石浦/大湯組GRスープラがポール・トゥ・ウイン! 坪井/山下組が2位でGRスープラは2戦連続1-2フィニッシュ
スーパーGTの第2戦が富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした石浦宏明/大湯都史樹組KeePer CERUMO GR Supra 38号車が独走で優勝。チームに6年ぶりの勝利をもたらしました。2位には開幕戦を制し、最重量のサクセスウエイトを搭載しながらも速さを見せた、坪井翔/山下健太組au TOM’S GR Supra 1号車が入り、GRスープラは開幕から2戦連続で1-2フィニッシュを飾りました。
GT300クラスでは堤優威/平良響/ト部和久組HYPER WATER INGING GR86 GT 2号車が3位を獲得しました。
2025年シーズンスーパーGTの第2戦『FUJI GT 3 Hours RACE GW SPECIAL』が5月3日(土)、4日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
開幕戦の岡山大会では、1号車が優勝、大嶋和也/福住仁嶺組ENEOS X PRIME GR Supra 14号車が2位、関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が3位で続き、表彰台独占という最高の結果でシーズンをスタートしました。
今大会はTGRにとってホームコースである富士が舞台。さらなる好結果を目指し臨みました。ゴールデンウィークの開催となった今大会は好天に恵まれ、2日間で8万2500人と多くのモータースポーツファンが富士スピードウェイに集結しました。
予選
3日(土)、好天に恵まれ、気温20度、路面温度33度のコンディションのもと、午後2時30分よりノックアウト方式の予選が行われました。
GT500クラスは全車がQ1に出走し、上位10台がQ2に進出します。国本雄資のWedsSport ADVAN GR Supra 19号車が午前中のフリー走行に続きトップタイムをマーク。石浦の38号車が3番手、笹原右京のDeloitte TOM’S GR Supra 37号車が4番手。1号車は山下が40kgのサクセスウエイトを搭載しながら5番手タイム。フェネストラズの39号車が6番手でQ2進出を決めました。
Q2では阪口晴南の19号車と大湯の38号車によるポール争いとなり、0.083秒差で38号車が2020年第4戦もてぎ以来となるポールポジションを獲得しました。
GT300クラスは、Q1は2クラスに分けて実施、それぞれの上位9台がQ2へと進出。Q1のA組ではTGR勢はQ2進出を果たせず。B組では吉田広樹のGreen Brave GR Supra GT 52号車が3番手、平良の2号車が5番手、小山美姫のapr LC500h GT 31号車が7番手、イゴール・オオムラ・フラガのANEST IWATA RC F GT3 26号車が8番手、吉本大樹のSyntium LMcorsa LC500 GT 60号車が9番手でQ2へと進出を決めました。Q2では堤がアタックした2号車が3列目6番手グリッドを獲得しました。
決勝
4日(日)も好天に恵まれ、気温24度、路面温度38度まで上昇するなか、午後2時10分より3時間で争われる決勝レースがスタートしました。ポールポジションの大湯の38号車を先頭に、トップ5は順当なスタートを切る一方、その後方では、6位にジャンプアップした関口の39号車、笹原の37号車、坪井の1号車、福住の14号車による激しい順位争いが繰り広げられました。
首位を行く大湯の38号車が後続との差をどんどん広げていくなか、猛追で順位を上げてきた39号車と1号車が2位を走行する国本の19号車をかわし、39号車が2位、1号車が3位へとポジションアップ。また、37号車と14号車も順位を上げ、38周目にはトップ6が全車GRスープラとなりました。
38周目を終えたところから、19号車を先頭に各車1回目のピットを開始。44周目に14号車がピットへ向かい、全車がピットを終えたところで、大湯のまま走行を続ける38号車は2位に8秒差で首位を堅守。3位の1号車は交代した山下が、後続からの猛追を凌ぎ続けました。
レースが3分の2となる2時間が迫り、72周を終えたところで、2位に20秒以上の差をつけていた首位の38号車が2度目のピットイン。大湯から石浦へとドライバー交代。その後次々に各車ピットへ向かい、85周目に14号車がピットイン。
2度目のピットを全車が終えたこの時点で、38号車は30秒以上の大差をつけて首位をキープ。1号車が2位、37号車が5位、39号車が7位、大嶋から福住へと交代した14号車は11位でコースに復帰しました。アレジの37号車とフェネストラズの39号車がバトルを繰り広げる一方、後方ではピットを遅らせたことでライバルよりもタイヤを交換してから間もない14号車の福住が、タイヤのグリップの優位性も活かして追い上げを開始。
首位の38号車石浦は、終盤はペースをコントロールして走行しながら、2位に10秒以上の差をつけてトップチェッカー。チームと石浦にとっては2019年の第2戦富士以来6年ぶり、大湯にとっては自身2度目、TGRに移籍してからは初となる優勝を飾りました。
2位には40kgのサクセスウエイトを積みながら安定した走りを見せた1号車が入り、TGRは開幕戦に続き、2戦連続で1-2フィニッシュを達成しました。39号車が5位、福住の猛追で終盤に11位から5ポジションアップを果たした14号車が6位、37号車が7位でフィニッシュし、TGR勢は5台がポイントを獲得しました。
GT300クラスでは、6番手からスタートした2号車が、2度のピットを大きく遅らせる戦略をとってポジションアップ。4位でチェッカーを受け、その後1台がペナルティを受けたことで順位が繰上り、3位を獲得しました。GT300クラスは今季より15位までが入賞となり、26号車が11位、96号車が13位、60号車が15位でポイントを獲得しました。
KeePer CERUMO GR Supra 38号車ドライバー 石浦宏明
「全部チームと、ぶっちぎってくれた大湯のおかげです。こんなに嬉しいことはないです。前戦のクラッシュから、チームが本当に頑張ってくれましたし、大湯の走りも、今日は絶対に勝つぞというのが伝わってきました。彼がギャップを作ってくれたおかげで、自分もそうですし、おそらくタイヤ交換するメンバーとかも落ち着いてやることができたのかなと思います。大湯の走り、これがもう全てだったと思います」
「次戦は久しぶりの海外戦で、気分良くセパンに行けることになりましたので、この流れでしっかり、またこういうところ(優勝者インタビュー)に来られるように戦いたいです。ウエイトは積むことになりますが、周りのスープラ陣営を見ても、みんな強いレースができているので、自分たちもそれに負けないように、もっとランキングが上に行けるように、また頑張りたいと思うので、応援よろしくお願いします」
KeePer CERUMO GR Supra 38号車ドライバー 大湯都史樹
「今日の結果は、ここまでチームが本当に頑張って作り上げてきてくれたおかげです。前戦のクラッシュからチームが立て直してくれました。応援団の皆さんの旗とか、ボールだからこそ、トップを走っているからこそ、色々応援してくれていることがすごく伝わってきたレースでした。本当に取りたかった優勝をここで取れて良かったです」
「去年は表彰台には多くあがってランキングもそこそこ上位にはいましたが、取れなかったレースが結構多く、優勝にはまだまだ足りないなというシーズンだったので、優勝したいという思いはずっとありました。石浦さんもそうですが、みんながプレッシャーの中で戦いながらも、ミスなく、しっかりパーフェクトにやりきれたので、面白くないレースだったかもしれないですが、本当にチームが強くなったなと感じられるレースができ、本当に今日は最高でした」
「次のセパンでも、また優勝したいです。セパンは、みんな今は戦力図みたいなのが、僕も含めてわからないところがあると思います。そこで流れをつかめれば2連勝できるチャンスはあると思うので、ここで波に乗って、次戦も優勝、あるいはポイントをしっかり取れるようないいレースをしたいなと思います」
au TOM’S GR Supra 1号車ドライバー 坪井翔:
「サクセスウエイトが重いので、地道にコツコツとやって、目立たず気づいたら前にいるみたいな作戦しかないと思っていました。ただ、本当に予選で7番手に入れたのが大きかったです。Q1も通れないと思っていたので、Q1を通ったのは今回の2位に大きく繋がっていると思います。7番手スタートで、最初アクシデントとか、ぶつかるクルマが多くてちょっと怖かったんですが、一度は後ろに下がったものの、しっかり追い上げることができました」
「純粋な競争をしようとすると、やはり重いので無理なんですが、荒れてきたところを狙って行くという意味で、うまくできたと思いますし、表彰台を目指してはいまいたが、2位になれるとは無理だと思っていたので、非常にいい結果だったと思います」
「次戦、マレーシアではレースは初めてなんですが、次戦我々はサクセスウエイトで燃料リストリクターが2段階制限となってしまうらしいので、勝負権はないかも知れませんが、1点でも取れれば御の字かなと思ってます」
au TOM’S GR Supra 1号車ドライバー 山下健太
「7番手スタートで、坪井選手の1回目と最後のスティントが本当にすごく速くて、最後も(トップに)10秒差ぐらいまで迫ったんですけど、セカンドを担当した自分があんまり速くなくて、後ろから迫られる展開になってしまったので、それがなければ、もしかしたら勝てたかもしれないなというのはあります。2位は本当に嬉しいはずなんですけども、勝てそうな雰囲気がなくもなかったので、個人的には悔しい方が勝っちゃうかなという2位でした」
「次戦はほぼ全員にとって初めてのセパンだと思います。そういうレースでは多分荒れたり、いろんなことが起きると思うので、しぶとく戦ってなんとかポイントが取れたらいいなと思います」




