今季は伊沢拓也と佐藤公哉ふたりの日本人ドライバーが参戦。来季F1に復活するホンダとマクラーレンの若手育成プログラムの戦場でもあり、日本のF1ファンにとっては例年以上に見逃せないシーズンとなる。F1第3戦バーレーンGPのサポートレースとして、まもなく開幕。まずはGP2をチェックするための基本情報を、まとめておこう。

F1のドアをノックするのは誰？

　F1への育成カテゴリーとして2005年に発足、今季は10周年の記念すべきシーズン。ケータハム・レーシングなどF1と同じイメージのカラーリングで参戦するチームもあり、若手育成枠でF1チームと契約しているドライバーが多い。伊沢のチームメイトであるストフェル・バンドルネはマクラーレン、レーシングエンジニアリングから参戦するラファエル・マルチェロはフェラーリのドライバーアカデミー所属だ。もちろん伊沢は「ホンダのドライバー」としてマークされており、佐藤は昨年の鈴鹿でザウバーのリザーブドライバーを務めた経験を持つ。ちなみに、DAMSのジョリオン・パーマーは80年代の英国人F1ドライバー、ジョナサン・パーマーの息子である。

　今季は11ラウンドすべてF1のサポートレースとして開催される。F1ドライバーやチーム関係者がGP2のレースを熱心に見ている光景はパドックでもおなじみで、フェラーリのモーターホームではアロンソがドライビングを解説しながらモニターで観戦していることも。

　ニコ・ロズベルグ、ルイス・ハミルトン、ニコ・ヒュルケンベルグ、パストール・マルドナドは歴代のGP2チャンピオン。だが、2012年チャンピオンのダビデ・バルセッキは昨年ロータスのサードドライバーとして契約しながらライコネン欠場時の代役に選ばれず、2013年チャンピオンのファビオ・ライマーもF1シートを獲得できなかった。彼らの敗因として考えられるのは、GP2で4年を費やしてしまったこと。かたやロズベルグ、ハミルトン、ヒュルケンベルグは初年度にタイトルに輝いている。ルーキー9人が参戦する今季、F1チームの目に止まるには1年目から存在感を見せるしかない。

2014シーズンはルーキー有利!?

　金曜日のフリー走行が30分間から45分間に延長。これはルーキーにとって、うれしい変更だ。タイヤはピレリのワンメイクタイヤ。土曜日の決勝1（フィーチャーレース）で、ドライタイヤを各スペック最低1セット使用しなければならないという規定が今季から導入される。初開催のオーストリアとロシアはGP2ドライバーにとってほぼ未知のコースなので、ルーキーが活躍できる可能性は大いにあり。決勝1の上位8名が、決勝2（スプリントレース）のリバースグリッドとなる規定は変わらず、決勝1で8位に入ったドライバーが、決勝2のポールシッターとなる。

大改革のF1と熟成のGP2

　レギュレーション大改革でトラブルが多発しているF1に対して、GP2ではコストカットのため2011年から使われているマシンが今季で4シーズン目を迎える。
　3月19〜21日にバーレーンで行われたGP2合同テストでの最速タイムは、1分39秒129（リオ・ハリヤント／ケータハム）。昨年のF1バーレーンGP予選ポールタイムは1分32秒330（ニコ・ロズベルグ／メルセデス）。決勝ベストタイムは1分36秒961（セバスチャン・ベッテル／レッドブル）。今週末はF1とのタイム差にも要注目だ。

GP2の最新情報やライブタイミングは公式サイトにて
http://www.gp2series.com/

F1速報では、バーレーンの現場から最新情報をレポートします。

2014年 GP2 開幕戦バーレーン タイムスケジュール
フリー走行／4月4日　12:00〜12:45（18:00〜18:45）
予選／4月4日　20:00〜20:30（26:00〜26:30）
決勝1（32周）／4月5日　13:10〜（19:10〜）
決勝2（23周）／4月6日　14:15〜（20:15〜）
※（ ）内は日本時間

2014年 GP2 開催スケジュール
Rd.　日程　開催場所
1　4月4〜6日　バーレーン
2　5月9〜11日　バルセロナ
3　5月22〜24日　モナコ
4　6月20〜22日　オーストリア
5　7月4〜6日　シルバーストン
6　7月18〜20日　ホッケンハイム
7　7月25〜27日　ブダペスト
8　8月22〜24日　スパ・フランコルシャン
9　9月5〜7日　モンツァ
10　10月10〜12日　ロシア
11　11月21〜23　アブダビ