「僕がもう少しその意味を理解していれば……」(可夢偉)

 2年ぶりのF1復帰戦となったオーストラリアGP決勝レース、スタート直後の事故で0周リタイアに終わった小林可夢偉。原因はリヤブレーキのシステムに不具合が生じ、リヤブレーキがまったく効かないという状況に陥っていたためだ。この事故についてレース審議委員会はレース後に審議を行ったが、マシントラブルの存在を認め、「可夢偉には責任はない」という裁定を下した。

 しかし、コントロールタワーから帰ってきた可夢偉は次のように語り、ドライバーとしてだけでなく、チームの一員として、事故を回避できる術はあったのではないかという思いを語った。

「実はフォーメーション(ラップ)の時に、レースエンジニアからリカバリーできない(ブレーキング時にエネルギーを回生できない)と言われていたんです。その時点で、僕がもう少しその意味を理解していれば、リヤブレーキのトラブルを予測して避けることができていたかもしれない。だから、チームとのコミュニケーションという点で、僕たちにはまだまだ改善できる余地がある」

 テストからトラブルの連続。メルボルンに来ても、最後はトラブルに泣かされた。それでも、可夢偉は「テストではできなかったスタートはできたし、そのスタートもベッテルの前に出るほど良かった」とチームが前進していることを感じている。もちろん、それ程度で満足してはいけないことは本人も分かっている。

「まだまだ、やらなければならないことはたくさんあります。でも、今はひとつひとつ克服していくしかない。どれくらい時間がかかるかどうかなんてわからない。今は、全力でやるしかない。だから次のマレーシアGPも気を取り直してガンバルしかない」

 開幕戦を終えた可夢偉。次はチームのホームグランプリである。

■GP直送:
日本人F1ジャーナリストの尾張正博氏がグランプリの現場から、ドライバーやチーム首脳の生の声、パドックを賑わせているニュースの真相、レースのキーポイントやサイドストーリーなどを自身の取材情報からお届けする。2013年はGPインサイドとしてお届けしていた

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