クルマやタイヤにも高い負荷のかかる難コース、スパ・フランコルシャン。ルイス・ハミルトンとメルセデスの速さが際立つとともに、ドライバーの腕と気合いが見える好レースとなった。43周のバトルを、無線交信から振り返ろう。
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<スタート前>
ニコ・ヒュルケンベルグ→(ドライバーからチームへ)「ノーパワー! ノーパワー!」
←(チームからドライバーへ)「この周ピットに入ってくれ」
→「了解」
←「スタートをする。ピットには入らないでくれ」
ニコ・ヒュルケンベルグ←「(スタートできず)そのまま留まってくれ。ピットに押し戻す」
カルロス・サインツJr.→「何かがおかしい、ノーパワーだ」
←「ピットレーンに入ってきてくれ」
<LAP2>
パストール・マルドナド→「エンジンを失った」
<LAP4>
カルロス・サインツJr.←「(上位勢に譲って)OK、ここからプッシュしていいぞ」
<LAP5>
ジェンソン・バトン→「左リヤタイヤにダメージはない?」
←「特に明確なものはない。詳細をチェックするよ」
<LAP7>
ジェンソン・バトン→「バッテリーをつなぎ忘れたみたいな感じだ」
←「データでも見えているよ。いまチェック中だ」
<LAP9>
フェリペ・マッサ→「ピットに入るんだよね?」
←「そうだ」
<LAP12>
キミ・ライコネン←「この周ピットインだ」
ニコ・ロズベルグ←「この周でピットに入れ。インラップをハードに攻めれば、リカルドを抜けるぞ」
<LAP13>
ルイス・ハミルトン←「ボックス、ボックス、ボックス(ピットインだ)」
<LAP15>
バルテリ・ボッタス←「タイヤに問題があり、ドライブスルーペナルティを受けた。この周ピットスルーしてコースに戻ってくれ」
<LAP17>
バルテリ・ボッタス←「このまま走り続ける。右リヤだけがプライムで他はすべてオプションが装着されている。まだポイントの獲得は可能だ」
<LAP19>
ロマン・グロージャン←「ストラット7を使え」
<LAP20>
ロマン・グロージャン←「よくやった、ロマン。P3だ。プッシュし続けろ」
<LAP22>
ルイス・ハミルトン→「VSC(バーチャルセーフティカー)で、なんでニコが近づいてきているの?」
←「ちゃんと見ているから大丈夫だ」
<LAP23>
セルジオ・ペレス←「このタイヤで最後までもたせてくれ。22周走ることになる。デグラデーションは非常に良い」
<LAP24>
フェルナンド・アロンソ←「雨は100km離れたところにいるが、レースの最後シャワーになるかもしれない。注意しておくよ」
<LAP25>
ダニール・クビアト←「ライコネンとマッサはピットインして新品のプライムタイヤに換えた。最後まで走り切るから、最後は我々のほうがコンペティティブになるぞ」
<LAP27>
セバスチャン・ベッテル←「デフォルトB17をオフにしてくれ」
→「反応しない! 反応しないよ!」
<LAP28>
セバスチャン・ベッテル→「もう1回ピットインして、うまくいくようにできない?」
←「いま検討しているところだ」
<LAP30>
ルイス・ハミルトン→「路面のコンディションが変わった。(フロントウイングのフラップを)0.5ターン下げてくれ」
←「ボックス、ボックス、ボックス」
→「まだタイヤは良い状態だ。あと1周行かせてくれ」
←「ダメだ、これが最速の戦略だ。ピットインしないならニコを入れるよ」
<LAP31>
ニコ・ロズベルグ←「ピットインだ、ハードにプッシュしろ」
<LAP32>
セバスチャン・ベッテル←「タイヤのデータを見る限りでは(このタイヤで)十分に最後まで行ける」
フェルナンド・アロンソ←「シャワーはサーキットから40kmのところに来ている」
<LAP34>
カルロス・サインツJr.←「2周遅れになったからリタイアする。ピットインしてくれ」
<LAP36>
ダニール・クビアト←「キミ(ライコネン)を、早く抜く必要がある」
<LAP37>
ジェンソン・バトン→「前の連中は、あんまり速くないよ。僕が追いついているくらいだ。新品タイヤのほうが全然速い。彼らがピットストップしなかったのはミスだね」
<LAP38>
ロマン・グロージャン←「ストラット7だ、ベッテルをやっつけろ!」
ダニール・クビアト←「ターン4のトラックリミットに気をつけろ、公式に警告を受けた。マッサに対してプッシュしろ。守りの走りをすれば(ペレスから1秒以上離れて)DRSが使えなくなるかもしれないぞ」
<LAP41>
ダニール・クビアト←「(ペレスをパスして)よくやった、ダニー」
→「まだ次がある!」
<チェッカー>
ルイス・ハミルトン←「最高の仕事だ。素晴らしいレースだったよ」
→「みんな素晴らしかった。本当にありがとう」