2008年シンガポールGPでのルノーチームの不正を告発した後、ネルソン・ピケJrはF1でゼロからやり直すことを誓ったが、それはかなり難しいだろうと、仲間のドライバーたちは考えている。

　この不正事件によって、ルノーF1チーム、関与したと言われるフラビオ・ブリアトーレ、パット・シモンズは処罰されたものの、自ら証拠を提出したピケはペナルティを完全に免除された。FIA世界モータースポーツ評議会で裁定が下された後、ピケはこれから自分はゼロからスタートするとして、F1への復帰を目指すことを宣言した。
　しかしシンガポールGPの木曜記者会見に出席したドライバーたちは、ピケが再びF1に参戦できるようになるのはかなり難しいという意見を述べた。

「事態はとても複雑だ」とレッドブルのマーク・ウエーバーは言う。
「僕はきちんと理解しているとはいえない。皆の目に入るものを目にしているだけだからね。彼が厳しい罰則を受けるべきかどうかをコメントするのは難しい。彼はすでに十分なダメージを負ったと思う。彼はある状況に身を置き、当然それを後悔している。それは彼がやったことであり、それを背負っていかなければならない。彼が戻ってくるのはかなり難しいと僕は思う」

「彼は自分で（罪を）認めたわけだけど、ああいうことの後で戻ってくるのは難しいと思う」とキミ・ライコネンも述べている。
「僕はああいうことにはかかわりたくないね。もし戻ってこられば彼にとっていいことだと思うけれど、だめだとしたらそれなりの理由があるということだ」

　ピケはF1に復帰することができるだろうとの考えを少し前には述べていたルイス・ハミルトンも、それは簡単なことではないだろうと考えている。
「彼の幸運を祈っている。それしか僕には言えない」とピケとはGP2時代のライバルだったハミルトンは言う。
「難しい状況に陥っているときはどれほど苦しいか分かるから、僕は彼のためにポジティブに考えようとしてきた。彼と彼の家族は今ハッピーな気分ではいないはずだ。だからポジティブなエネルギーを送って、彼らの幸運を祈ることしか、僕にはできない」