HOPPY team TSUCHIYAレースリポート
2025 SUPER GT Rd.8もてぎ

■⽇時 2025年11⽉1⽇予選、2⽇決勝
■⾞両名 HOPPYSchatzGRSupraGT
■場所 モビリティリゾートもてぎ(栃⽊県)
■カーNo. 25
■監督 ⼟屋武⼠
■ドライバー 松井孝允/佐藤公哉
■チーム HOPPY team TSUCHIYA
■リザルト 予選A組11番手(Q2進出ならず)、決勝DNS

2025シーズンの最終戦。最後は笑って終わると意気込むもまさかのトラブルに泣く

 シーズン後半は、レースを重ねるごとにパフォーマンスを上げていったHOPPY team TSUCHIYAの25号⾞、通称「ホピ⼦」。チーム⼀同「最後は笑って終わろう」と意気込んで臨んだ今季最終戦だったが…。

11⽉1⽇(⼟)公式練習、公式予選
▼公式練習<GT300 22番手1分48秒776>
▼予選Q1A組11番手 1分48秒015(Q2進出ならず)

11⽉2⽇(⽇)
 決勝レース晩秋の栃⽊県茂⽊町は好天に恵まれた。その分朝はぐっと冷え込み、乾いた空気の中で今シーズンの最終戦・決勝の1⽇が始まった。

▼ウォームアップ<GT300 20番手 1分51秒197>
 松井選⼿のドライブでセッションを開始。7周を⾛⾏したところでピットイン、ドライバーを佐藤選⼿に交代してピットアウト、佐藤選⼿も短い時間だったがマシンの感触をチェック。20分のセッションを消化した。ベストタイムは松井選⼿が7周⽬に記録した1分51秒736。順位は20番手で終了。

▼決勝<GT300 DNS(スタートできず)>
 迎えた決勝。戦いの前ではあるが最終戦ということもあり、今季でSUPERGTを卒業する選⼿への惜別ムードも漂う。スターティンググリッド上でも今シーズン戦ってきたライバル同⼠が互いにここまでの健闘を讃えあう、そんな空気感も漂わせていた。

 スタートのセレモニーをひと通り終えると、⽩バイとパトカーの先導によるパレードラップが始まる。お馴染みの光景が眼前では進⾏していく。そこへ、モニターには俄かには信じたくない映像が映し出された。⽩にピンクが基調のマシンがコース上でストップしている。

 チームスタッフ、スポンサーの皆様も⼀瞬息を呑む。改めて確認すると、コース上に⽌まっているのは間違いなくホピ⼦だった。武⼠監督とスタート担当の松井選⼿の無線でのやりとりに皆⽿を澄ます。何が起きたのか詳細はわからないながらも、駆動⼒が後輪に伝わっていないようだ。ここまでトランスミッションの共同開発に取り組んできたトヨタ⾃動⾞のメンバーの顔⾊が変わった。各々がそれぞれのデータロガーをチェックし原因を探る。速やかにマシンは牽引されピットへ。そうしている間にレースはスタート。

 マシンの轟⾳が⼀⻫にサーキットを包む。メカニック達がホピ⼦を押してピットへ。リヤハッチが外され武藤チーフが覗き込む。果たして原因は……。しばらくリヤ回りのチェックと議論が続く。成績はともかく、最終戦レースができるのか? しかし、原因を正確に特定するにはトランスミッションをチェックするしかない。「それをレース中に間に合わせるのは無理」武藤チーフの声がレース中の轟⾳の中でもはっきり聞こえた。

 最後は武⼠監督の決断でトランスミッションをおろし、チェックすることを選択。最終戦は、駆動系のトラブルによりスタートできず。無念のDNSとなった。

 その後、ピットではチェック作業が始まった。その結果、ドライブシャフトの損傷が直接の原因であることが確認された。トランスミッションには異常がないことも確認された。ドライブシャフトの損傷原因についてはまだわかっていないが、仮説としては、シーズン後半にマシンのセッティングが上向いたことで、よりリヤタイヤに駆動⼒をしっかりと伝えられるようになった結果、ドライブシャフトにそれまでにない負担がかるようになっていたのではないか。それにより想定していたマイレージよりもドライブシャフトの限界が早くきてしまったのではないか、などが考えられるという。

 ⽂字どおりあっという間に2025年シーズンが幕を閉じた。開幕戦こそポイントを獲得したものの、その後はマシンの性能を正常に機能させるのに四苦⼋苦した。その中でも議論を尽くし、やれることを⼀つ⼀つ積み上げることで光が⾒える、そんなことを教えてくれたシーズンだったのではないだろうか。

 ご⽀援いただいたスポンサーの皆様、ファンの皆様には苦しい時でも⽀えていただき、⼼より感謝申し上げます。来年はつちやエンジニアリング55周年の節⽬の年。武⼠監督以下、チーム⼀同すでに視線は来季に向いています。1⽇も早く皆様と勝利の喜びを分ち合えるよう努めて参ります。今後ともご⽀援いただきますよう何卒お願い申し上げます。1シーズン、本当に有難うございました。

⼟屋武⼠監督コメント

「最終戦が終わりました。駆動系のトラブルでスタートできず本当に残念な最終戦になってしまいました。本当にごめんなさい」

「1年間、本当に苦しい前半戦から、光明が⾒えてきた中盤戦・後半戦という感じでした。最終戦チェッカーを受けたいという気持ちは強かったです。最終戦でチェッカーを受けられれば、クルマを作り始めて初めて全部完⾛できるシーズンにできたのですが、残念ながらという感じです」

「まあ、『まだ⾜りない』というメッセージだと思いますし、これを糧にまた来年更に…更にじゃない、⼀から積み上げるつもりでやっていきたいと思います。本当に1年間たくさんの応援、ご⽀援、ご声援有難うございました。今この瞬間から来年に向けてやってまいります。また来年もよろしくお願いします。有難うございました」

松井孝允選⼿コメント

「できる限りのことは今シーズンやってきた中で、徐々にシーズン後半に向けてはいい流れが作れたかなと思ってはいたので、トラブルで終えてしまったのはとても残念です。とはいえ可能性の⾒えた後半戦だったので、もっともっと詰められる部分というのは⾒つかってきているので、どちらかというと早く来シーズンに向けて、しっかり準備をしていきたいなと思いました」

「ちょっとまだ(来季)どうなるかは分かりませんが、⾏けるのであれば、僕としてはキチンと準備をして、ドライバーとして速く⾛るということも今年⼀年、いろんなドライバーと他のカテゴリーで組ませてもらったりした中ですごく成⻑できた、まだまだ伸び代があると感じているので、もっとトレーニングをして、ドライビングをもっと磨いて、もう⼀度このチームでチャンピオンを獲りたいと思っているので、しっかりと準備していきたいと思います。1年間有難うございました」

佐藤公哉選⼿コメント

「まずは1年間お疲れ様でした。たくさんの応援、有難うございました。なかなか⼀年通して思い描いたようなところには⾏けなかったのですが、その中でもいろいろな発⾒があり、チームと孝允さんと⼒を合わせて戦えたかな、と思っております」

「僕からは本当に感謝しかなくて、昨年はCドライバーでお世話になり、今年はまたレギュラーに上げていただき、戦う場をまた与えていただいたんですけど、僕⾃⾝もうまく運転できない場⾯があったりだとか、迷惑かけてしまったりした部分があったんですけど、僕⾃⾝もいろいろと収穫があった1年でしたし、本当にチームの皆さん、応援してくださる皆さん、スポンサーの皆さんに感謝申し上げます。有難うございました。引き続きチームの応援をよろしくお願いします。有難うございました」

◎つちやエンジニアリングのYouTubeチャンネル『つちやエンジニアリング_sub_ch』には数々のコメントをアップしています。

チャンネル登録のほど、よろしくお願いいたします。
https://www.youtube.com/@tsuchiya_25

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