マレーシアGP初日のフリー走行が終了後、3月28日の午後6時半から、FIAが緊急会見を開いた。これは開幕戦で問題となった燃料流入量の制限に関する説明である。FIAはレースディレクターのチャーリー・ホワイティングとともに、FIAでヘッド・オブ・パワートレインを務める元ルノーのエンジニアであるフランス人のファブリス・ロンが会見に応じた。
冒頭でFIAは、今回の会見はオーストラリアGPで失格処分を受けたダニエル・リカルド(レッドブル)の件に関する説明は行わないことを明らかにし、「今年から導入された燃料流入量規則を理解してもらうための説明会である」と明言した。そのため、メディアからの「オーストラリアGPのリカルドの状況は具体的にどうだったのか?」という質問には、「控訴中なので答えられない」という態度を通した。
今回の会見で明らかになった主な事は、以下の通りである。
1) センサーに誤差が生じていたことは確かだが、ウインターテストとグランプリのフリー走行中に修正を施し、できるだけ全マシンに搭載されているセンサーの精度を公平にしようと努力している。
2) 全マシンに搭載されているセンサーの誤差は、現時点で±0.5kg/hである。
3) フリー走行1回目、2回目、3回目でこの誤差を超える燃料流入量(100.5kg/h)が確認された場合、FIAは予選までに該当チームに修正するよう指示を出している。
4) センサーを2つ搭載することは物理的にも経済的にも困難である。
これらを踏まえ、FIAは「依然センサーに誤差が生じてることは確かだが、正確性よりも公平性が大事である」ということを強調。今後もFIAが指定するセンサーの使用を全チームに義務付けるやり方を変えるつもりはないと説明し、暗に独自のセンサーを搭載してレースを行ったリカルドとレッドブルを非難した。
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日本人F1ジャーナリストの尾張正博氏がグランプリの現場から、ドライバーやチーム首脳の生の声、パドックを賑わせているニュースの真相、レースのキーポイントやサイドストーリーなどを自身の取材情報からお届けする。2013年はGPインサイドとしてお届けしていた