「あれ(パーマンとの一件)は関係ない」(ライコネン)
アブダビGPを翌日に控えた10月31日になっても、サーキットに姿を見せなかったロータスのキミ・ライコネン。彼に近い関係者によれば、今回遅れた直接の原因は、スイスの自宅近くのヘリポートからチューリッヒへ向かうヘリコプターが遅延して、アブダビへ向かう飛行機に乗り遅れたためで、インドGPの一件は「本当の問題ではなく、今回遅れたこととは関係ない」という。
事実、金曜日のセッション後に行われたドライバーズミーティング会場まで、ライコネンはインドGPでののしり合ったアラン・パーマンと並んで歩きながら向かっていた。
では、本当の問題とは何か? ドライバーズミーティング直前に開いた記者会見でライコネンは次のように語った。
「僕はレースを愛しているけど、F1は大きなビジネスだから、運転しているのがただ楽しいというだけではすまないこともある。いまだに1ユーロも支払ってもらってないんだからね」
それを裏付けるのは、今年のベルギーGPでもライコネンは同様の理由から木曜日にサーキットに姿を見せなかったことがある。そして、ロータスがこのまま未払いを続けるようなことがあれば、ラスト2戦は不出場も辞さない構えを見せている。
つまり、この問題の原因を作ったのはライコネンでもなく、パーマンでもなく、ロータスのオーナーであるジェラール・ロペスなのである。
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日本人F1ジャーナリストの尾張正博氏がグランプリの現場から、ドライバーやチーム首脳の生の声、パドックを賑わせているニュースの真相、レースのキーポイントやサイドストーリーなどを自身の取材情報からお届けする。