バレンシアF1合同テストの最終日となった3日、フェルナンド・アロンソがついにフェラーリのテストに初めて登場、2010年型マシンF10をドライブした。3日間の総合トップのタイムをマークしたアロンソだが、他チームと自分たちの位置関係はまだ分からないと慎重な態度を見せた。
地元スペインのヒーローの雄姿を見に駆けつけたファンはおよそ3万6,000人、サーキット周辺は渋滞に見舞われた。アロンソはカーナンバー8のF10で午前10時1分にインスタレーションラップを開始した。アロンソのマシンがガレージを出ると、大勢のカメラマンが殺到、メカニックの作業に支障が出るほどだった。
この日のテストのメインは、ベースセッティングを確立し、新しいブリヂストンタイヤと、燃料搭載量の変化に伴うマシンの挙動をチェックすることだった。
アロンソはこの日、計127周走行を走行、F10のドライブへの自信を深め、新チームでの作業方法にもなじんでいく中、1分11秒470のベストタイムで3日間のバレンシアテスト総合トップに立った。
「何カ月も前からこの日を待っていた。ようやくここに来ることができた」とテストを終えたアロンソは語っている。
「この数週間、僕らは大量の作業を行ってきたけれど、コースで実際に走るのはこれが初めてだ。今日はマシンへの理解を深めることに集中した。僕にとっては初めてのことだらけだった。シューベルトのヘルメットとブレンボのブレーキはこれまで使ったことがなかったしね」
「この2日間にフェリペ(・マッサ)が頑張ってくれたおかげで、いきなり何の心配もなく仕事にかかれた。マシンはとてもよかったし、速さもあった。セッティングもうまくいったので、それもよかったと思う。でも今僕らが他のチームと比べてどのへんの位置にいるのか予想することはできない。僕は自分の仕事が忙しくて、他のチームの動きをそれほど詳しく見ていなかったし、いずれにしても予想するのは早すぎるよ。まだまだ未知のファクターがたくさんある」
「この3日間、僕らはかなりの周回を重ねた。競争力を発揮するには、信頼性のあるマシンを作り上げる必要がある。僕らは正しい方向に向かっていると思う。テクニカルチームはたくさんのデータを手に入れたので、僕らが今後のテストを最適な形で行えるよう準備してくれるだろう。ここに来る前に持っていたデータを実際にコース上で確認できたことは重要だ。この調子で作業を進め、後半のテストではマシンの限界を探る必要がある」
次回のテストはヘレスで10日にスタート、今度はアロンソが最初にステアリングを握る予定となっている。