PRESS RELEASE
2010年11月21日
フォーミュラBMWパシフィックシリーズ第15戦決勝
桜井孝太郎選手、初のマカオGPで2位を走るも、ギヤボックストラブルで後退。
5位入賞&ルーキーカップ優勝を飾る。
11月18日~21日、マカオ・ギヤサーキットにて、WTCC(世界ツーリングカー選手権)及び国際F3マカオ・グランプリレースのサポートイベントとして開催された『フォーミュラBMWパシフィックシリーズ2010 第15戦決勝』に、日本人最年少BMWスカラシップドライバー、16歳の桜井孝太郎(さくらいこうたろう)選手が参戦。予選ではギヤボックス・トラブルでクラッシュするものの、日本人最上位の5位。決勝ではスタート直後のアクシデントを避け、2番手にジャンプアップ。表彰台に期待がかかりましたが、セーフティーカー走行中に再び発生したギヤボックス・トラブルでペースが上がらず、5位でチェッカーを受ける結果となりました。
ドライバーにとって最も過酷なサーキットと言われるマカオGPに向けて、桜井孝太郎選手は岡山戦のあと、シミュレーターでトレーニングを重ねてきました。木曜日のフリー走行ではタイムを気にすることなくコース攻略法とマシンのチェックに専念。19番手と不調に見えましたが、本人は自信を持って土曜日の予選に挑みました。
木曜日のフリー走行で高速コーナーでのオーバーステアを確認したチームは、リヤのダンパーをややソフトにアジャストすることで対処。コースインした桜井選手はフリー走行のタイムを一気に約11秒縮め、5周目のアタック中に突然クラッシュ。桜井選手はエンジンが焼きついたような症状だと訴えてきましたが、実際にチェックしたところ、ギヤボックス・トラブルで2速がスタックした状態となり、リヤタイヤがロックしてしまったためのアクシデントでした。その時点で3番手。まさにこれからという時の出来事でした。
本気でアタックすることなく予選を終えた桜井選手でしたが、その直後、チームメイトのネビル・ジェフリー選手の大クラッシュで赤旗中断。ネビル選手のマシンはギヤボックスから後部がまっぷたつに千切れるほどのダメージでしたが、幸いドライバーに怪我はありませんでした。予選再開後に、カルロス・サインツJR選手とリチャード・ブラードレイ選手が左側に新品タイヤを装着してタイムアップ。桜井選手は予選5番手から決勝に臨むこととなりました。
土曜日、多くのカテゴリーで赤旗中断が続き、タイムスケジュールが大幅に遅れたために消化できなかったカテゴリーがあり、日曜日の決勝レースは午前7時15分スタートという早朝に変更。ネビル選手のマシンと桜井選手のマシンの修理でメカニックたちは徹夜の作業を強いられましたが、なんとか午前5時に作業は終了。無事、決勝レースを迎えました。
決勝のスタート直後、ネビル選手をパスして4番手につけた桜井選手は、前をいくオスカー・タンジオ選手とリチャード・ブラードレイ選手がリスボア・コーナーで激しくクラッシュする間を縫って2番手に浮上。前をいくカルロス・サインツJr選手を追いました。他のコーナーでもアクシデントが発生したために、セーフティーカーが出され、桜井選手は2番手をキープした状態で周回を重ねます。しかし、無情にも桜井選手を再びトラブルが襲いました。無線で「ギヤボックスがおかしい。ギヤが入らない」と叫んできたのですが、ピットに入れて修復するわけにもいかず、なんとかドライバーに委ねるしかありません。昨日のアクシデントで医務室で手当てを受けるほど左右の手を打撲した桜井選手でしたが、それでも痛みをこらえて、手のひらが破れるほどの力を入れてのシフトチェンジを強いられました。
レースは再開され、25分ルール(レース最長時間でチェッカー)が適用されることとなり、あと3分のところまで表彰台圏内で頑張った桜井選手は、残念ながらポジションを守りきれずに5位でチェッカー。ルーキー・カップ(今年デビューした新人を対象)では優勝を飾ったものの、本人としては納得できない結末となりました。
ゴール後、ガレージに戻ってもしばらくヘルメットを脱がず、悔しさを噛みしめる桜井選手。シーズンを通じて、何度も優勝のチャンスがあったにもかかわらず、最終戦まで勝利を手にすることができませんでした。初のマカオGPでの5位入賞は、チームから高い評価を受ける内容でしたが、同じルーキーのカルロス・サインツJr選手に敗北したのは事実です。この悔しさをバネに、来シーズンのさらなる飛躍を目指します。
●桜井孝太郎選手のコメント
「フリー走行ではひどいオーバーステアでしたが、予選では完璧なセットアップができたと思います。自分がドライバーとしてできることはすべてやったつもりですが、残念ながらアタックする前にマシントラブルでいきなりクラッシュ。きっと予選17~18番手かなと思っていたのですが、結果的にはなんとか5番手にとどまることができました。あの走りでこのタイムならば、決勝は絶対にいけると自信を持って日曜日に臨みました。
決勝は、スタートを決めて4番手に上がれました。テールツーノーズでリスボア・コーナーへ向かっていったのですが、チームメイト、リチャード選手のマシンがブレーキングと同時に跳ね始めたので、我々のマシンは車高が低すぎたことに気がつきました。予想以上にラバーグリップが乗っていたので、決勝に向けて1ミリだけ車高をあげたのですが、足らなかったようです。リチャード選手は絶対にオスカー選手に接触すると思い、イン側のラインを取りました。前をふさぐように2台がクラッシュしたので、真ん中を突破して2番手をゲット。カルロス選手を追い続けていたのですが、突然セーフティーカーがコースインしてきました。このタイミングで、シフトが入りづらくなり、一瞬スタックしたりしたので無線で伝えたのですが、どうすることもできませんでした。すべてのギヤが入らない状態で、なんとか押し込むように力ずくで入れていたのですが、土曜日のクラッシュで両手を痛めていたために、本当に厳しかったです。
ユーロ・インターナショナル・チームのマシンは完璧で、僕の前を走るカルロス選手、後方の野尻選手、ブロンクビスト選手、そしてダスティン選手の4台に囲まれる形で走っていましたが、ボトミングとギアボックストラブルで100%の力で攻めきれず後続の先行を許すことになってしまいました。自分なりにはプッシュ・プッシュで走ってましたが山側ではシフトが入りづらく、長いストレート・エンドのブレーキング・エリアでは、マシンの車高が低すぎて底突きしてしまい、攻めきれなかったのが悔しいです。
公道レースとしてはシンガポールに続くマカオGPで、自分の速さを確認できたことは良かったですが、まだまだ経験不足だという点も自覚できました。ギヤボックスのトラブルが出たのは残念ですが、徹夜で修理してくれたメカニックを責めるわけにはいきません。それでも、結果的に残念なレースをしてしまったのが悔しいです。
これで僕のフォーミュラカーでの最初のシーズンが終わりました。長いようで短い1年間でした。応援してくれた皆さんに、優勝がプレゼントできなかったのは悔しいですが、自分自身、大きな成長を果たせた1年目だったと思います。来シーズンに関してはまだ決まっていませんが、シーズンオフの間にテストでできる限りの走行距離を走り、経験を積んで来年のシリーズに挑みたいと思います。
今シーズンを応援してくれたスポンサーやファンの皆さん、そして家族に心から感謝しています。これからも目標は変わりません。最年少F1ドライバーを目指して突き進みますので、応援よろしくお願いします」
