調なのかと誰もが考えたが、そのような不安要素を払拭し6番手のタイムを叩き出し、Q2の野尻智紀選手につないだ。

 野尻選手はピットに少し待機してからコースインしたが、他車が軽微な火災を起こし赤旗中断となった。幸いにも、タイヤに熱が入る前の赤旗だったので、タイヤは温存できた。

 予選が再開し、野尻選手は3周タイヤに熱を入れて4周目にアタックを行った。見事に1周をまとめて2番手のタイムを叩き出すことに成功した。

 最前列からのスタートとなるので、決勝はうまくスタートを決めて、久しぶりのマレーシアで好結果を残したい。

●鈴木亜久里監督のコメント

「木曜のフリー走行の結果では上位に行けないのではないかと心配したけど、ドライバーもチームも頑張ってここまで這い上がってきてくれた。松下も不調なのかと心配したけど、そんな心配は必要ないくらいのパフォーマンスを最後に見せてくれたので、明日はしっかりと結果が残せるように戦って行きたいね」

●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「最初のフリー走行ではどうなるかと心配したけど、ドライバーとチームは帳尻を合わせてくれたね。トラブルやミスがないように集中してレースを戦って行きます」

●田中洋克チームディレクターのコメント

「タイヤの選択も良くて、Q1、Q2とも危なげなく走ってくれて、野尻選手もQ2で頑張ってくれて最前列のグリッドに並べることになりました。レースペースも良さそうなので頑張ります」

●野尻智紀選手のコメント

「走り始めからテストとコンディションが違っていたので戸惑いましたが、そこからアジャストできて予選で上位に行けたので、前戦の借りを返せるように頑張りたいと思います」

●松下信治選手のコメント

「FP1に比べると良いランニングカーブを描けたかと思います。Q1は6番でQ2は2番だったので、勝たなきゃ意味はないとは思いますが、勝てる土台ができているので勝てるようにしっかりと準備していきたいと思います」

■ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16
不完全燃焼だったQ1、決勝はいい意味で期待を裏切りたい

ARTA 2025スーパーGT第3戦セパン 予選レポート
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮) 2025スーパーGT第3戦セパン

 12年ぶりのマレーシア大会、海外戦は2019年のタイ大会から6年ぶりのレースとなった。

 1月のウインターテストはここセパンで行われ、16号車の大津弘樹選手、佐藤蓮選手も参加した。テストでは良い感触を得られていて、1回目のフリー走行の序盤で2番手のタイムを記録した大津選手は手応えを感じていた。

 予選は決勝を見据えて、硬めのタイヤをチョイスして佐藤選手にQ1を託した。路面コンディションが良くなる終盤にタイヤのグリップがピークに達するようなタイミングでコースに送り出したが、もう1周アタックに入ろうと思ったところでチェッカーフラッグが出て不完全なQ1となってしまい、Q2に進むことができなかった。

 最後尾からのスタートとなるが、上位に食い込めるポテンシャルは充分に持っているので、決勝では追い上げを期待したい。

●鈴木亜久里監督のコメント

「Q1でコースに送り出すタイミングを見誤ったかも知れないけど、ピンポイントでタイムを出せそうなところを狙っていたと思うので誰も責めることができない予選だったね。レースはうまく行けば応援してくれる皆が喜んでくれるようなポジションをゲットできると思うよ。このクルマとドライバー、チームの底力はあると思うので、決勝は楽しみにしていてください」

●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント

「速さがあるだけに悔しい結果になってしまったね。色々と予測が外れてしまったところがあったと思うけど、大事なのは決勝。レースはしっかり戦って、クルマやドライバーのポテンシャルを引き出せるように頑張ります」

●田中洋克チームディレクターのコメント

「午前中は悪くなくて、選んだタイヤも午前中の走行でも使える手応えはありましたが、狙いすぎたのか、うまくタイヤを使いきれませんでした。明日は何とか挽回できるように準備していきます」

●大津弘樹選手のコメント

「1月にここでテストを行えたので、走行データやクルマのバランスを理解したうえでここに入ってきました。しかし、その時とはコンディションが大きく違い、そこに合わせるのがとても難しかったです。タイヤの選択については、あまりポジティブではなくて、路温が下がって行く中で選択肢として硬めのタイヤしかなくて、Q2では良いパフォーマンスを出し切れず終わってしまいました。しかし、このタイヤは明日の決勝では戦闘力があると考えているので、切り替えて頑張りたいと思います」

●佐藤蓮選手のコメント

「予選ではフリー走行とは違うスペックのタイヤで出走したのですが、思ったより作動せずにウォームアップラップが足りない状況で思うようなアタックができず、車のポテンシャルを出し切ることができませんでした。後方からのスタートではありますが、決勝のペースは悪くないと思っているので、諦めずに上位を目指して行きたいと思います」

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