ルイス・ハミルトンは、モナコGPの後で失言し、周囲から非難されるとともに、危うくFIAから処罰されるところだった。しかしルーベンス・バリチェロは、ハミルトンも、故アイルトン・セナ同様、時がたてば成長するだろうと述べた。
モナコ決勝でハミルトンはフェリペ・マッサとの接触の後にドライブスルーペナルティを科され、レース終盤のパストール・マルドナドとの接触に関しても、レース後20秒加算のペナルティを与えられた。
ハミルトンは、レース後スチュワードを激しく非難し、スチュワードの裁定は「とんでもないジョークだ」と言い、自分にペナルティが集中するのは「たぶん僕が黒人だからだろう」と述べた。また、ハミルトンはマッサとマルドナドとの事故は相手が悪いと主張、「彼らドライバーは全く話にならないよ。こんなのばかげている」と憤った。
その後ハミルトンは、スチュワード、両ドライバーに加えてFIA会長ジャン・トッドにも謝罪を行い、トッドはハミルトンの発言に不快感を示しながらも、処罰は行わないことを決めた。
「ルイスはすごいレーサーだ」とバリチェロは8日、ロイターに対してコメントした。
「10年たって、ルイスは振り返り、『あんなことをすべきじゃなかった』あるいは『あのままやり続けるべきだった』などと言うことだろう」
「経験のあるドライバーが彼をつかまえて『ルイス、君はこんなことをすべきじゃなかった』と言ってもむだだ。うまくいかない」
バリチェロは、故アイルトン・セナを例に挙げ、ハミルトンも時がたてばいつか分別を備えた人間になると述べた。
「彼(ハミルトン)はとてもいい仕事をしている。何が正しくて何が間違っているのか、経験が彼に教えてくれるだろうから、時間に任せるべきだろう」
「一番重要なのは、彼は速く、才能あふれたショーマンであるということだ。彼は素晴らしいオーバーテイクをする。時にはそれがうまくいき、時には失敗するが」
「昔アイルトン・セナはコース上で非常に危険であるとして批判された。しかし年月が過ぎて彼が落ち着いたのは皆が知るとおりだ。同じことがルイスにも起こるだろう」