ムジェロで開催されたF1合同テストでは、挽回を目指すフェラーリが持ち込んだアップデートに注目が集まったが、フェルナンド・アロンソは、今回のアップデートは小さなものにすぎず、フェラーリは今後数戦にわたってさまざまなものをアップグレードしていくと述べた。
ムジェロでのF1合同テスト最終日に、フェラーリは新しいエキゾーストコンセプトとリヤボディワークを施したマシンをテストした。
フェラーリは次戦スペインGPには新しいフロントウイング、リヤウイング、改良されたディフューザーを持ち込み、カナダ、バレンシアでもさらなるアップデートを導入する予定だということだ。
「最初の4戦は、Q1からQ3にかけて僕らはトップ勢から平均0.8か0.9秒遅かった。そのギャップを縮めていきたい。ポイント争いをし、選手権を戦うためには、すぐにでもこの差を縮めなければならない」と3日間のテストを終えたアロンソはコメントしている。
「バルセロナで最初の一歩を踏み出す必要がある。バルセロナでポールポジションを獲れるような魔法のボタンなどない。他のチームもマシンの改良を進めてくるからね。それでもギャップを縮めなければならない」
「バルセロナで最初のステップ、カナダで次のステップ、バレンシアで3つめのステップを踏み、上位に近づかなければならない。なかでもバルセロナで一番大きな、重要なステップを踏み出す必要がある。選手権を戦うためには、Q3進出に苦労していてはならない」
アロンソが今回のテストで一番ポジティブに感じたのは、ファクトリーでのデータと実際にコースでテストした結果が一致したことだという。
「この3日間のテストにはとても満足している」とアロンソ。
「テストを終えてポジティブな感触を持っている。ここにいくつか小さな──この言葉を強調したい──空力アップデートを導入し、それは予想どおりの反応を示した。それが一番重要なニュースだ。それによって僕は短期的にも長期的にも、今後に向けて自信を持てる。マラネロのファクトリーで見たものをコース上で確認することができたということだからだ」
「冬の間、そして去年は、問題があった。テストに新しいパーツを持ち込んでも、6つはうまく機能しても4つは機能しないという状況があった。ここには3つか4つしか持ち込んでいないが、すべてが予想どおり機能した」
「だからより大きなアップデートを導入するバルセロナやその先の開発について自信を持つことができる。ファクトリーに対する信頼を今までよりも深めることができる」
エキゾーストの新レイアウトに注目が集まっているが、今年はもっと他に重要なエリアがあるとアロンソは言う。
「パフォーマンス的に予想外のことはなかった。毎日違うエキゾーストレイアウトを試し、違うパーツをつけてマシンを走らせた。それによって、今後のレースや開発に向けての考えが確認された」
「今年は(エキゾーストの)ポジションの選択や検討はもう重要ではなくなっている。ここまで、いろいろな形状の(エキゾーストを持つ)マシンが勝っているからね」
「だからこのエリアのことで5分たりとも時間を無駄にするわけにはいかない。マシンにはもっと重要なエリアがある。僕らはそこを改善しなければならない」
テスト最終日、アロンソは午前中にコースオフを喫してフロントウイングとマシン左フロント部を破損し、マシン修復のために約2時間半を失ったが、合計98周を走行、1分21秒363で全体の3番手となった。