DENSO SARD SC430
雨の鈴鹿で健闘を見せ5位フィニッシュ
株式会社デンソー様がタイトルスポンサーGT100戦を迎える
2011 SUPER GT 第5戦「40th INTERNATIONAL Pokka GT SUMMER SPECIAL」(8/20-21)
鈴鹿サーキット(1周5.807km)
入場者数:予選20,500名、決勝27,000名 合計47,500名
8月21日(日)、SUPER GT第5戦「40th INTERNATIONAL Pokka GT SUMMER SPECIAL」の決勝が行われ、7番グリッドからスタートしたDENSO SARD SC430は、雨の強さを見せつける快走を見せた石浦が第1スティントで5位に浮上。続いて34周目から第2スティントを担当した井口がトップペースで周回を重ねる健闘を見せて4位に浮上、セーフティカーが導入される波乱の後に暫定3位でトップ争いを演じた。65周目からは石浦が、ラインが乾き始めた路面をドライタイヤでセカンドベストタイムをマークしながら順位を上げていったが、再び雨が降り出しペースダウン。結果、最大延長時刻18時30分を過ぎた86周でチェッカーとなり5位でのフィニッシュとなった。
ドライバーポイントでは6点を獲得しランキング8位(合計26点)、チームポイントでは9点を獲得し8位(計40点)に浮上した。次の第6戦は9月10日(土)・11日(日)に富士スピードウェイで250kmレースとして開催される。
□公式練習走行
真夏の3連戦最終章となる第5戦は鈴鹿サーキットが舞台。決勝は今季シリーズ戦最長となる500kmでドライバー交代を伴う最低2回のピットインが義務づけ。予選方式はノックアウト方式で2人のドライバーともアタックする。速さに加え戦略が重要なポイントとなり、チームの総合力が試される真夏の天王山。天候の急変等によってもレースが左右され易く様々なドラマを生み出す真夏の鈴鹿。
DENSO SARD SC430は、前戦の第4戦SUGOで待望の今季初表彰台となる2位を獲得。先日の鈴鹿での合同テストでも3番手タイムをマークするなど今季は存在感を増している。今回は40kgのウェイトハンディ搭載となっているが連続表彰台も視野に入るほど好調さを維持している。チームは、第40回を数えるこの伝統あるレースで過去に優勝経験もあり、タイトルスポンサーGT100戦を迎える株式会社デンソーさまへ感謝の意を込めて勝利で華を添えたいところ。今季シリーズ上位を目指す上で大事な一戦に勇往邁進、目標に向かってひたすら前に進んでいる。
20日(土)午前中の公式練習走行は、気温26度/路面温度32度の曇り空。9時55分から1時間45分のセッションが始まった。まずは石浦が5周目に1分55秒631の2番手タイムをマーク。その後バランスなどドライブフィールを向上させる調整を入念に行った。石浦は続けて別のタイヤを確認し、次に井口が19周目からステアリングを握った。井口は石浦のアタックしたユーズドタイヤを確認して午前中の公式練習走行を終えた。練習走行ではトータル29周を走行し、石浦のマークした1分55秒631で3番手となった。
□公式予選
■ノックアウト・Q1:石浦がアタックを楽しんでの2位通過
20日(土)12時55分からの公式予選Q1は気温28度/路面温度37度の曇り空の中、まず混走30分間のセッションが行われ、石浦が4周目に1分55秒566の2番手タイム。続いて井口が難なく予選基準タイムクリアを行った。GT500クラス単独となる10分間のセッションでは、残り7分ほどで石浦がコースイン。石浦が「走っていて楽しかった」というほど好調な仕上がりとなったDENSO SARD SC430。僅差の戦いとなったQ1では、1分54秒062の2位で最初の関門を突破した。
■ノックアウト・Q2:石浦がまさに水を得た魚のようなアタックでトップ通過
Q1ベスト11台がQ3進出7台を争う10分間のQ2は雨となった。前戦で雨での強さも見せているDENSO SARD SC430は、気温26度/路面温度30度の中、開始からコースインした石浦が、まさに水を得た魚のようなスムーズで丁寧な走りを見せた。毎ラップ、赤マークをつけながらセクタータイム更新していく石浦。Q1同様に僅差の争いとなった雨の激闘で、4周目に2分07秒586のトップタイムをマークして堂々のトップ通過となった。
■ノックアウト・Q3:井口が思うようにリズムをつかめず7位に沈む
Q2ベスト7台によるグリッド争いとなる10分間のQ3。開始時点から雨脚が強くなり、至る所に川や深い水たまりができた。気温24度/路面温度29度の中、気合いを入れた井口が真っ先にコースイン。川で足下をすくわれそうになりながらも懸命なドライブを見せた。だが思うようにリズムがつかめず、4周目に2番手タイムをマークするも他車にかわされてしまう。雨脚が弱まり、コースの水も少なくなってきた終了時間一杯までアタックを続け、コンマ2秒ほど削った井口であったが、最終的に2分09秒787のタイムで7位に沈む結果となった。
□決勝
■フリー走行
21日(日)10時からの決勝前フリー走行開始時は気温25度/路面温度27度で雨のウェットコンディション。まず石浦がクルマの確認を行った後に7周目からなるべく井口のドライブ時間を増やそうと交代。コースイン直後はペースが上がらなかったが、次第にペースをつかみ毎周タイムを上げた井口。フリー走行はトータル19周を走行し、石浦のマークした2分10秒293のタイムで7番手となった。サーキットサファリではバスがいなくなりフリー走行となった時間帯で2分07秒913の2番手タイムをマークし、好調な仕上がりぶりをアピールした。
■決勝スタート
21日(日)15時10分スタート時も雨は降り続けており、気温27度/路面温度28度。雨での強さを生かし切れれば連続表彰台も可能と意気込んで、気合い十分の石浦がDENSO SARD SC430に乗り込んだ。雨は止んではいたもののコース上の水は多く、混乱の戦況が予想される中で通常通りのローリングスタートが切られた。
第1スティント:雨での速さをを活かして順位を上げていった石浦
スタート直後からペースの良い石浦は、7周目に100号車、8周目に17号車を抜きペース遅い車両の集団の中を抜けだし5位に浮上。9周目に一旦かわされた32号車のコースオフにより、順位を挽回。雨中の激しいせめぎ合いが続く中で、上位を狙って猛チャージをかける石浦はトップペースで追い上げた。開発が進んだミシュランタイヤは今季開幕から旋風を巻き起こし、これまでの戦いでドライでもウェットでも速さを見せつけている。ミシュランタイヤで、GT300チャンピオンとなった石浦は、タイヤの特長をよくつかんでおりクルマ側も開発が進んで一段と速くなった。またチームはトップクラスのピットワークタイムを誇っており、2回のピットストップがある今回は有利に働く。利点を活かして攻め続ければ表彰台も見えてくると石浦は奮闘した。そして、上位の車両が先にピットインし暫定1位で井口に交代すべく33周を終えピットインした。
第2スティント:健闘光るトップペースの走りを見せた井口
38秒ほどの素早いピットワークで井口を送り出す。予選Q3で悔しい思いをした井口は、並々ならぬ闘志を持ってコースインし、アウトラップから攻めた。トップペースで追い上げる井口は前走車との差を詰め、100号車コースオフによるSC導入となった42周目には4位に浮上した。SC導入で前とのギャップがなくなりチャンスとなった井口はSC解除とともにトップ争いの集団に加わった。その後23号車のピットインにより、1号車36号車に続く暫定3位でトップ集団を形成。素晴らしいペースの井口からは走行ラインはドライでもOKとの路面情報がもたらされ、命運を分ける第3スティントの石浦へバトンタッチするために、64周目に暫定1位でピットへ滑り込んだ。
第3スティント:ドライタイヤで追撃も無念のペースダウンとなった石浦
ドライタイヤに懸けた石浦は69周目にその時点のセカンドベストとなるタイムで追撃開始。残り周回数から表彰台も可能なほど圧倒的なペースで前とのギャップを削っていった。日没が近づき、辺りが暗くなり始め、またライン以外はまだウェットという路面状況の中、タイトロープを渡るかのような繊細かつ微妙なコントロールでハイペースで攻め続けた。インターミディエイトタイヤでペースの上がらない上位陣を尻目に獅子奮迅の勢いで追い上げる石浦は83周目には4位に浮上。だが4位浮上直後の残り3周目から雨が再び降り始め路面を濡らしていく。コース上に留まるのが困難な状況に陥ってしまい、無念のペースダウン。結果、最大延長時刻18時30分を過ぎた86周のチェッカー目前で23号車にかわされ、5位でのフィニッシュとなった。
雨に翻弄される決勝となった第5戦鈴鹿ではあったが、攻める姿勢を続けシリーズ争いに残れる結果を残したDENSO SARD SC430。ドライバーポイントでは6点を獲得しランキング8位(合計26点)、チームポイントでは9点を獲得し8位(計40点)に浮上した。次の第6戦は9月10日(土)・11日(日)に富士スピードウェイで250kmレースとして開催される。
石浦宏明
「雨で路面コンディションが変わっていった中ではベストなレースができたと思います。最後にドライタイヤで追い上げてあと少しのところで雨が降らなければという思いもありますが、色々な場面での選択肢は間違っていなかったと思います。数字上ではまだシリーズを狙える位置にいるので、次の第6戦富士では 引き続き表彰台を狙っていきます。引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします」
井口卓人
「予選で悔しい思いをしているだけに決勝は良い走りを見せたいと思ってましたから、自分のスティントをしっかり走りきりベストを尽くせることができたのは良かったです。ウェットからドライに変わる微妙なコンディションでしたが、また1つ実戦で良い経験をすることができました。もうすぐに次に向けてのテストもありますし、第6戦富士は重要な一戦となると思うので、引き続きご声援よろしくお願いします」
大澤尚輔監督
「タイヤ選択の上で非常に難しいコンディションが続いたレースでした。5位フィニッシュで次につなげられる結果になったと思います。2人のドライバーともに難しいコンディションの中でベスト尽くしてくれました。シリーズを戦っていく上できっちりとしたレースを続けていければ、まだまだランキングを上げていけると思います。クルマもチームも確実に進化していっているので、次の富士でも確実にポイントを稼いでいければと思います」