かつて“無冠の帝王”とあだ名されたマルク・アレンの息子、アバルトのワークスドライバーであるアントン・アレンは今週はじめにアバルト・グランデプントS2000をイタリアでテスト。十分な手応えを得て臨む来週末のラリーロシアで久々の優勝を狙っている。

 アレンは今年、出場したイベントではいずれもリードしながら、メカニカルトラブル(ブラジルではアクシデント)でリタイアするパターンに陥っている。なんとか完走した第4戦のアゾレスでは14位フィニッシュと、いささか精彩を欠いたシーズンであることは否めない。

「たしかに、プジョーもシュコダも手強い存在だ。彼らのマシンは順調に進化しているしね。もっとも、僕らのクルマもこれから進化していくと思うよ。ここしばらくきちんとしたテストをやっていなかったけど、今回のテストは内容がすごく良かったんだ」

 アレンは昨年のロシアラウンドを2位でフィニッシュ。トップを争いながら、スローパンクチャーで勝ちを逃している。

「去年はユホ・ハンニネンやヤン・コペッキーのシュコダ勢、チームメイトのジャンドメニコ・バッソもいいタイムを出していた。今年も彼らがライバルになるだろう。
 ラリーが開催されるビボルグはフィンランドとの国境にも近くて、道の雰囲気がウチの周りにそっくりなんだよ。つまり大きな戦いがもうひとつ──非常にハードな道ともやり合わなきゃならないってことだ。
 とはいえテストの仕上がりも良かったし、ロシアラウンドの準備は万端だよ。今からワクワクするね。
 誰もが自分が勝てると信じて戦っている。そうじゃなければ競い合う理由なんてない。だから僕は自分がもう一度IRCで勝てると強く信じているんだ」

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