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投稿日: 2009.06.30 00:00
更新日: 2018.02.23 10:36

【アウディジャパン】DTM第3戦ノリスリンク:アウディがDTMランキングのリードを堅持


アウディがDTMランキングのリードを堅持

Jun 30, 2009

【第3戦:ノリスリンク(ドイツ)】

● ティモ・シャイダーが、ランキングトップの座を譲らず
● マティアス・エクストロームがノリスリンクで3位入賞
● キャサリン・レッゲが、ファステストレースラップを記録

 ティモ・シャイダーがノリスリンクのレースを4位でフィニッシュし、DTMランキングトップの座を堅持しました。チームメイトのマティアス・エクストロームは、13万2000人(週末合計)の観衆を迎えたDTM史上もっともスリリングなレースのひとつで、表彰台を獲得しました。

 今回のレースでのティモ・シャイダーは、悲劇のヒーローでした。ポールポジションからスタートした昨年のDTMチャンピオンは、高熱に見舞われていたにも関わらず、レース開始から3分の2までの間はアウディA4 DTMを駆って自らのペースを維持していました。しかし、ドラマティックなレース終盤を迎え、彼は後続のメルセデスドライバー、ブルーノ・シュペングラーとジェイミー・グリーン達からの強烈なプレッシャーに晒されることになりました。

 全80周のうち75周目まで、シャイダーはトップのポジションを維持していました。その次の周にブルーノ・シュペングラーが仕掛けてきたオーバーテイクは無事にかわすことが出来ました。しかし、ラスト3周になってジェイミー・グリーンが強引に追い抜きを掛けてきた時に、軽く接触してきました。この接触の影響でシャイダーはシケイン通過時に大きく失速し、後続のシュペングラーとエクストロームの背後までポジションを落としてしまいました。

「もちろん、ラスト3周を無事に逃げ切ってトップの座をキープしたかった。でも、後半3分の1で僕はマシンのリアのハンドリングに大きな問題を抱えていた。でも、レースが終わった時点でいまだにランキングトップの座を維持出来ていることには喜んでいる。今は何より、ベッドに入って休みたいよ」と、ティモ・シャイダーはレース後にコメントしました。

 マティアス・エクストロームもまた、ノリスリンクのレースで優勝する可能性を持っていました。彼はダウンフォースを極力少なくする方向でマシンをセットアップしており、これは彼の狙い通りの結果をもたらしました。レーススタート直後、あっというまに彼はティモ・シャイダーをオーバーテイクすることが出来ました。しかし、彼がオーバーテイクしたタイミングでセイフティーカーが発動していたため、エクストロームはペナルティストップを喫するリスクを抑えるために、レースが再スタートした後にシャイダーに抜かさせたのです。

 最初のピットストップの後、エクストロームはメルセデスのゲイリー・パフェットの後ろで多くの時間をロスしました。しかし彼はレース終盤になって、それまで5秒近くもあった差を縮めて先頭集団に追いつき、確実さを狙って3位でゴールしました。「ゲイリーの後ろでのタイムロスがなければ、今日は勝っていたと思う。今日のマシンの調子はとても良く、レース終盤では明らかに他の誰よりも速かったのだから」と、エクストロームは確信していました。

 全80周のレースを終えてゴールしたトップ7台のタイム差は、わずか3.807秒でした。アウディモータースポーツの責任者ヴォルフガング・ウルリッヒは、「この結果は、DTMやツーリングカーレースの面白さをアピールする絶好の機会となった。今日の様な僅差で勝敗が決まったことは過去に経験がない。もちろん、ホンのわずかの差で勝利を逃したことは残念でならない。だが、終わってしまえばそれも小さなことだ。来年また優勝に向けてチャレンジするつもりだ」と、コメントしています。

 トム・クリステンセンが8位でフィニッシュしたことで、アウディスポーツ チームアプト スポーツラインの全車両がポイントを獲得しました。マイク・ロッケンフェラー(アウディスポーツ チームロズベルグ)は9位でフィニッシュし、昨年型モデルのA4の最上位を獲得しました。マルティン・トムツィク、キャサリン・レッゲ、マルクス・ヴィンケルホックは、11位、12位、13位となりました。

 キャサリン・レッゲは、予選5番手を獲得し、その後レースでは48.620秒というファステストラップも記録したことで話題を呼びました。新世代DTMで初めてファステストラップを記録した女性ドライバーの栄誉を手に入れたのです。しかし、レッゲはスタートで失敗して5番手から14番手になってしまい、ポイント獲得のチャンスを失ってしまいました。

 アウディスポーツ チームフェニックスは、全車がリタイアする結果となってしまいました。アレクサンドレ・プレマは37周目に、メルセデスのポール・ディ・レスタとの接触によってリタイアとなりました。彼のチームメイトのオリバー・ジャービスは、スタート直後にスピンしたチェコ共和国人ドライバー トーマス・コスタに衝突されてしまいました。

 フリープラクティス中に起こったアクシデントで損傷したマルクス・ヴィンケルホックのアウディA4 DTMを徹夜で修理したアウディスポーツ チームロズベルグのメカニック達による素晴らしい努力は、報われることなく終わってしまいました。マシンは目を見張る作業の末に早朝6時に修復されたものの、メカニック達が望んでいたようにポイントを獲得することは出来ませんでした。

 全10戦のうち3戦を終えた今、ティモ・シャイダーは17ポイントを獲得して、DTMのポイントランキングトップの位置を守り続けています。マティアス・エクストロームは14ポイントを獲得して、5番手にいます。次のDTMは7月19日にザントフールト(オランダ)で開催されます。次回会場でアウディは、2年連続で1・2・3・4フィニッシュを達成しています。

【アウディドライバーのコメント】
Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ (アウディ モータースポーツ代表)
今日のレースは、近年のツーリングカーレース史上でもっとも素晴らしく、モータースポーツ全体の中でも滅多に見られない質の高いものだった。ノリスリンクのグランドスタンドやテレビで今日のレースを観戦していた人は皆、コース上でのタフな闘い、多種多様な戦略、そして素晴らしいピット作業という、DTMの魅力のすべてを目の当たりにしたことだろう。我々はほぼ勝利を手に出来る状況であったにも関わらず、いくつかの接触を含む、ラスト15周での息をもつかせぬバトルで優勝を逃してしまった。我々はレースのほとんどをリードしており、7年ぶりのノリスリンクでの優勝に目前まで迫っていた。だが残念なことに、目標を達成することは適わなかった。

マティアス・エクストローム (レッドブル アウディA4 DTM #5)
今日の目標は、優勝だった。そしてレースがスタートする前には、目標を達成できる充分な気力にも溢れていた。もちろん、予選トップと2番手からスタートしながら、フィニッシュは3位と4位だったことは、ティモ(シャイダー)と僕にとって大いなる失望だ。しかし、グランドスタンドにいた数多くのアウディファンの人たちを目の当たりにし、素晴らしいレースを戦ったことで、怒りの気持ちは失ってしまった。しかし、今はもう気持ちは次のレースに向かっている。ティモは依然としてランキングトップを維持しているし、僕は彼のわずか3ポイント差の位置につけている。ハラハラドキドキの展開はまだ続く。すぐにまた優勝してみせる。

ティモ・シャイダー (GW:plus/トップサービスアウディA4 DTM #1)
僕の身体とバトルの両方が熱い1日だった。全80周のレースは、とてもタフだった。インフルエンザによる影響で調子が悪かったが、ドライブ中にはそのことは忘れ去っていた。ピット作業は素晴らしく、僕はそれまでのリードを保ち続けていた。レース終盤に向けてマシンのリアのバランスが悪くなってしまったので、ライバル達に襲いかかられてしまった。中でもジェイミー・グリーンにはぶつけられてしまった。そのせいで僕はラインから大きく外れてしまい、そのスキにライバル達が皆 僕を抜いていってしまった。残念だがそれが事実だ。

【DTM第3戦 ノリスリンクの結果】
1. ジェイミー・グリーン\t(メルセデス)\t80ラップ 1時間08分39.223秒
2. ブルーノ・シュペングラー\t(メルセデス)\t+1.357秒
3. マティアス・エクストローム\t(アウディA4 DTM)\t+1.678秒
4. ティモ・シャイダー\t(アウディA4 DTM)\t+2.626秒
5. ゲイリー・パフェット\t(メルセデス)\t+2.940秒

【DTM 第3戦までのドライバーズポイント】
1. ティモ・シャイダー\t(アウディA4 DTM)\t17ポイント
2. ブルーノ・シュペングラー\t(メルセデス)\t16ポイント
3. ゲイリー・パフェット\t(メルセデス)\t14ポイント
4. ジェイミー・グリーン\t(メルセデス)\t14ポイント
5. マティアス・エクストローム\t(アウディA4 DTM)\t14ポイント
6. トム・クリステンセン\t(アウディA4 DTM)\t11ポイント


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