2015 アメリカグランプリ 決勝

ルイス・ハミルトン、3度目のワールドチャンピオンに:
乾いていくトラック上でタイヤ戦略が重要となったアメリカグランプリを制す
サーキット・オブ・ジ・アメリカズで、上位から下位まで多彩な2〜3ストップ戦略が展開
決勝前にドライ走行機会が無かったことと、2回のセーフティーカー導入が、タイヤ戦略をより複雑に

2015年10月25日、オースティン
ルイス・ハミルトンが、ウェットからドライへとコンディションが変化するアクション満載のアメリカグランプリを制し、2015年のドライバーズチャンピオンシップタイトルを獲得しました。全ドライバーが新品のインターミディエイトタイヤでスタートし、スリックタイヤに移行可能なクロスオーバーポイントの到来を待ちました。ハミルトンと2位でフィニッシュしたチームメイトのニコ・ロズベルグは、インターミディエイトで第1スティントを走行し、後続の2スティントをソフトタイヤで走行しました。

決勝前にドライ走行の機会が無く、タイヤの摩耗とデグラデーションに関する情報が欠如していた中でピットウォールとドライバーは戦略を実行しなければならない状況にあり、ピットストップのタイミングが優勝への鍵となりました。

2回のセーフティーカーと2回のバーチャルセーフティーカーによって戦略が形成されました。ハミルトンは、終盤の2回目のセーフティーカー導入周回中にピットストップを行い、序盤の1回目のセーフティーカー導入周回中にはピットストップを行いませんでした。

1回目のセーフティーカー導入周回中にピットストップを行ったドライバーたちが一時はアドバンテージを得ましたが、2回目のセーフティーカー導入によって、ピットレーンでのタイムをロスすることなくタイヤ交換が可能となり、アドバンテージの大半を失いました。

2番グリッドからスタートしたハミルトンは、最終ピットストップを終えた時点で2位を走行していましたが、P Zeroイエロー・ソフトタイヤのスピードを活かし、ロズベルグからトップの座を奪いました。ロズベルグは、午前中の予選でポールポジションを獲得していました。

3ストッパー中の最上位ドライバーは、3位を獲得したフェラーリのセバスチャン・ベッテルでした。13番グリッドからスタートしたベッテルは、2回目のピットストップで、ライバルたちが装着していたソフトタイヤではなくミディアムタイヤへ交換しました。その後、2回目のセーフティーカー導入周回中、ハミルトンと同じタイミングで3回目のピットストップを行いました。

ウェットコンディション下のスタートとなったため、両スリックコンパウンドの使用義務は無くなりました。大半のドライバーが、ドライコンディション下でスピードのあるソフトタイヤを使用した中、ベッテルは、上位勢で最初に耐久性のあるミディアムを使用しました。

フォース・インディアのセルジオ・ペレスは、唯一人インターミディエイト–ソフト–ミディアムと繋ぐ2ストップ戦略を採り、3ストッパーのマクラーレンのジェンソン・バトンとトロ・ロッソのカルロス・サインツを抑え、5位でフィニッシュしました。予選でクラッシュしたサインツは、最後尾からスタートし、7位でフィニッシュしました。最多ピットストップを行ったドライバーは、ザウバーのフェリペ・ナッセでした。ナッセは5回のストップを行いながらも、ポイント圏内の9位でフィニッシュしました。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター
ポール・ヘンベリーのコメント:
「幾度ものセッション中断や中止を経て、やっと待望の決勝を行うことができました。スタート時のウェットコンディションは、レースの妨げというよりも、戦略に魅力を加える要素になりました。決勝のスタート前にドライ走行の機会が得られませんでしたので、各チームは、変化する状況を読みながら反応しなければなりませんでした。したがって、チャレンジングな状況に打ち勝ったドライバーがチームに最も貢献できたと思います。今シーズン素晴らしい成績を挙げ、3度目のドライバーズチャンピオンシップタイトルを獲得したルイスを祝福したいと思います。フィニッシュ直前まで結果が見えないレースとなり、スリリングなフィナーレは、とりわけファンに報いることができたと思います。記憶に残る週末になりました」

コンパウンド毎のラップタイム上位:
ソフト
1/ロズベルグ/1分40秒666
2/ハミルトン/1分40秒738
3/ベッテル/1分41秒330

ミディアム
1/ペレス/1分43秒010
2/ベッテル/1分43秒403
3/クビアト/1分43秒728

インターミディエイト
1/リカルド/1分54秒194
2/アロンソ/1分55秒699
3/ロズベルグ/1分55秒

最長スティント:
ソフト/30周(アロンソ)
ミディアム/29周(ペレス、ロッシ)
インターミディエイト/19周(ロズベルグ、リカルド、クビアト、ライコネン、ペレス、ヒュルケンベルグ、サインツ)

Truth-O-Meter:
我々は、56周のレースで2ストップ戦略が最速と予測しましたが、決勝前にドライ走行のデータが得られなかったことから、戦略の詳細を予測することは困難でした。ハミルトンは、インターミディエイトでスタートし、18周目と43周目にソフトへ交換する2ストップ戦略を採りました。ロズベルグもほぼ同じ戦略を採用しました。

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