F1全レースで全ドライバーを10点満点で評価している英AUTOSPORTが、各ドライバーごとに2014年の平均点を割り出し、総合ランキングを決定しました。今回は22位から11位までのドライバーを紹介いたします。

 英AUTOSPORTのF1担当者エド・ストロー氏は、毎グランプリ、さまざまな情報(ラップタイム、チームからのフィードバック、バトルにおいてのパフォーマンス、ミス、チームメイトと比較したペース)を元にして、各ドライバーを10点満点で採点しています。

 今回は「英AUTOSPORT 2014年ドライバー評価総集編 第二弾」として、11チーム22人のレギュラードライバーの全戦の平均点に従って導き出されたランキングのうち、11位以下を紹介します。

 なお、「第一弾 小林可夢偉選手の全レース評価」についてはこちらでご覧いただけます。
■「可夢偉は苦境の中で価値を見せつけた」:英誌評価 2014年総集編

 それでは22位から順にカウントダウンし、英AUTOSPORTの総評もあわせてご紹介いたします。

22位 マックス・チルトン(マルシャ):平均5.3点

「パフォーマンスが向上してきたのは確かだが、チームメイトのジュール・ビアンキほど一貫したレベルを保つことはできなかった」
「序盤数戦はビアンキよりうまくマシンを扱っていたようにも見えたが、次第にナンバー2ドライバーの位置に落ち着いてしまった。ポテンシャルがあるのは確かだが、来年以降それを発揮するチャンスがあるのかどうかは今のところ未定だ」

21位 エステバン・グティエレス(ザウバー):平均5.7点

「今年ザウバーがノーポイントに終わったのはドライバーたちのせいではない。グティエレスは何度もマシントラブルによって入賞を阻まれた。しかし一方で、モナコではひどいミスをしている」
「シーズン終盤に近づくにつれて、チームメイトで経験あるエイドリアン・スーティルと比較してもグティエレスのパフォーマンスは向上しており、時に速さを見せた。だがF1ドライバーであれば、毎週末いいパフォーマンスを発揮しなければならない」

20位 パストール・マルドナド(ロータス):平均6.0点

「新加入したロータスになじむのに時間がかかり、何度かミスもあった。だがシーズン後半は印象深いパフォーマンスを見せ、オースティンでシーズン初入賞を果たした」
「純粋な速さではチームメイトのロマン・グロージャンにコンマ数秒届かないが、ようやくチームになじみ、2015年はいい戦いをするはずだ」

19位 エイドリアン・スーティル(ザウバー):平均6.1点

「スーティルは大きな期待を抱いてザウバーに移籍したものの、1年を通して苦しむことになった。彼はこれまでのキャリアでは安定してポイントを獲得する力を見せてきたが、2014年シーズン序盤は車重の重さに苦しみ、その問題が解決した後も、自分の力を発揮する機会に恵まれなかった」
「ただ、彼がザウバーのマシンの力を最大限に引き出したといえるかどうかは疑問だ」

18位 マーカス・エリクソン(ケータハム):平均6.1点

「厳しいF1デビューシーズンとなったが、最後の数戦になってようやく高い評価が与えられるようになってきた。ブレーキ・バイ・ワイヤ・システムの変更によって自信を持って走れるようになり、ジュニアカテゴリーで示したような速さを発揮できるようになった」
「パフォーマンスがぱっとしないレースが多く、ミスも何度も犯したが、シーズン終盤は向上を見せたため、有意義なシーズンとみなすことができる」

17位 小林可夢偉(ケータハム):平均6.2点

「小林の2014年を見ると、ひとつ大きな疑問が生じる。それは、フェラーリでのGTカーのシートを蹴ってケータハムを選んだのは賢い選択だったのかということだ」
「コース上では期待どおりのパフォーマンスを見せ、トリッキーなマシンでチームメイトよりいい走りをした。しかし向上しないマシンに不満を募らせていった」
「彼はF1にふさわしい、力のあるドライバーであることを改めて証明した。しかし状況を考えると今年のシーズンは彼のキャリアにとって何のプラスにもならなかった」

16位 キミ・ライコネン(フェラーリ):平均6.2点

「2014年の間に彼はワールドチャンピオンクラスの才能をごくたまにしか発揮できなかった」
「今年のフェラーリはライコネンが力を発揮できるタイプのものではなかったが、適応能力の高さはトップドライバーにとって重要な要素であり、当然彼はもっといいパフォーマンスを見せるべきだった」
「ただし、モナコではセーフティカー出動時にチルトンと接触して表彰台を失い、好調だったシンガポールではトラブルで予選最後のアタックができなかったという不運もあった」

15位 セルジオ・ペレス(フォース・インディア):平均6.3点

「マクラーレンで苦しいシーズンを送ったペレスは移籍して調子を取り戻した。バーレーンで表彰台を獲得するなど、何度かいい結果を出したが、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグと同じレベルの安定感はなかった」
「バーレーンやオーストリアではいいレースをしたものの、カナダでのフェリペ・マッサとの接触、アメリカでのキミ・ライコネンとの接触など不必要なミスもあった」

14位 ジャン-エリック・ベルニュ(トロロッソ):平均7.1点

「ベルニュは波に乗ると最高のパフォーマンスを発揮する。シンガポールやハンガリーがいい例だ」
「しかし、不運に見舞われることが多く、体重の面で不利だったのは確かだが、F1で3シーズン目であるにもかかわらず、安定性が足りず、ルーキーのチームメイト、ダニール・クビアトに対して圧倒的な強さを見せることができなかった」
「彼はF1で走るのにふさわしいドライバーなのは間違いない。毎週末をうまくまとめることができれば、素晴らしいドライバーになれる」

13位 ジュール・ビアンキ(マルシャ):平均7.1点

「2014年序盤は新しいマシンに適応するのに苦しんだものの、その後シーズンを通して素晴らしい才能を見せた」
「モナコで9位を獲得した際の走り(タイム加算ペナルティを受ける前は8位だった)は見事としかいいようがなく、その他にも何度も強力なパフォーマンスを見せつけた」
「だが彼のシーズンは残念ながら鈴鹿で終わることになってしまった」

12位 ケビン・マグヌッセン(マクラーレン):平均7.1点

「デビュー戦オーストラリアGPで2位を獲得し、キャリアを最高の形でスタートしたが、今年のマクラーレンの競争力の低さにより、そういった結果を再現することはできなかった」
「何度かミスを犯し、不必要なペナルティを受けたが、全体的に見てマグヌッセンはシーズンの中で大きく進歩した」
「ベテランのジェンソン・バトンほどの結果は残せなかったものの、F1で将来活躍するはずのドライバーであるのは確かだ」

11位 ロマン・グロージャン(ロータス):平均7.1点

「ロータスが低迷した2014年には何度かいらだちを抑えられない場面もあったが、グロージャンは現役F1ドライバーの中でもトップクラスであることは間違いない」
「安定性のないマシンで、コーナーごと、ラップごとにハンドリングが変わるような状態だったが、グロージャンはそのクルマから時折素晴らしいパフォーマンスを引き出してみせた」
「来年のロータス・メルセデスは彼の能力に見合った結果をもたらしてくれるはずだ」

 トップ10に関しては後日改めてご紹介いたします。

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