第8戦 ツインリンクもてぎ 予選レポート (GT300)
厳しい予選でも明日は有終の美を

　今週の木曜にCR-Z GTが今季限りで引退する事が発表された。このレースがARTA CR-Z GTの最後のレースとなるので、何とか有終の美を飾って終わりたい。
　ここ、ツインリンクもてぎは世界中のサーキットで最もブレーキに厳しいサーキットと言われている。チームは、ブレーキに負担をかけないようなセッティングを車に施し、万全の体制で最後のレースに挑んだ。
　走り出しはウェットだったので、そのセットがなかなか合わず、思うようにタイムアップが出来なかった。しかしながら、高木真一はQ1を見事2番手で終えた。
　続く小林崇志はQ2のセッション開始とともにコースインしたが、いきなり1コーナーでコースアウトしてしまう。予想以上に路面温度が低く、グリップを失ってしまった。何とかコースに復帰したが、リアタイヤのグリップが無かったので、急遽ピットインしてリアタイヤのみ交換して再度コースイン。慎重にタイヤを暖めながら1周を終えようとした最終コーナー手前で小林は再びスピンを喫してしまう。
　いつもは早いタイミングでタイムを出してアタックを終える小林だが、自分が予想していた以上に雨が強くて気温も低かったので、このコンディションに翻弄されてしまったようだ。
　気を取り直して再アタックをしたが、タイヤが暖まりきっていない割にはセクタータイムは良い。5-6番手くらいのタイムは出せるだろうと見込んでいたが、先ほどと同じ最終コーナーの手前でスピンをしてコースアウトしてしまった。タイムアップはならず、明日は13番手スタートとなるが、諦めずに上位を目指して引退レースに華を添えたい。

土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「非常に難しいコンディションだった。仕方ない部分もあるけど、最後の1周はコントロールラインを通って、どのくらいタイムが出たか見たかった。後方からのスタートになるけど、明日はこの車の最後のレースだから、最後まで諦めず、しぶといレースをするから見ていて欲しい」

一瀬俊浩エンジニアのコメント
「ここはブレーキに厳しいので、負担をかけないようなセットで車を持ち込みましたが、雨が降って気温も低かったので、全体的にスピードのレンジが下がってしまいました。ブレーキに負担をかけないようにしましたが、それがこのコンディションに合わず、走り出しは苦戦しました。何とか予選までに帳尻を合わせてQ1では良いタイムが出ましたが、Q2では雨量と戦略が噛み合わなくて失敗してしまいました。明日は天候が読めないので、今日のデータをしっかり分析して明日に対応したいと思います」

高木真一選手のコメント
「雨量が少ない時は硬めのタイヤでも良かったんですけど、Q2の雨量では車的にちょっと厳しいコンディションになっちゃったんだと思います。何度もここでテストをしているので、よく分かるんですけど、小林の状況でアタックするのは本当に難しいんです。特に水溜りをクリアしていくところは本当に難しいです。小林は勇気を持って攻めたのは良かったと思いますが、天候が味方してくれませんでした。でも明日はこの車の最後のレースになるので、ひとつでもポジションを上でチェッカーを受けたいです」

小林崇志選手のコメント
「Q1で高木さんが2番手のタイムを出したので、ポールも狙えるくらい車が仕上がっている事が確認出来ました。Q2は高木さんが履いたタイヤと同じタイヤでアタックしようと思ったのですが、コースインしたらいきなり雨が強くなってきました。このコンディションではタイヤが合わないので、リアタイヤのみ柔らかいタイヤに履き替えました。タイヤを暖めてハイブリッドのパワーを最後の周で出そうと思っていたのですが、その前からスリッパリーで、アタックの1周前からスピンしてしまいました。何とか立てなおして再アタックを行いましたが、ハイドロが凄くて帰ってくるのが精一杯というコンディションだったので、慎重にアタックしたのですが、それでもスピンしてしまいました。非常に悔しいアタックになってしまいましたが、明日は天候も変わりそうなので、作戦も立てて、良いポジションでレースを終えられるように頑張ります」