女性ドライバーとして初めてF1に出走したマリア・テレーザ・デ・フィリッピスが亡くなった。89歳だった。

 イタリア人ドライバーのデ・フィリッピスは1958年に3戦にエントリーすると、デビューレースのスパ・フランコルシャンでキャリア唯一の10位完走を果たしている。

 彼女はスパの前にモナコGPにエントリーしているがその時は予選を通過できず、1年後に再びポルシェで臨んだ同GPでも決勝のグリッドに立つことは叶わず。その後、チームオーナーのジャン・ベーラが他界したこともあり、59年を最後にF1から離れた。

「あまりに多くの友人を失ってしまった」と、デ・フィリッピスが2006年のインタビューでそう語っている。

 彼女は、男性がまず始めに女性の能力を疑っていると述べたが、本当の偏見を受けたのはフランスにいた時だけだったと明かしている。

「レースディレクターは『女性が被る唯一のヘルメットは美容院のものだけだ』と言った。私がレースを妨げられたのはこの時が唯一でした」
「でもそれ以外は、成功に対する驚きだけで、少しも偏見を受けたとは思っていません」

 その後、家庭を持ったデ・フィリッピスは、1979年に引退したドライバーのための団体に加入。97年に副会長に就任すると、21世紀に入って名誉会長に就任した。

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