2025 SUPER GT Round 8,“MOTEGI GT 300KM RACE”
予選19番手から猛追、しかし8周目に襲った悪夢

11月2日(決勝)

 スーパーGT第8戦『MOTEGI GT 300KM RACE GRAND FINAL』は、大観衆の見守る中、モビリティリゾートもてぎで開催されました。早朝からサーキット周辺の渋滞は激しく、FIA-F4がスタート進行となる午前8時10分を過ぎる頃には、南ゲートの一般駐車場は満車という状態で、ファンの期待の高さがうかがい知れました。

 昨日の予選で悔しい思いをしたVELOREXは徹底的にデータを見直し、午前11時10分から20分間で実施されたウォームアップ走行では1分48秒304で4番手タイムをマークし、チームは決勝に向けて確かな手ごたえを感じていました。

 午後12時55分、国歌斉唱に続き、午後1時に栃木県警の交通機動隊によるパレードラップを含め、2周のウォームアップを終えてスタートが切られました。今回のスタートドライバーは片山義章選手。その片山義章選手はスタート直後からアグレッシブに攻め続け、1周目に3台をパスして16番手でコントロールラインに戻ってきました。前を行くマシンとの差を着実に詰めながら、トップグループと同等のペースで周回を重ねる6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI。

 しかしその好走が災いを呼んだか、8周目の90度コーナー進入で前車をパスしようとレイトブレーキングを試みた片山義章選手は、止まり切れず前のマシンをパスしたまま、その前のマシンに接触、コースアウト。マシンの左フロント部分にダメージを負い、リタイアとなってしまったのだ。VELOREXの2025年SUPER GT シリーズは、この瞬間に幕を下ろした。

片山義章選手のコメント

「ウォームアップ走行で、マシンのバランスは昨日よりかなり良くなっていたので、遅くまで頑張ってくれたエンジニアやスタッフの皆さんに感謝して、決勝レースに向けて気合いを入れました。スタートも本当にうまくいき、3台をパスして戻ってくることができました」

「さらにポジションをアップしようと頑張ってプッシュし続けましたが、気持ちが入り過ぎたのか、90度コーナーで前を行くマシンをパスしようとレイトブレーキングをし過ぎて、自分からもう1台前のマシンに突っ込んでしまい、マシンにダメージを負ってしまいました。頑張って良いマシンを用意してくれたームの皆さんや応援してくださっているファンの皆さん、スポンサーの皆さん、そしてバトンを渡されるのを待っていてくれたロベルト・メリ・ムンタン選手に申し訳ない気持ちでいっぱいです」

「今シーズンは優勝を成し遂げることができましたが、そこに満足することなく、来年はシリーズチャンピオンを狙って頑張ります。1年間、応援ありがとうございました」

ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント

「今日は朝のウォームアップでマシンのバランスが良かったから、決勝には本当に期待していました。片山義章選手のクラッシュは残念ですが、終わったことは終わったこと。応援してくださったファンの皆さんには申し訳ない結果でしたが、来年も必ずエキサイティングなレースをしてタイトルを狙いますから、引き続き来年も応援よろしくお願いします」

小倉啓吾チーム監督のコメント

「今日は昨日に比べてマシンが良くなった感触はありましたが、無理なオーバーテイクをしてしまい、777号車に対しても申し訳ない気持ちでいっぱいです。リタイアしてしまったことで、応援してくださったファンの皆さん、スポンサーの皆さん、そして多くの関係者の皆さんに対してレースを見て頂けなかったのが残念です」

「本来であれば来年に繋がるようなレースがしたかったのですが、クラッシュでリタイアという、チーム全体にとって、最も避けるべき結果となってしまいました。明日からは気を取り直して、来年に向けて頑張っていきたいと思います。1年間、応援ありがとうございました」

古場博之エントラント代表のコメント

「セットアップの問題は解決できていたので、決勝に向けては期待していました。片山義章選手が素晴らしいスタートを見せてくれたので、それに満足することなく、さらにプッシュするように無線で指示したのですが、急き立て過ぎたのか、行き過ぎてしまいました。777号車には申し訳なかったですし、応援してくださった全ての皆さんに、今年のドタバタを象徴するような最終戦を見せてしまい、申し訳なく思っています」

「このオフの間に1年間のすべての出来事をしっかりと振り返り、もう一度チーム全体を見つめ直して、より強いチームへと成長すべく頑張るつもりです。皆さんに応援して頂けたことで、今年1年を終えることができ感謝しております。本当にありがとうございました」

Team Le Mans がFIA-F4ドライバーを募集!

VELOREXをバックアップするTeam Le Mans(チームルマン)では、将来のVELOREXスーパーGTドライバー育成の意味も含め、2026年シーズンに向けてFIA-F4選手権に参戦するドライバーを募集することとなった。

 長年に渡りスーパーGTやフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)等でチャンピオンを含め数々の実績を重ねてきた経験と技術を活かし、次世代を担う若手ドライバーの発掘と育成に、これまで以上に力を注ぐ。FIA-F4はスーパーGTやスーパーフォーミュラなど、上位カテゴリーへの登竜門であり、Team Le Mansは『将来、スーパーGTで戦いたい』という強い意志を持つドライバーを全力でサポートする。本気でトップを目指す挑戦者は、このチャンスに是非活かして欲しい。

 応募資格はJAF国内Aライセンスまたは限定Aライセンス取得者および取得見込み者で、2026年シーズン開幕時点で満16歳以上の方で、将来的にスーパーGTなど上位カテゴリーでプロを目指す責任感と熱意を持つ方に限る。書類選考、面談、サーキットでの実車テストを通じて、若干名を決定する。

応募希望者は、氏名、年齢、住所。連絡先、レース歴及び実績、志望動機を明記の上、スポンサーがすでにいる方はその企業名を明記して、Team Le Mans ドライバー選考担当(太田雅文、小倉啓悟、片山義章)宛てに、下記メールアドレスまでメールまたはホームページ内公式応募フォームよりご応募されたし。応募締め切りは2025年12月10日(水)必着。

●応募先:contact_tlm@teamlemans.co.jp

●ホームページ:https://www.teamlemans.co.jp

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