今年でF1日本グランプリ開催25回目を迎える鈴鹿サーキット。過去24回のレースの中からファンの投票により選ばれたベスト10レースを連載形式で紹介していきます。第2位に選ばれたのは、当時マクラーレンに所属していたキミ・ライコネンが驚異の16台抜きを果たして優勝した2005年のレースです。

 2000年から5年連続タイトルを獲得してきたミハエル・シューマッハー&フェラーリの時代が終わりを告げた2005年。タイトル争いはルノーのフェルナンド・アロンソとマクラーレン・メルセデスのライコネンによる一騎打ちとなり、アロンソが第17戦ブラジルグランプリで史上最年少のドライバーチャンピオンを獲得。コンストラクターズチャンピオン争いは、マクラーレンがルノーを2ポイントリードと、僅差で第18戦日本グランプリを迎えた。

 アロンソ(ルノー)とライコネン(マクラーレン)によるPP(ポール・ポジション)争いとなるかと思われたが、天候が思わぬ波乱を呼んだ。1台ずつがコースインしてタイムアタックするスーパーラップ方式で行われた予選は、残り6台となったところで一旦止んでいた雨がまた降り始めたのだ。

 その結果、トヨタのラルフ・シューマッハがPP、2番手にB・A・R Hondaのジェンソン・バトンとフロントローに日本勢が並ぶ一方、アロンソは16位、ライコネンは17位と後方に沈む結果となった。だが、これが今でも語り継がれる、歴史に残るレースの幕開けだった。

 2005年F1日本グランプリは、予選の雨が嘘のように晴れ渡り、完全なドライコンディションで決戦の日を迎えた。決勝がスタートするとアロンソは1周目に8位に浮上、じわじわとポジションを上げて3位フィニッシュを決めた。

 だがさらにすごかったのがライコネンだ。1周目で12位に浮上し、10周目には9位、23周目には4位に。後半に入ると2位にまで上がってきたのだ。トップを走るルノーのジャンカルロ・フィジケラとの死闘が始まったのがラスト7周となってから。5秒以上あった差を確実に削り取り、0.1秒差で突入した最終ラップの第1コーナー、ライコネンはアウトから豪快にフィジケラを抜き去った。

 アロンソと同じ6勝を記録しながらタイトル争いに敗れたライコネンの意地の7勝目は、16台を抜き去るF1史に残る激走だった。

■F1日本グランプリ 語り継ぎたい24レース

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