マーク・ウエーバーは、FIAとFOTAの論争によって、シルバーストンで行われるひとまず最後のグランプリとなる今週末のイギリスGPに人々の気持ちが集中しないことを嘆き、その一方で、FOTAへの支持を改めて表明している。

 レッドブル・レーシングのウエーバーは、今週末のイギリスGPの舞台、シルバーストンを愛しており、彼がF1で走っている間に再びグランプリがこの地に戻ってこないだろうことを残念に思っている。さらに、シルバーストンでの最後のグランプリよりもバジェットキャップをめぐるFIAとFOTAとの論争に注目が集まるだろうことを、ウエーバーは悲しんでいる。
「2年連続、シルバーストンの素晴らしいサーキット、素晴らしいレースに気持ちが集中できないだろうことが、本当に残念だ」とウエーバーはBBCでの自らの連載コラムで記している。昨年は、イギリスGPの直前に、ドニントンパークへとグランプリが移ることが発表された。
「今F1において生じている政治的な論争が、金曜日に最終的なデッドラインを迎える。したがって、新聞は各紙こぞってこの馬鹿げた話題ばかりを取り上げるだろう。ジェンソン(・バトン)をはじめドライバーたちが皆イギリスGPを戦っている時だというのに」

 ウエーバーは、グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の主要メンバーであり、バジェットキャップ論争においてFOTAを支持する立場をとっている。
「来年の規則変更と4,000万ポンドのバジェットキャップの導入という計画において、チーム側とFIAの交渉が、こんな風に行き詰ってしまったのは残念だ。皆がこのスポーツを助け、守ろうという取り組みに関与してきたが、非常に極端なアイデアによって、何年にもわたるこの努力の価値がおとしめられてしまう」
「こんな風に物事が進んではならない。しかし予想は十分にできたことだった。過去数年に小さな論争が何度も繰り返されてきたが、ついにこれほどのレベルにまできてしまった。現在はひとりのサッカー選手に8,000万ポンドもの金が支払われているというのに、世界を転戦するF1チームを4,000万ポンドで運営しろという。そんなことが突然できるわけがない」
「信じられないほど破壊的なことであり、簡単に実現できることではない。特にフェラーリとトヨタは、将来に向けてコスト問題を解決するための取り組みを考慮しており、僕の聞いたところでは、それは素晴らしいものだということだ。他のチームは、ビッグチームが非常に道理にかなった、素晴らしい立場をとっているからこそ、FOTAに加わっているのだと言っている」
「フェラーリは重要な存在だ。誰もが彼らやマクラーレンを倒したいと考えている。すべてのチームがこれほどまでに同じ考えを持ったのは初めてのことだ。このスポーツのために、主要コンストラクターと確かな展望を持っている人々は、自らの立場を決める必要があると考えたのだ」

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