日時
予選:2025年5月3日
決勝:2025年5月4日
天候
予選:晴れ/ドライ
決勝:晴れ/ドライ
結果
予選:13番手
決勝:3位
5月3、4日、静岡・富士スピードウェイにおいて、スーパーGT第2戦『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』が行われた。3時間の長丁場となる今大会で、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)は予選13位からスタートを切ると、攻めの走りと好機を確実に掴み取るクレバーなレース運びを披露。終盤には激しい攻防戦をモノにして3位でチェッカー。シーズン初となる表彰台に上がっ
◎予選日
第2戦富士は、恒例のゴールデンウイーク開催の一戦。搬入日こそ時折激しい雨に見舞われるなど不安定な天気だったが、予選日は一転して快晴に恵まれた。また、しっかりと雪化粧の残る霊峰・富士山も美しい姿を披露。ファンにとっては申し分のない観戦日和の一日となった。
9時から始まった公式練習。気温19度、路面温度28度のなか、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTには山本尚貴選手が乗り込み、持ち込みセットの確認作業に着手する。今大会は、シーズン初の3時間レースということもあり、決勝では時間の経過によって変化するであろうコンディションを意識しつつ、クルマのセットアップを確かめたい。もちろん、その前に午後からの予選に向けての作業も必要。チームは事前に準備したメニューをこなしていく。
GT300クラスとの混走枠でのチームベストタイムは1分27秒575。山本選手からバトンを引き継いだ牧野任祐選手がマークしたものだ。牧野選手は、混走後のFCYテスト、さらにGT500クラスの専有走行でも続けてステアリングを握り、午後からの予選に向けてのシミュレーションにも着手。セッション終了間際、セクター1、2ではチームベストタイムを更新したが、最終的にはセッション序盤にマークしたものがベストタイムとなり、4番手で公式練習を終えた。
澄み渡る青空からやわらかい日差しが降り注ぐなか、15時3分にGT500クラスのQ1がスタート。気温20度、路面温度33度と朝の公式練習よりも高い数値を示していたが、山本選手がアタックへと向かう。計測4周目のアタックタイムは1分27秒368。さらにもう1周アタックに向かった山本選手だったが、最後はストレートを通過せずピットへ。結果、13番手のタイムとなり、残念ながらQ2には進めず。これにより、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTとしての予選が終了した。
「公式練習で調子良く牧野選手が走っていただけに、Q2へとバトンを渡したかった」と悔しさをにじませた山本選手。一方、「レースが長いので、追い上げるチャンスもある」とすでに気持ちを切り替えた牧野選手とともに決勝での健闘を誓ったのは言うまでもない。
◎決勝日
前日に引き続き、決勝日も爽やかな晴れの天気になった富士スピードウェイ。多くのレースファンがサーキットへと足を運び、ピットウォークやトークショーでも大いに賑わいを見せていた。
お昼を過ぎた12時40分には、ウォームアップ走行がスタート。レーススタート時のタイヤは前日の予選で装着したものだが、第2、第3スティントで投入するニュータイヤについては、天候や路面状況をしっかりと踏まえて選択する必要がある。チームとしては、総合力を存分に発揮し、追い上げを目指したいところだ。
3時間という長い戦いのスタートを務めるのは、山本選手。14時10分、気温24度、路面温度はレースウイークで一番高い40度というコンディションで戦いの幕が上がり、13番手からの追い上げを開始する。
山本選手は早速前方の車両を猛追、逆転のチャンスを伺いながら13周目にひとつポジションアップ。次なるターゲットに照準を合わせて周回を重ねるも、その後は膠着状態のまま1時間が経過する。そこでチームでは、38周終わりでピットインを実施。山本選手から牧野選手へとスイッチした。
ライバル勢よりやや早めのピットインが奏功。ステアリングを受け取った牧野選手は、GT500クラス全車が1回目のピット作業を終えた時点で11番手となり、安定したペースで周回を続けるなかで逆転の好機を伺い続けた。
そして、レースが動きを見せ始めたは第3スティントから。各車、ピットインのタイミングや装着するタイヤのコンディション、さらにはドライバー交代の有無によってピットでの作業時間に差が生まれ、その流れでポジションの変動が見られることになった。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは74周終わりにピットへと帰還。牧野選手がダブルスティントを担当する。コース復帰後は、力強い走りでひとつ、またひとつとポジションアップ。86周終了で全車の作業が終わると、No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTはジャンプアップを果たして5番手まで浮上してみせた。さらにラストスパート見せる牧野選手は、8号車CIVICを逆転して4番手、さらに12号車Zを猛追した。
12号車との長い攻防戦に決着がついたのは、106周目。一触即発のような厳しいバトルとなるも、ダンロップコーナーで鮮やかな逆転を披露。ついに表彰台の一角へとたどり着く。その後も攻めの姿勢を続けて3時間、116周を走破。No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTは3位でチェッカーを受け、シーズン初の表彰台に上がった。
山本、牧野両選手による力走とチームの高い総合力が見事に起動し、掴み取った表彰台。13位からの追い上げは、チーム大きな達成感をもたらすこととなった。続く第3戦は、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットへと戦いの舞台を移す。スーパーGTにとっての海外戦は、2019年タイ戦以来。また、セパンが舞台となるのは、2013年以来だ。牧野選手にとっては初レースとなるが、チームの抱負なデータをもとに、さらに強い戦いを目指していきたい。
●小島一浩監督
「おかげさまで3位の結果を残すことができました。予選の順位のことがあったので、レースではどうやれば3時間後にいい順位にいられるのかを考えて戦いました。今のSUPERGTでは、走り始めてみないとわからないことがたくさんあるのですが、ライバルの車両に対して、自分たちのパフォーマンスがどこまであるのか、それを見極めながら戦っていきました。牧野選手のダブルスティントも戦略としてうまく行ったと思います」
●山本尚貴選手
「終始、牧野選手のスピードに助けられたレースだったと思います。逆に自分が予選で足を引っ張ることになったので、“タラレバ”ですが、Q2に進出して予選で前方のグリッドを獲得していれば、決勝の結果も変わったと思います。もちろん、レース内容を見れば、13番手のポジションから追い上げて、チームとしてもスピードを見せられたレースだったと思うので、良かった部分もあります。チームとしては喜ばしいことではありますが、僕個人としては、反省しかないレースだったと思いますね、やはり結果がすべての世界なので、今回はドライバーとしての責任が果たせなかったなと。悔やまれるレースでした」
「一方で、ホンダ勢として結果を出せたことに関しては良かったと思います。次のセパンもテストでは調子が良かったので、連続表彰台を目指したいし、そのチャンスもあると思います。次こそドライバーとして100%の仕事ができるよう、がんばりたいと思います」
●牧野任祐選手
「セカンド、サードスティントを担当することになりました。そのなかで、スティントの前半のクルマのフィーリング、またタイヤ選択も良かったと思います。クルマのパフォーマンスがすごい高かったですね。ピット作業もミスなくできたし、追い上げることができました」
「一方、レース結果を見たら、岡山で優勝した1号車が今回も2位に入っている。タイトル争いを考えると、やっぱり上には上がいるんだなと。これでは、まだダメだなと思う部分も正直ありますね。とはいえ、僕らも岡山で4位、そして、今回は3位とコンスタントに結果を残せてはいるので、これからもチャンピオンシップのことを意識して、強い戦いを続けていきたいと思います」