過去にフェラーリでミハエル・シューマッハーのチームメイトを務めたルーベンス・バリチェロは、同じブラジル出身のフェリペ・マッサが優勝をチームメイトに譲らざるをえなかったのは非常に残念なことだと語った。
バリチェロは2002年オーストリアGPでレースをリードしていたものの、チームからシューマッハーに勝利を譲るよう指示され、これに従った。この一件が問題視され、チームオーダー禁止の規則が定められる原因となった。
「彼があんなひどいことを経験しなければならないのを目にし、とても残念に思う。僕に言えるのはそれだけだ」と現在ウイリアムズで走るバリチェロは、ハンガリーGPの木曜記者会見で、ドイツのマッサについてコメントしている。
「ああいう気持ちは誰も経験すべきじゃないんだ。フェリペは友人だ。彼があんな目に遭わずに済めばよかったのにと思う」
「彼に電話をして、自分の考えを話した。何を話したのかは僕と彼だけの秘密だ。だけど話すことはあまりない。僕が以前感じたのと同じ気持ちを彼も感じている」
多くのF1関係者が、チームオーダーを禁止する規則を見直すべきだとの意見を持っているものの、バリチェロはチームオーダーはあってはならないと主張している。
「こういうことを止めるために何か手を打つべきだと思う。レースをしているときには、他のドライバーを倒したいと思って走っている。でも(チームに)『こうしてやろう、そしたら勝てるだろう』と言われたら、いい気持ちはしない」
「そんなの僕はごめんだ。昔からそうだった。だからこそ、僕はチームを移籍してキャリアを続けていったんだ。こういったことを変えられるかどうかは、上の人々にかかっていると思う」
「レースをすることが許されるべきだ。それのどこに問題がある? 1ポイント差でタイトルを獲れなかったとしても、それは仕方ない。誰かに勝たせてもらって、1ポイント差でタイトルを獲ることに何の意味があるんだ? 僕はそう思う」