マクラーレンは現在チームの歴史上でも稀に見る低迷期にあるが、ロン・デニスはチームを率いていくには自分が適任であると主張している。

 2015年のマクラーレン・ホンダはシーズンを通して低迷を続け、チーム最後の優勝は2012年ブラジルGPまで遡る。つまり57戦連続で優勝を逃していることになり、コンストラクターズタイトル獲得に至っては1998年が最後となっている。デニスはサーキット以外の場でマクラーレンの高級車路線を成長させ、レースや自動車以外の分野でもビジネスを成功させてきた。しかしデニスは、自身がF1での業績でのみ評価されることを理解している。

 現在の仕事に適任であるかどうかと聞かれたデニスは「私が知る限り、きわめて健全な状態であると感じている。自分の面倒は自分で見るし、ぶっ倒れるほど疲れてもいない。モチベーションは高く保つことができているし、死ぬまで野心的でいたい。常に大志を抱いていたいんだ」と答えている。

「F1は変わりつつあるが、それは私の挑むべきことではない。私のやるべきことは、適材適所に人員を配置することだ。それは、どのようなビジネスにも言えることで、的確にリーダーを選出しなければならない。いつも正しくできるとは限らないが、それがチャレンジだ」

「心境としては、明鏡止水だ。モチベーションも集中力も、これまでにないほど高くなっており、マクラーレンの未来に貢献することが目標だ。私が構想を提案し、みんなに共有される。それが私の立ち位置なんだ」

 マクラーレンが再度成功を納めるために、適切な人材が適切な場所に割り振られているとデニスは確信している。

「まずマシンのパフォーマンスや、サーキットでどう走行するかについての責任は私にない。長期的に見ても、いまは最高のスタッフがそろっていると固く信じている。エンジニアリング・グループもモチベーションが高く、集中して仕事にあたっている。仕事をこなす能力を備えた人員がいると思うかどうか? 答えはイエスだ」

「1、2年前までは感じてはいなかったが、現在はエンジンやシャシーだけでなく、人についても競争力を求められるのが必然の世界となっている。F1は『拘束』というものを学んだのだ。トップレベルのスタッフを雇うためには1年待たなければならない。そしてチームには、新たなスタッフに1年間のガーデニング休暇を与えられるだけの余裕がある」

「我々は技術グループを向上させるために多くの仕事に取り組んできた。そのうちに努力が報われるときが来るだろう。この2年間で離れていったスタッフと、これから2年間で加入するであろうスタッフを天秤にかけたとき、そのバランスが将来の結果に直結することになる」

 2015年はホンダとのパートナーシップを得たものの、チーム運営にも疑問符がつくようになった名門マクラーレン。少なくともデニスが自らの進退を考える事態には至っていないようだ。

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