#1 au TOM’S GR Supra
ライバルの猛追を振り切り、最終戦もてぎで今季3勝目を挙げる。史上初のGT500クラス3連覇達成!

 2025 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 300 km RACE GRAND FINALが11月1日(土)、2日(日)にモビリティリゾートもてぎで行われた。#1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は、予選2番手スタートから1周目にトップに立ち、そのまま首位をキープしてRound1岡山、Round4富士Race1に続いて今季3勝目を挙げ、GT500クラス史上初となる3 年連続シリーズチャンピオンに輝いた。

予選

天候:晴れ/気温:22℃/路面温度:24℃

 前日の金曜日は強い雨に見舞われたモビリティリゾートもてぎだったが、土曜日午前の公式練習時には天候が回復し、セッション序盤からドライタイヤを履いて周回を重ねた。最終戦は全車ともにサクセスウエイトが課されないため、1号車本来の速さが期待される一方で、公式練習では思うようにタイムを出せず苦労する場面もあった。しかし、チーム全員が諦めずに対応し、予選に向けて速さを引き出していった。

 午後に行われた予選では、Q1を山下が担当し、ライバルに0.2秒の差をつける1分35秒675を記録。トップでQ2へ進出を果たした。続いて坪井がマシンに乗り込み、ポールポジションを目指してタイムアタック。1分35秒943を記録したが、トップタイムには及ばず2番グリッドとなった。ポールポジションを逃した悔しさはあるが、チャンピオン獲得という最大目標を達成するために、しっかりと好位置につけた予選だった。

決勝

天候:曇り/気温:20℃/路面温度:22℃

 曇り空のなかで始まった決勝レース。2番グリッドから優勝を目指す1号車は、ここ数戦の流れとは異なり、坪井がスタートを担当した。スタート直後からトップの車両に仕掛けていき、4コーナーでオーバーテイク。首位に躍り出ると、そのまま後続を引き離す快走をみせて、一時は5 秒以上のリードを築いた。

 23周目にピットインし、山下に交代。チームも迅速なピット作業で1号車を送り出し、トップをキープ。しかし、周回を重ねるにつれて、後続のライバルが接近。後半の30周近くにわたって緊迫した接近戦を繰り広げたが、山下は最後までトップの座を明け渡すことなくチェッカーフラッグを受け、今季 勝目を飾った。

 同時に2025年のGT500クラスシリーズチャンピオンも決め、史上初の3 年連続王座に輝いた。坪井もGT500クラス初の個人3連覇で通算4回目、山下は通算3回目のシリーズチャンピオン獲得となった。

●坪井翔

「レーススタート時点では2位以上でチャンピオン確定という条件だったので、無理をして抜かなくても良い状況ではありました。しかし、勝ってシーズンを終えたいという思いがあったなかで、予選は少し悔しい結果になってしまったので、なんとか追い抜きたいと思っていました。チャンスは1周目しかないと思って、スタートからものすごく集中して、ライバルの前に立ち、リードを築くことができました。自身4 回目のチャンピオンは嬉しいですし、この環境でレースをさせていただけることがありがたいです」

●山下健太

「これだけ接戦のGT500クラスで、頭ひとつ抜け出る結果を出しているチームに、自分がいさせてもらっていることに感謝したいです。決勝では坪井選手がトップでバトンを渡してくれて、それを守らなければいけなかったのですが、選択したタイヤのことを考えるとペース的に厳しくなるかもしれないと思っていました。30周近くライバル2台が真後ろにいる状況のなか、仮に抜かれたとしてもチャンピオンになれることは分かっていましたが、最後は勝って終わりたかったので、頑張ってブロックしました」

●チーム監督 伊藤大輔

「シーズン中盤が苦しくなることは分かっていましたが、最終戦も思いのほかプレッシャーがかかる状況となりました。最後まで気が抜けない展開でしたが、スタートで坪井選手がトップに立って、最後は山下選手が守り抜くという作戦を立てていました。その通りにはいきましたが、楽な展開ではありませんでした。今年もメカニックが頑張ってくれて、毎回素晴らしいクルマを用意してくれたことに感謝していますし、1号車に関係してくださった皆様のおかげでチャンピオンを獲ることができました」

●チームオーナー 舘信秀

「本当に『素晴らしい!』の一言に尽きます。坪井と山下はすごいドライバーだなと、あらためて実感しました。終盤はライバルが接近してきて気が抜けない状況でしたが、私はそこまで心配はしていませんでした。とはいえ、2位で終わるよりは勝ってチャンピオンを決める方が良いので、この結果には大変満足しています。3年連続でチャンピオンというのは、今までなかったことなので大変嬉しいですし、支えてくださったスポンサーの皆様に感謝したいです。TOM’Sとしてはスーパーフォーミュラも残っていますので、この勢いで引き続き頑張っていきます」

山下健太/坪井翔(au TOM’S GR Supra)
山下健太/坪井翔(au TOM’S GR Supra) 2025スーパーGT第8戦もてぎ

#37 Deloitte TOM’S GR Supra
ピットストップを遅らせる作戦で終盤にアレジがライバルを猛追。9ポジションアップで5位入賞を果たす。

 2025 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 300 km RACE GRAND FINALが11月1日(土)、2日(日)にモビリティリゾートもてぎで行われた。予選14番手に終わった#37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)は、決勝レースではライバルよりもピットストップを遅らせる戦略をとった。笹原が着々と周回を重ね、終盤にはアレジが次々とライバルを追い抜く走りをみせて、最終的に9ポジションアップの5位入賞を記録。年間ランキング6位でシーズンを終えた。

予選

天候:晴れ/気温:22℃/路面温度:24℃

 シーズン最終戦は全車にサクセスウエイトが課されない。逆転チャンピオンの可能性を残している37号車も、予選で上位を目指すべく準備に入った。前日の金曜日は強い雨に見舞われたモビリティリゾートもてぎだったが、土曜日午前の公式練習時には天候が回復し、ドライタイヤを履いてラップ数を重ねた。セッションの序盤から好タイムを記録していたものの、最終的には12番手のタイムであったが、Q2進出への手応えを感じていた。

 午後に行われた予選では、笹原がQ1を担当。ウォームアップを済ませて4 周目にタイムアタック。1分36秒710を記録したが、Q2進出ラインまで僅かに届かず、14位で敗退となった。今回は公式練習から全車のタイムが接近しているなかで、予想以上にタイムが上がらなかった。翌日の決勝レースでの挽回を目指し、入念に準備を進めた。

決勝

天候:曇り/気温:20℃/路面温度:22℃

 曇り空のなかで始まった決勝レース。今回は300kmの距離で争われ、途中のピットストップは1回のみとなる。14番グリッドの37号車は、笹原がスタートを担当。予想に反して気温と路面温度が上がらなかったこともあり、最初は少し苦戦を強いられたが、プラン通りレース後半までコース上に留まった。笹原はタイヤと燃費を労わりながらラップ数を重ね、アレジのスティントで追い上げるという戦略を遂行した。

 37周目にピット作業を済ませ、13番手で復帰した37号車。路面状況を考慮したタイヤの種類を選択し、これが功を奏した。アレジは次々と前をいくライバルを追い抜いて、残り11 周の時点で6番手に浮上し、チェッカーフラッグを受けた。レース後、上位の1台が再車検不合格により失格となったため、正式結果では5 位に繰り上がった。逆転チャンピオンは叶わず、年間ランキング6 位に終わったが、最終戦で存在感溢れる走りを披露した。

Deloitte TOM’S GR Supra
Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ) 2025スーパーGT第8戦もてぎ

●笹原右京

「公式練習での手応えを考えると予選Q2はいけるだろうと思っていましたし、タイムアタック自体もうまくいったと思うのですが、この順位で終わったことは驚きでした。決勝はスタートで履いていたタイヤと路面コンディションが合っていないなか、ピットストップを後半まで引っ張る作戦だったので大変ではありました。その中でも終盤のペース維持など、やるべきことはちゃんと出来たかと思います。少し地味ではありましたが、コツコツと走ってタイムを稼いでいくスティントでした」

●ジュリアーノ・アレジ

「前半の右京からタイヤの種類を変えて後半スティントに臨みました。ライバルよりもタイヤが新しい状態だったから、前にいくしかないと思って攻めていきました。ペースも良かったので、それを活かしたかったですが、ピットから出た時が13番手で、そこからテンポよく順位を上げていければ良かったなと思いました。そこは僕の課題でもあるので、来年に向けて改善していかないといけないと思っています」

●チーム監督 ミハエル・クルム

「予選はタイヤのグリップをうまく引き出すことができず悔しい結果になりましたが、最後は気持ちよくシーズンを終わらせたいと思って戦いました。前半の右京が粘ってくれたことで、後半のジュリアーノで追い上げることができましたが、追い抜きが難しいもてぎのコースで13番手から5番手まで順位を上げたというのは、本当に素晴らしいです。結果は5位ですが、予選順位を考えると優勝に値するレースができたと思います。そして、1号車のチャンピオン獲得には『おめでとう!』と言いたいです」

●チームオーナー 舘信秀

「37号車は予選結果が少し残念でしたが、決勝では作戦がうまく決まって、素晴らしい追い上げを見せてくれました。ジュリアーノもあれだけオーバーテイクして、きっと本人も走っていて気持ち良かったと思います。最後はポイントを獲って終わることができたので、来年につながる結果を出すことができました。今年は優勝もありましたし、レース中の速さも見せることができる場面もあったので、来年の活躍が楽しみです。1年間、たくさんの応援をありがとうございました」

笹原右京/ジュリアーノ・アレジ(Deloitte TOM’S GR Supra)
笹原右京/ジュリアーノ・アレジ(Deloitte TOM’S GR Supra) 2025スーパーGT第8戦もてぎ

本日のレースクイーン

Queenaくいーな
2025年 / スーパー耐久
ルーキープリティ
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年1月号 No.1615

    ネクスト・フォーミュラ 2026
    F1からカートまで
    “次世代シングルシーター”に胸騒ぎ

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円